2022.02.15
チームづくり
「採用の間違いは教育では取り返せない」とは師匠:榎本計介氏の言葉。
研修を提供する身からすると、「いや!どんな人材も可能性は無限大です!」と答えたくなりますが、残念ながらそんなことはありません。
だからと言って「使えないやつばっかりだ」と言っているのは経営者としての能力の低さの証明です。「いろんな才能があって、たまたま自社では発揮できない」が真実。そして、面接では見えないことが採用した後から分かってくるというのもあるあるです。
とにかく正解がない世界。だからこそ不正解の排除をすれば確率が上がるのではないかと考え、今回は、「どんな採用をするべきか」ではなく「どんな採用をしてはいけないか」についてお伝えします。

大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。
サポートさせていただいている企業様で人材の悩みについて経営者から相談されます。
その中でも多いのが「人が定着しない」という悩み。
そしてこの悩みを抱えるサポート先を分析していくと大体2パターンに分かれます。
1. については理由が明確なので今回は2. の会社のお話です。
2.待遇はいいのに定着しない「謎の退職」が連続する企業にかなりの確率で共通していることは
・業績が伸びている
・決して過酷な環境なわけではない
・社長が勉強熱心
ということです。
そして、定着しなくなったきっかけを遡ってみると
・主軸だったキーマンが退職した
という事象が起きていることが多くあります。
このキーマンの退職というは、決してネガティブな理由ではなく、独立起業や本人の夢が叶うようなキャリアアップ、結婚退職などこちらが応援したくなるような理由です。
その穴を埋めるように早急に採用に動くわけですが、ここが運命の分かれ道となります。
とある大箱の美容院の話です。
起業から5年いろんな困難はあったものの順調に拡大し、スタッフは15名ほど。さらに多店舗展開を目指そうと息巻く経営者。
しかし、ここで創業2年目から入社し主軸を担っていたリーダー格の女性スタッフが結婚退職することになりました。
結婚後も働いて欲しいと話し合いましたし、本人も働きたいと思っていたのですが、旦那さんの仕事の関係上、引っ越すことが前提だったためそれも不可能ということで、惜しまれつつ退職しました。
もちろん、社長はすぐにそのキーマンが抜ける穴を埋めるべく二番手のスタッフをリーダーに任命します。そしてその人員補充のために採用活動を行いました。
ここまでは何ら問題のない動きのように感じます。
しかし、この採用によってどんどん状況は悪化していったのです。
私は「穴埋め採用クライシス」と呼んでいますが、起きたのは大体以下のこと。
一つずつ解説していきます。
新たにリーダーになった人材が、以前のキーマンの幻影と戦ってしまうと多くの場合がプレッシャーで自己嫌悪に向かっていきます。また、経営者側もなんともそのキーマンが抜けた穴が大きいために、いつまでも以前のクオリティを期待してしまい無意識に「以前はこうだった」みたいなことを口走ってしまいます。すると徐々にその新リーダーのエネルギーは降下していき、より負のスパイラルに落ち込んでいきます。
業績は好調なので人員補充が必要です。正直、猫の手も借りたいという状況のため、とにかく自社で働きたい!と言ってくれるなら、相当変な人でない限り、とりあえず採用する。という動きになってきます。しかし、まだ猫の方が可愛げがあって良かったということがよく起こります。現実問題として人材の質の低下が起きる瞬間です。
しかし、この会社の社長は優秀なので評価制度や社内規則を整えることで、なんとかこの人材の質の低下によるサービスの低下を防ぎ、顧客満足を維持するための努力をしました。今まではお互いの配慮や思いやりの気持ちで動いていた部分がルール化されていきました。徐々に会社の文化が変化していったのです。
私たちが好きだった会社ではなくなってしまった。初期メンバー数人がその変化を敏感に感じとります。なんだか人が入れ替わってきたし、そろそろ私も転職しようかな。そんな雰囲気になり会社としてとても重要な「理念体現者」が数人やめてしまいます。
数人の理念体現者の退職により、今まで圧倒的多数派であった仕事楽しい!がんばろう派閥の影響力が下がり、新たな労働力として採用された新人の働く人の権利だけをやたら主張する派閥が台頭し始め、内紛が起き始めます。社長はもちろんがんばろう派なんですが「やめられたら困る」という恐れから反対派閥に強くアプローチできなくなっていきます。
この内紛状態にある職場で採用活動を行うわけですが、求職者も馬鹿じゃないので、というか、優秀な人ほど職場の雰囲気を感じ取って辞退します。逆に気づく力の弱い人だけが入社してきて「思ったのと違う」って言って早期に退職するわけです。
人がすぐやめて現場が困るため補充人員をすぐに採用。しかし、猫の方がまだマシ。
以下無限ループとなります。
この「穴埋め採用クライシス」いかがでしょうか?怖いですよね。
でも実際によく起きています。業種業態関係なく、実は目立たないけど要石のような動きをしていたまさに、文字通り「キーマン」が退職することによって、綻(ほころ)びが生じ始めます。
このキーマンの特徴は実務レベルが非常に高いというよりは、理念の体現者であったり、まとめ役という業務の表面上にあまり出てこない役割だったりします。
非公式のNo.2や精神的支柱と呼んでいいかも知れません。
なので、経営者側の見解は「やめるのは寂しいけど業務に支障は出ないだろう」というレベルの認識です。そのために穴埋め採用で何とかなると考えてしまうのかも知れません。
ではどのようにしたらこの無限ループから抜けられるのでしょうか。
穴埋め採用クライシスの発端はどこにあるのか?
そして、どこで食い止めることができるのか?
以下のことに気をつける必要があります。
そもそもで言うと、キーマンが辞めて二番手が比較されてしまう状況を作らない。そして、新しい人が入ってきても個の能力に頼ることなく等しくできる状態を準備しておく。ということ。つまり属人的な仕事にならないように、業務に人をつけるという状態を平時から構築していくことが重要です。
と、机上の理論ではこうなりますが、ほとんどの中小企業では無理だと思います。その人だからここまでやれた。というのが真実だし、その人の退職に備えて準備するほど余裕がないことの方が大半です。とはいえ、属人的にならない状態づくりは「理想を求めて準備する」と理解して進めていく必要があると思います。
「なんで近くで見てたはずなのにできないんだろう?」
いまいち動きの悪い新リーダーに対してつい思っていませんか?
この問題は過去が美化されがちであることが理由の一つ。
そしてもう一つが、一番手と二番手の総合力の違いがいかに大きいのか?について正しく理解できている人が少ないことです。
高校野球の投手がなぜあんなに連投させられるのか?と疑問に思いませんか?
二番手投手に変わればいいのに。どこの高校も変えられないのです。
それは、あまりに一番手との総合力が違いすぎるから。
スキルの違いが最大の理由ではありません。メンタルも含めた総合力が圧倒的に違います。それは「本番」に立った回数が圧倒的に違うからです。
エースが1人しか存在し得ない理由。
それは「本当に責任を持ったリーダーは常に1人」だからです。
エースは登板回数が圧倒的に多く、失敗と成功を重ね、さらに真のエース、リーダーになっていきます。しかし、二番手はあくまでエースの控え、副リーダーであり、エースの有事に備えている存在です。その存在にエースと同等の心持ちで常に居なさい。というのは不可能に近い話です。
責任を背負った「時間」と「回数」
それだけが真のリーダーを育てます。
なので、いきなり同等の動きができるという期待は手放しましょう。じっくり育てるしかありません。
「前の人はできてた、前が良かった」って彼氏、彼女に言われたら嫌でしょう?
従業員はもっと嫌ですよ。
これが定着しない職場問題のボトルネックだと思います。
もちろん採用にあたっては慎重に実施されている経営者がほとんど。
しかし、現場の過負荷をなんとか解消したいという思いから、つい採用基準が甘くなったりすることがあります。
また、そもそも応募数の少ない業界だったりすると採用費分は採用しなきゃもったいない。来てくれるだけでありがたい!となって、来るもの拒まず去るものは必死で引き止める。となってしまっているのも現実です。
苦しい状況から逃れたいという欲求は、目を曇らせます。
この現象を「認知の変容」と言います。
高層ビル火災において、絶対に助からない高さから飛び降りてしまう人が多くいるそうです。従来は、ここにいても煙や火に撒かれて死んでしまうから覚悟を決めて飛び降りるのだと考えられていました。
しかし、とあるホテル火災から救出された女性宿泊客の証言は、飛び降りの背景に認知の変容が絡んでいることを明らかにしました。
この女性は数人ではしご車による救助を待ちながら、5階の窓から交代で首を突き出して新鮮な空気を呼吸していました。すると、首を突き出す度に、眼下に見えるホテルの庭が近付いて見えてきたといいます。そのうち「この近さなら何とか飛び降りられるのではないか」という気がしてきて、理性ではそれを否定しながらも、その気持ちを抑えることが難しかったそうです。これは、脱出したい、助かりたいという強い欲求によって、地面までの距離感が歪められた例であるといえます。
このように、私たちは危機が迫ると現実を歪めて「良く」みてしまうということが起きます。その良く見たいという思い込みに、確証バイアスという、自分に都合の良い情報ばかりを集める。という機能が拍車をかけて、本当はイマイチな人材を「ものすごくいい」と思い込んでしまうのです。
とにかく採用というか、人が人を判断するということはどこまでいっても難しいということです。
期待度×合否の結果の掛け算は以下の通り。
・ダメだと思って不採用にしたら本当にダメな人だった
・ダメだと思って不採用にしたら実はいい人でもったいなかった
・あまり良くないと思ったけど採用したら、やっぱりダメだった
・あまり良くないと思ったけど採用したら、実は良かった
・いいと思って採用したのに、ダメだった
・いいと思って採用したら、やっぱり良かった
とどのつまり。結果は雇ってみなけりゃわからない。というのも真実です。
しかし、この6つの目のサイコロの中で
・あまり良くないと思ったけど採用したら、実は良かった
の目が出る確率はどれぐらいでしょうか。
雇用側も被雇用側も双方がハッピーになる採用方法はわかりません。
しかし、双方が不幸にならないために雇用側ができることがあるとするなら、自社で働きたい人ではなく、自社で働いてほしい人を獲る。ということに尽きます。
「そうは言っても、現場が回らない」
経営者から2万回ぐらい聞きましたが、結局ほとんどの会社がその時期に採った人材はほぼ辞めていて、入れ替わっています。
自社が自信を持って雇用した人しか本気で関わることができません。
穴埋め採用はグッと堪えて、自社に必要な人を採用しましょう。
強いチームづくりのヒントになれば幸いです。
人材育成や採用・離職に関する課題は簡単に解決できるものではありません。正しい知識を身につけて、日々継続していく事が必要です。
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事務局:スズキヒラク
この記事を書いた人
福永寿徳
大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。
2024.11.01
働きやすい組織づくりに必要な「従業員幸福度」とは?概要や従業員満足度との違い、重要性について解説
チームづくり「従業員幸福度」は、従業員の仕事満足度を測る指標です。 近年、働き方の多様化によってそれぞれの仕事への期待も変化している中、従業員の幸福度向上に取り組む企業が増えています。 そのため、「従業員幸福度を上げて働きやすい組織づくりをしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。 今回は、従業員幸福度の概要について解説し、従業員満足度との違いや従業員幸福度の重要性についても紹介します。 従業員幸福度を上げたいと考えている企業の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。 従業員幸福度の概要 従業員幸福度は、従業員の満足感や充実感を数値化した指標です。 「Employee Happiness」の頭文字を取って「EH」とも呼ばれ、この指標を活用することで従業員の仕事に対する思いを理解し、改善が必要な領域の特定が可能です。 近年の働き方の多様化に伴い、給与や労働時間だけでなく、職場環境や福利厚生、キャリアアップの機会なども、幸福度に影響を与える要因として注目されています。 また、海外ではすでに多くの企業で採用されており、従業員幸福度の向上が企業の業績アップや離職率低下につながることが明らかになっています。 従業員幸福度の向上は仕事面だけでなく、個人の生活全体にも良い影響を与えるため、企業と従業員双方にとって有益な取り組みです。 さらに、従業員幸福度は組織の健全性を示す重要な指標でもあり、今後の企業経営において欠かせない要素となります。 従業員満足度との違い 従業員幸福度と似ている言葉に「従業員満足度」(Employee Satisfaction、ES)があります。 従業員満足度は主に労働環境の充実度を評価する指標で、給与・労働時間・福利厚生・職場環境などに対する従業員の満足度を数値化したものです。 日本企業でも従業員満足度の向上に取り組む例は多く、比較的なじみのある概念です。 一方、従業員幸福度は働く人の「働きがい」に焦点を当てています。 働きがいのポイントは、たとえば次のようなものです。 自身の仕事が公平に評価され、適切な対価やポジションを得られているか 仕事を通じて、達成感や成長を実感できているか 職場で意見が尊重され、安全な人間関係が構築できているか また、従業員満足度が企業主導でコントロールできる「働きやすさ」を測る指標であるのに対し、従業員幸福度は従業員一人ひとりが主導権を握り、その定義や判断基準も異なるのが大きな違いです。 従業員満足度の向上が必ずしも従業員幸福度の向上につながらないという点もポイントになります。 たとえば、給与や労働時間といった直接的な待遇を改善しても、業務内容に意義を見出せなかったり、やりがいを感じられなかったりすれば、幸福度は向上しません。 理想的なのは、従業員幸福度と従業員満足度がバランス良く支え合う状態だといえます。 従業員幸福度の重要性 従業員幸福度の重要性として、次の3つが挙げられます。 強みと弱みの再認識 イノベーションや生産性の促進 離職率の低下 それぞれ解説します。 強みと弱みの再認識 従業員幸福度の測定は、従業員の日常的な幸福状態を理解する上で非常に有効です。 これによって、企業は自社の強みと弱みを再認識し、業務効率の向上につながる改善点を見出せます。 従業員の不満や課題を正確に把握して解決することで、長期的な視点での働きやすさの追求が可能となり、結果として企業の収益性最適化にも役立ちます。 イノベーションや生産性の促進 従業員幸福度の向上は、イノベーションや生産性の促進にも大きく貢献します。 仕事にやりがいを感じる従業員は、より前向きな姿勢で業務に取り組み、新しいアイデアを生み出す可能性が高まります。 また、心から満足して働ける環境は雰囲気も良く、従業員の生産性を自然に向上させるものです。 離職率の低下 従業員幸福度の高い職場では離職率が低下し、新入社員の定着率も上がる傾向があります。 これは人材育成のコスト削減や組織知識の蓄積につながる重要なポイントです。 まとめ 従業員幸福度は、単なる労働環境の充実度を超えて、従業員の「働きがい」を反映する重要な指標です。 この指標を活用することで、企業は業務効率の向上、イノベーションの促進、生産性の向上、離職率の低下などの利点を得られます。 従業員の幸福の追求は、個人の利益だけでなく、企業全体の成長と競争力強化にもつながります。 多様化する働き方の中で、従業員幸福度の向上は企業の成功に不可欠であり、働きやすい職場環境の構築が求められているといえるでしょう。
2022.11.08
パーソナライズドラーニングとは?注目されている背景と類似用語との違いについて解説
チームづくり個々の興味や経験などに合わせた理想的な学習モデルとして「パーソナライズドラーニング」がトレンドになっています。 自社の研修にパーソナライズドラーニングを取り入れて活用したい、と考えている方も多いのではないでしょうか。 しかし、パーソナライズドラーニングとはどのような教育方法なのか、また似ている言葉との違い、といった点がわかりにくいものです。 そこで今回は、パーソナライズドラーニングについてその背景などを解説し、似た用語との違いをわかりやすく説明していきます。 パーソナライズドラーニングとは? 個人のために何かをカスタムすることを「パーソナライズ」といい、「パーソナライズドラーニング」は個人のために学習をカスタムすることを指します。 つまりパーソナライズドラーニングとは、学習対象者一人ひとりの興味、経験、好みの学習方法などに合わせたやり取りを提供する学習手法です。 個人のレベルに合わせた学習プログラムを提供するといった理想的なモデルとして、パーソナライズドラーニングは教育現場において以前から注目されてきました。 そして2018年以降は、社会人学習や企業の人材開発の観点からも最新トレンドとなっています。 注目されている背景 パーソナライズドラーニングの実験的試みは、米大手IT企業の元エンジニアが2013年に立ち上げた学校「Alt School」から始まりました。 Alt Schoolでは、学年相応の習得スキルレベルは決められていますが、教師と相談しながら一人ひとりの学習プログラムを進め、教材や副読本などはそれぞれの関心に基づいたものを使用します。 そして最終的には、それらの情報がビッグデータ化され、教材や学習方法に生徒の特性や習熟度に応じた推奨機能が搭載されるようです。 このように、パーソナライズドラーニングは、ICT(情報通信技術)の進歩によってますますの広がりが期待されています。 また、日本においては、公的教育機関が抱える「学習機会の不公平さ」の問題が背景として挙げられます。 ごく普通の教育現場では、同じ教師が同じ教材を使って同じ学習者たちに教える、というスタイルが一般的です。 しかし、こういった「教育機会の平等」は、学習機会の不公平さも生み出しています。 この問題を解消するため、教師が生徒の学習に合わせてカリキュラムや進捗度を調整する、というやり方で行うケースもありますが、リソース不足などの課題も多く、限りがあると言えます。 そこで現在、テクノロジーを使って効率的に個々に適合した学習環境を提供するパーソナライズドラーニングが注目を浴びているのです。 社会人学習におけるパーソナライズドラーニング 近年、パーソナライズドラーニングは、社会人学習においても注目されています。 例えば仕事でプログラミング知識が必要になった場合、実践的なプログラミングを学べるAIアプリの利用が可能です。 自分だけのプログラムを楽しみながら学んだり、クイズ形式で進捗度が計れたりといった方法で、個人の課題と向き合ったパーソナライズドラーニングを高い精度で実現してくれます。 パーソナライズドラーニングと似た用語との違い パーソナライズドラーニングと似た用語として、下記の2つがあります。 ブレンディッドラーニング アダプティブラーニング それぞれとの違いを解説します。 ブレンディッドラーニングとの違い 以前ご紹介したブレンディッドラーニングは、複数の学びをブレンドして新しい学びを構築する教育手法です。 例えば、eラーニングでそれぞれが事前学習を行ったあと、集合研修で講義や実践、ワークショップを行うといった形式が挙げられます。 ブレンディッドラーニングはさまざまな学習方法を組み合わせた教育手法であって、その内容としてはある程度同じものが提供されます。 それと比較してパーソナライズドラーニングは、より個人に目を向けて対応する教育方法だと言えます。 アダプティブラーニングとの違い アダプティブラーニングとは、AIを使って学習者の学習進捗状況や理解度、成績結果などを分析し、それに合わせて一人ひとりに最適な学習プランやコンテンツを提供することを指します。 一方、パーソナライズドラーニングは、学習者の興味・関心に合わせて学習内容や方法を調整するという取り組みです。 つまり、パーソナライズドラーニングのくくりの中にアダプティブラーニングがあるといった認識です。 AIやICT(情報通信技術)といったコンピューターベースのテクノロジーはパーソナライズドラーニングでも活用しますが、アダプティブラーニングではより具体的に活用する点が違いになります。 まとめ 個人のために学習をカスタムするという意味を持つパーソナライズドラーニングは、学習対象者一人ひとりの興味、経験、好みの学習方法などに合わせた学習方法です。 現在、教育現場だけでなく、社会人学習などにおいてもトレンドとなっていますが、その背景を理解しておくことが大切です。 また、ブレンディッドラーニングやアダプティブラーニングといった用語との違いの明確化も重要になります。 自社の人材育成を効果的に行うためにも、パーソナライズドラーニングについてあらかじめしっかり理解しておきましょう。 https://flapsplan.co.jp/blog0140/ ブレンディッドラーニングに関する解説記事はこちらです。ぜひご覧ください。
2024.08.24
心理的安全性を高める方法とは?注意点も紹介
チームづくり心理的安全性を高めることで誰もが安心して行動を起こせるようになり、活発な情報交換やイノベーションの促進が見込めます。 しかし、心理的安全性を高めるにはどのようにしたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、心理的安全性を高める具体的な方法を解説し、その際の注意点についても紹介します。 ぜひ、参考にしてみて下さい。 心理的安全性を高めるための方法 心理的安全性を高めるには、下記の5つの方法が効果的です。 関係性を構築する 発言機会を確保する 相手を尊重する姿勢を示す 成功体験を積み重ねる サポート体制を充実させる それぞれ解説します。 関係性を構築する オープンなコミュニケーションを促進し、質問や相談がしやすい環境を整えることが重要です。 上司や同僚が積極的に声をかけ、必要な時に助け合える関係性を築きます。 同時に、業務マニュアルの整備を進め、基本的な業務は自立して行える体制を整えます。 また、食事会や飲み会など、業務外での交流の機会を設けることで、より深い人間関係の構築が可能です。 その場合、参加を強制せず、多様性を尊重しながら個々のニーズに配慮した接し方を心がけます。 たとえば、少人数でのランチ会やオンラインでの交流もおすすめです。 発言機会を確保する 会議などでは、全員が均等に発言できる仕組みを作ります。 司会者が意図的に発言を促したり、感想を述べる時間を設けたりすることで、特定の人だけが発言する状況を避けることがポイントです。 新入社員や経験の浅い社員に対しては、積極的に話しかけ、発言することの楽しさを体験してもらうとよいです。 これによって多様な意見を引き出し、創造性を高められます。 また、組織全体で共通の目標を持つと、個々の発言や貢献の意義が明確になります。 自発的な参加意識が生まれ、一体化しやすいのがメリットです。 相手を尊重する姿勢を示す 日常的に感謝の気持ちを表現し、相手を尊重する姿勢を示すことが大切です。 ちょっとした心遣いや丁寧な対応が、社員の満足度を高め、組織への帰属意識を強めます。 たとえば、あいさつを必ず行ったり、しっかり目を見て感謝の言葉を伝えたりすると職場全体の雰囲気も明るくなります。 成功体験を積み重ねる 小さな成功体験を通じて、一人ひとりの自信を育てることも重要です。 具体的には、意思決定の機会を与え、その結果に対するポジティブなフィードバックを提供します。 少しずつ発言への恐怖心を減らし、積極的な参加を促すのがポイントです。 同時に、適切な評価システムを構築し、公平で透明性のある評価を行うことで、安心感を高めていきます。 サポート体制を充実させる 「メンター制度」や「1on1面談」を活用し、個々に寄り添ったサポートを提供します。 特に、新入社員のメンタルケアに注力し、孤立感を解消することが大切です。 また、社員同士でポイントを贈りあう「ポイント制賞与制度」などの仕組みを導入すれば、お互いを認め合い、学び合える環境が整います。 組織全体の成長と結束力の強化を図るためにも、自社に適した制度の導入をおすすめします。 心理的安全性を作る時の注意点 心理的安全性を構築する際は、下記の4点に注意が必要です。 適切な距離感を保つ 責任感と向上心を忘れない 全員の真の感情を把握する 適切なフィードバックを行う それぞれ解説します。 適切な距離感を保つ 心理的安全性の高い環境では、社員間の関係性が良好になります。 しかし、業務とプライベートの境界を明確にし、プロフェッショナルな関係性を保つことが重要です。 和やかな雰囲気を大切にしながらも、上下関係や社会人としての常識を忘れず、適度な緊張感を持って仕事に取り組む環境を作ることが求められます。 責任感と向上心を忘れない 心理的安全性が高まることで、失敗を恐れずに挑戦できる環境が整います。 しかしこれは、手抜きや責任回避を許容するものではありません。 安心して仕事に取り組める分、より高い成果を目指すべきです。 定期的な面談や業務環境の変化を通じて、一人ひとりの意識を高め、常に向上心を持って仕事に臨む姿勢を育むことが大切です。 全員の真の感情を把握する チームの雰囲気が良くなったように見えても、全員の本当の気持ちを反映しているとは限りません。 表面的な和やかさの裏に、言い出せない不満や遠慮が隠れている可能性があります。 リーダーは自己満足に陥らず、それぞれの本音を丁寧に聞き取る努力が必要です。 全員が同じようにポジティブな感情を持てているかどうかを時間をかけて確認し、必要に応じて個別のサポートを行いましょう。 適切なフィードバックを行う 心理的安全性を高めるだけでなく、適切な指導やフィードバックを行うことも重要です。 建設的な批判や的確なアドバイスは、個人と組織の成長に不可欠です。 褒めるべき時には心から褒め、改善が必要な時には具体的な指摘を行う、このバランスを取ることで、真の意味で安心して仕事ができる環境が整います。 また、リーダーには、コミュニケーション能力を磨き、部下の成長を促す効果的なフィードバック方法を身につけることが求められます。 まとめ 心理的安全性の向上は、組織の成長と革新に不可欠です。 これを実現するには、オープンなコミュニケーション、公平な発言機会、相手を尊重する姿勢、成功体験の蓄積、そして堅固なサポート体制が重要です。 同時に、適切な距離感の維持、責任感の育成、全員の真の感情の把握、効果的なフィードバックにも注意を払う必要があります。 心理的安全性の構築には時間がかかりますが、継続的な取り組みにより、より強固で創造的な組織文化を育むことができるでしょう。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。