「サブ4」の壁 〜自己ベストの呪縛〜

いつしかマラソンは市民権を得て、国民の人気スポーツになった。

都会のド真ん中で1日交通規制だなんて、なんちゅう迷惑な話。

それでも、人は走る。日本人の正月は箱根駅伝でスタートするほど、何故か走っている人を見ると熱くなる。

走るという行為には勇気をもらえる不思議な力がある。

ダイエットのためにスタートして、いつの間にかのめり込み、人生に1度は走ってみたい!くらいの気持ちから、年に何回もレースに出場している!という人も多い。

何を隠そう、わたしもその1人だ。


フラップスプランの笑顔担当。一児の母。歌を愛し歌に愛された女。 働く人のサードプレイスとしてワンネス経営アシスタントトレーナー&毎月50名のメンタリングを担当。東京マラソン2023でサブ4達成!


「アスリートなんですか?」とか、
「どこに向かってるんですか?」と言われることも少なくありません。

わたしにも分かりません。

むしろ教えていただきたい。

ただ前だと思う方向へ自分のペースで進んでいるだけです。キラン。←徹夜で考えた決めゼリフ。(嘘です

マラソンは人生だ!なのか、人生はマラソンだ!なのか、マラソンなんてごめんだ!
なのかは、人それぞれだと思いますが、とにかく「走る」にはドラマがあるのです。

なぜ人は走るのか

「マラソンって苦しくないの?」

と、“絶対走りたくない系女子”からの質問に
全力の笑顔で答えました。

「めっちゃ辛いよ!苦しいよ!」

・・・「じゃあ、なんで走るの?」

そう、なぜ人は走るのでしょうか。

そんなことを考えていたら気になったので調べてみたのですが、

「コロナ自粛」ランナー増えた! 中日新聞掲載

20歳以上で過去1年間に1回以上ランニングした人の割合(実施率)は10.2%で成人人口に換算すると、推計1,0555万人!?2007年に初開催の東京マラソンをきっかけにマラソンブームが続いた2012年(9.7%・1,009万人)のピークを上回り過去最高を更新。

公益財団法人「笹川スポーツ財団」(東京)https://www.chunichi.co.jp/article/368662

い、いっせんまんにん??

それはそれは、大会の申し込みも一苦労するはずですね。

サブ4って美味しいの?

サブ4サブ4言うてますけど、サブ4ってなんなんすか?

美味しいんですか?

サブ4とは

読み方:サブフォー

意味:フルマラソンを4時間以内で完走すること

まず初めてマラソン出場する人の多くは完走を目指してスタートします。

そして、少し余裕ができてタイムを気にするようになってきます。

その、いわゆる“市民ランナー”が目指す称号が「サブ4」です。

サブ4は一人前のランナーとしての勲章で、上位20%の憧れの存在です。

4時間ジャストではダメなのです。

3時間59分59秒までにゴールすると晴れてサブ4ランナーに!!!

そして、何故わたしが「サブ4」にこだわっているのか。

特に分かりやすい過去の記録をご覧ください。


4時間01分39秒 東京マラソン2014

4時間08分50秒 富山マラソン2015

4時間00分24秒 東京マラソン2016

4時間05分53秒 東京マラソン2018


くぅーーーーーーーーーー!!!!!!!!!悔しいですっっっ!

100%フルスイングな言い訳をすると、

「もうすぐサブ4だね!」という言葉を聞いたあの日から(もう10年前だぜ)

なんだかずっと「惜しい人」「目標達成できないわたし」を作り上げて、自分で勝手に高い高い壁を作ってしまっていました。

しかも、カーボンシューズの進化と、もちろん並々ならぬ努力で、実業団クラスだけだと思っていた「サブ3」を達成する市民ランナーも現れる始末。

ちなみにサブ3は上位3%!!!

この3%しかいないサブ3ランナーの友人がゴロゴロいる環境で練習をしているわたしの劣等感たるや!お察しいただけるでしょうか。

いつの間にか、サブ4しないと人じゃないくらいのメンタルになっていきました。

しかし、コロナ禍で大会が軒並み中止となる中

スタートラインに立てることは当たり前じゃないこと

目標があること、挑戦できることは本当に幸せなことだと

気づくことができました。

そして2022年3月名古屋ウィメンズマラソンに当選。

同じ目標を目指すランナーの層が1番多い、女性だけの大会で自己ベスト更新「サブ4」達成に向けて、3年ぶりにチャレンジをすることに決めたのでした!

目標達成のためにやったこと

わたしがサブ4出来ないのは気合が足りないからだ!

と、心の底から思っていました。笑。

はい、みなさん。

正直にお答えください。

お正月に「今年は痩せるぞ!」と決意して継続している人〜?

はい、100人中1人ですね。笑。

こうしてたくさんの人が決意をしては散っていく。

でもやっぱり痩せたい!と気合を入れ直す!

そして明日から本気出す!とアイスを食べていたのが今までのわたしです。笑

もちろんめちゃくちゃ頑張る日もあります、でも昨日あんなに頑張ったから!とまたご褒美をいただく、あまあまのあまなのです!

そして、

“気合い”や“根性”や“意志の強さ”が足りない⤵️

と、凹む、でもこれじゃいけない!と、また気合を入れ直すの無限ループドンマイ!!!

もちろんメンタルは大事!

しかしもっともっと圧倒的にわたしに足りなかったこと

それは、練習です!ですよね~。

足りないのは気合ではなく、努力でした!

しかも正しい努力。賢い努力です。

もう目標を達成している人がいるならば、そのやり方を習う方が絶対に早い!

我流でなんとしようとすること自体、効率が悪いのです。

きっとそんなことは分かっていたけど、そこまでして?という気持ちを飛び越えるほど本気になれたのは今回が初めてでした。

そこで、

目標達成のためにやったこと①

トライアスロンコーチのMihoCにコーチングをお願いしました。


中村美穂

愛称はMiho Coachを略してMihoC。日本で数少ない女性トライアスロンコーチ。

https://boost-inc.jp/nakamuramiho/


カウンセリングで告げられた第一声は

「ゆか、サブ4目指すのやめよう!!!」でした。

えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

「コーチ、サブ4がしたいです。」世界が終わ~~~りそうになりました♪

決定したターゲットは4時間ではなく、3時間45分!!!

「目標達成を目指す」のではなく、あくまで通過点と捉えて

「最低でも目標達成ができる」状況を作る、そんな作戦かなと思いましたが、

まったく手加減なく、3時間45分で走るためのポイント練習、距離、設定ペース、怪我しないリカバリー、そして当日のギアや補給まで、

すべて構築的に考えつくされたわたしのためだけのプログラムをいただきました。

・・・このメニューをこなせたら、3時間45分できる!?!

あのとき、「出来なかったらどうしよう」よりも「出来たらすごいな!」と、すごくわくわくしたのを覚えています。

そしてマインドセット。

「マラソンにラッキーはない。努力と走った距離と汗がすべて。」

日々淡々とメニューをこなす。あとはやるだけ。

2022年1月8日、準備は整いました。

目標達成のためにやったこと②

とにかく継続が苦手なわたしが毎日さぼらず実行するためには絶対に必要なことがありました。

それは、 練習のための時間管理、そして周りの協力を得ること!!!

時間管理のプロ福永社長にも相談し、導き出されたのが家族が目覚める前

朝6時〜7時が私のゴールデンタイムだということ。暗かった、寒かったー!!!

仕事と家庭に支障をきたすことがないように朝のルーティーンとして決めました。

そして、練習メニューを自宅と会社の壁に貼り、毎日蛍光ペンで線をひきました。

時間と具体的な行動を、見える化したことで

いつ何をどれくらいするか

「今しかない」「やるしかない」と集中することが出来ました。

そして、雨の日も雪の日も2か月間

1日も欠かすことなくメニューをこなすことができたのです。

3月12日、大会前日に行動目標を達成することが出来ました!!!!!!

人間には2つの壁がある

そして本番!!!!!!

結論から言うと私の3時間45分チャレンジは失敗に終わりました。

しかも、緊急搬送という大事になってしまいました。

本当にたくさんの方々に心配をさせてしまったし、

大会関係者、参加者の皆さんにも迷惑をかけてしまいました。

35kmで計測はストップ。(赤色は予想タイムです)

決して「いい話」とか、「感動秘話」にしたいわけではありません。

倒れるほど限界に挑むことを推奨したいわけでもありません。

しかし今回わたしははじめて自分の壁、限界に触れることができました。

人間には2つの壁があります。

それは、心理的限界と生理的限界です。

今回、私に起きたのは“心理的限界を越える体験”だったということを後から教えてもらいました。

生理的限界というのは、身体の機能が壊れてしまうラインです。

そこまで行かないようにセーフティ機能として心理的限界、つまり“気持ちの限界”が存在します。

今までの私は生理的限界はもちろん、心理的限界に近づくことすらしませんでした。

あくまで笑顔でいられること、よく魅せることが大事で、自分の気持ちに余裕がある状態を維持していました。

しかし、今回、ちゃんと努力を積み重ねることで自分の限界を突破し、最後まであきらめずに走ることが出来ました。

限界の判断ができず倒れてしまったことでたくさんのご迷惑をかけてしまったけど、

心も身体も追い込めるほど、自分のチカラを信じ抜くことが出来ました。

とゆうわけで、今回思い描いたゴールは出来ませんでしたが、

自己最高の努力でベストを尽くすことで、

自己ベストの呪縛から一歩前に進み、色んな意味で壁がぶっ壊れました!

失敗と書いて成長と読む。

挑戦の先には成功か成長しかない。

失敗したと立ち止まるのではなく、
挑戦できたこと成長できたことに感謝して、また次へ進もう!!!

まとめ

今まで「サブ4」というタイムに囚われることで自分で自分の限界を決めてしまう癖がついてしまっていました。

理想と現実のギャップを感じると挑戦することが怖くなり、自分で高い壁を作って「どうせ」とあきらめてしまったり「またダメだったらどうしよう」「かっこ悪いなぁ」と逃げてしまう。

無理だと思ってからの一歩が踏み出せなかったのです。

これはマラソンだけでなく、仕事や日常での思考の癖でもあります。

しかし今回、ひとつ高い目標に挑戦し、絶対にできると信じて努力することで「自分で自分の限界を決めない」という大切なことを身をもって感じることが出来ました。

だからもうサブ4を目指すことをやめました。

そして結局サブ4を目指してまた努力します!笑

あきらめそうになるたびに、自分を励まして前に進んだ経験は、この先どんなに苦しいことがあっても乗り越えられる!そんな自信をくれます。

そして何より、私より本気で私の可能性を信じてくれて、一緒に伴走してくれる人たちがいてくれることに感謝の気持ちでいっぱいです。

だから恐れずに!倒れたって何度でも立ち上がってスタートラインに立つ!

本当は少しこわいけど、きっと大丈夫。

人生をもっとたのしくおもしろくするために、

これからも目標を掲げて、挑戦し続けるわたしでいたいです!!!

最後に

レース前日に福永社長がかけてくれた言葉

「真剣になっても深刻になるな」

真剣になりすぎるあまり、深刻になってしまって忘れていた一番大切なことを思い出しました。

わたしが走る理由です。

それは

「走った後のご飯とビールが美味しいから」

大会から1ヶ月後、名古屋主張でワンネス研修後の一杯♪

挑戦はつづく!!!!!!!

自分の限界を決めない!正しい努力で目標達成に挑む!
最新情報をチェックしよう!