今回は、インナーブランディングの実践編として、インナーブランディングの活用方法を3ステップで解説し、企業の成功事例をご紹介していきます。
本記事を読むことで、具体的な実践の方法が分かり、インナーブランディングにより他の企業はどのように成功できたかを知ることができます。きっと自社の人材育成にとってのヒントが見つかるはずです。
インナーブランディングを成功させるための3ステップ
実際に、インナーブランディングを進める手順は、大きく分けて3ステップになります。
- ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の策定
- 社員への理念浸透
- フィードバック(効果計測)
それぞれ以下で詳しく解説します。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の策定
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは、企業の目指す姿、果たすべき使命、大切にしている価値観などを表したものです。
MVVとは
・ミッション(Mission)=企業が果たす使命・社会における存在意義
・ビジョン(Vision) =企業が目指す未来の姿
・バリュー(Values) =行動・判断の基準となる企業の価値観
これらを明確に定めることにより、社員一人ひとりが「この会社で働く意味はなにか」「自分が勤める企業はどんな目標に向かっているのか」「今どんな判断をしてどのような行動をすべきか」を意識できるようになります。
社員への理念浸透
インナーブランディングの成功のカギは、社員への理念浸透ができているかにかかっています。
具体的には、
- 社内報
- 社内チャット
- クレド(行動指針)
- 社内イベント
- 研修やセミナー
- 日報
など、理念浸透のための伝達の手段は様々です。
それぞれの手法については、こちらの記事をご覧ください。
フィードバック(効果計測)
インナーブランディングは短期間で成果があがるものではありません。
そのため、定期的にフィードバックとして効果測定を行うことが重要です。
調査手法として定量的調査と定性的調査があります。
定量的調査では、社員アンケートが一般的で、客観的な視点での設問や分析が有効であるため、社外に依頼するケースが多いです。
定性的調査は、グループインタビューが挙げられます。複数人のグループを作り、特定のテーマについて議論してもらいます。
これらのフィードバックで、改善点を見つけ出しPDCAサイクルを回していきます。
企業の成功事例
実際にインナーブランディングを導入し、成功した企業の事例をご紹介していきます。
スターバックスコーヒーの事例
インナーブランディングの成功事例として、有名なのが、「スターバックスコーヒー」です。
スターバックスコーヒーでは、広告に費用をかけるかわりに、人材育成に費用と時間をかけることでホスピタリティの向上に成功しています。
接客レベルの高さを築いているのは、マニュアルではなく、全てスターバックスで働くパートナーの自主性によるものなのです。
なぜ、自発的に質の高い接客を提供できるのでしょうか。
それは、充実した研修制度により、スターバックスコーヒーの企業理念・行動規範がパートナーに浸透しているからです。
研修の中で理念や行動規範について細かく触れる機会があるため、現場で働くパートナーは「お客様に心地よい接客体験」を提供するにはどうすればいいのか、と考えながら働くことができるのです。
その結果、スターバックスコーヒーは広告費をかけずに、パートナーの質の高い接客や「サードプレイス」としての環境がブランドとして確立し、多くの人々に愛されるカフェになっています。
サイバーエージェントの事例
サイバーエージェントでは、マネジメント・カンファレンスを取り入れた「あした会議」を開催しています。
「あした会議」は、役員がチームリーダーとなり社員とチームを組んで、サイバーエージェントの「あした」をつくる新規事業や課題解決を提案する1泊2日の合宿です。
「あした会議」は、サイバーエージェントの中でも事業創出、課題解決の手段として大きく機能しており、あした会議により決まった子会社28社から生まれた売上は累計700億円にのぼっています。
この取り組みにより、社員は社長はじめ役員の視点を学ぶことができ、部署を超えて社内情報の共有ができるため、会社を取り巻く状況についての理解を深めることができます。
また、主催する経営層にとっては優秀な人材をより成長させる場としても活用されています。
リッツ・カールトンの事例
リッツ・カールトンは、お客様の要望に応える心のこもったサービスを提供することを理念に設立された世界規模でチェーン展開しているホテルブランドです。
リッツ・カールトンのサービスに対する考え方は、
- クレド
- サービスの3ステップ
- モットー
- サービスバリューズ
- 従業員への約束
からなるゴールド・スタンダードに集約されています。
リッツ・カールトンといえば「クレド」が有名ですが、世界中の従業員が常にゴールド・スタンダードが書かれた「クレド・カード」を携帯しています。
これは、リッツ・カールトンで働くホテルマンとしての誇りの表れともいえるでしょう。
これにより、従業員が「最高のサービスとは何か」を自分ごととして考えるようになることが、結果としてリッツ・カールトンらしさを作り出し、顧客の期待を超える感動のサービスを提供し続けているのです。
まとめ
インナーブランディングの活用方法と企業の成功事例についてお伝えしました。
インナーブランディングは一朝一夕にできるものではありません。
しかし、今回成功事例でご紹介した企業は、社会において唯一無二の存在感を示しています。
これはつまり、インナーブランディングにより社員一人ひとりに理念浸透できることで、組織の駒ではなく企業の価値基準に基づく社員の自発的な仕事ぶりが、結果的にブランディングにつながる証左といえるでしょう。
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