デザイン思考を導入している企業事例を紹介!具体的な活用方法とは?

近年、多くの企業が「デザイン思考」の導入を進め、社内への浸透を図っています。

しかし、デザイン思考の導入を検討する場合、具体的な活用方法について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、実際にデザイン思考を取り入れることで成果を上げた企業事例を3つご紹介します。

実際の事例としてどのようなものがあるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

デザイン思考のおさらい

デザイン思考は、ユーザーの視点に立つことで商品やサービスの本質的な課題を発見し、解決策を探る考え方です。

社内に導入することで、多様な意見を受容しやすくなる、アイデア提案の習慣化、コミュニケーション向上、幅広いユーザーニーズへの対応といったメリットがあります。

デザイン思考はデザインの手法をもとにした考え方で、「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」の5段階プロセスに沿っています。

ただし、理論だけでは浸透させることが難しく、研修や社内ワークショップを行ったり、フレームワークを取り入れたりといった実践が重要です。

ロート製薬株式会社

ロート製薬株式会社では、2020年末から「D2Cプロジェクト」を本格始動させ、その一歩目として2021年7月に、ECサイトの大幅なリニューアルを行いました

その際、主体を「ブランド」から「お客さま(ユーザー)」に転換するため、デザイン思考を取り入れ、従来のやり方からの発想の切り替えを図っています。

まずは、オンラインショップをすでに利用している既存のユーザーに対し、一人当たり90分ずつのインタビューを行いました。

30代から70代まで、幅広い年代の16人とさまざまな観点で対話を重ね、「なぜその行動をとったか」というところまで掘り下げて理解することができたそうです。

そして、インタビューから得られた学びを全て集めてテーマごとにまとめ、ユーザーの行動・思考・感情を時系列に配置して図に表しました。

いわゆる「カスタマージャーニー」を作成することで、さまざまな文脈から商品とケア方法を伝える、特集や記事などのコンテンツ拡充が図れました。

実際にユーザーのリアルな声と学びに共感し、手触り感を持ってこちらの方向に舵を切れたことはロート製薬にとって大きな成果だった、ということです。

参考:主体をブランドからお客さまへ。90以上のブランド数を抱えるメーカーが目指すD2Cとは?|ロート製薬株式会社 note

富士通株式会社

富士通株式会社では、2016年からデザイン思考の体系化に取り組み始めており、2021年には、オリジナルの「デザイン思考テキストブック」をPDFとして一般公開するなど、デザイン思考の導入に大きく力を入れています。

会社全体でDXに取り組んでいる現在においては、​社員全員に「デザインマインド」を浸透させ、デザイン思考を実践できる組織へ変革を図っています

富士通では、あらゆる企業活動にデザイン思考を取り込むことで、「デザイン経営」のリードを試みており、以下のゴールを目指しています。

  • フロントへのデザインアプローチ浸透と実践により強化された共創力・提案力
  • 事業部へのデザインで付加価値が付与された魅力的な製品・サービス
  • デザインで刷新されたイノベーティブなマインド

また、「デザイン思考プログラム」が設けられているのも大きな特徴です。

このプログラムでは、全従業員に向けた「デザイン思考有資格者」の自律型受講を始め、「デザイン思考実践者」「デザイン思考実践リーダ」「デザイン思考エキスパート」とレベルアップできるような仕組みが作られています。

参考:​​​​デザイン経営に向けた富士通の取り組み​​|富士通株式会社デザインセンター

富士通の実践知が詰まったデザイン思考のテキストブック公開|富士通株式会社

ソニー株式会社

ソニー株式会社では、近年、デザイン思考を活用した「デザインリサーチ」と呼ばれるメソッドの実践に取り組んでいます

一例として、最新の社会情勢や人々の意識動向を読み解くことで、未来のストーリーを紡ぎ出す「DESIGN VISION」というプロジェクトが挙げられます。

当プロジェクトの主な活動は、デザイナー自身が世界各地でフィールドリサーチやインタビューなどを行い、その洞察をもとにしたワークショップを実施することです。

この結果は、年次レポート「DESIGN VISION Insight」として1冊にまとめられ、社内での発信・共有が行われています。

また、プロダクトの印象や価値を大きく左右する「CMF(Color/色、Material/素材、Finish/加工)」の領域においても、「CMFフレームワーク」プロジェクトとしてデザインリサーチが活用されています。

ほかにも、次世代の映画撮影用カメラ「VENICE」の開発プロジェクトをはじめ、さまざまなプロダクトやサービス事例にデザインリサーチを導入し、新たな視点からデザインと価値の創出に取り組んでいます。

参考:ソニーにおける「デザインリサーチ」の考え方|ソニー株式会社

まとめ

デザイン思考を導入することで成果を得ている3つの企業事例を紹介しました。

いずれも大きな企業の事例ですが、具体的な方法として参考にできる部分も多いはずです。

今回紹介した事例をもとに、自社に合わせたデザイン思考の導入を検討してみましょう。

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