「デザイン思考」は、デザインの手法をもとにし、商品やサービスにおける本質的な課題をユーザー視点から見つける考え方です。
デザイン思考の導入を検討する場合、「どのように実践すればいいのか」「実践する際に役立つ方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
デザイン思考を社内に浸透させるには、実際に取り組んでみることが重要です。
今回は、デザイン思考を社内で実践するためのポイントとフレームワークを紹介します。
デザイン思考を実践するためのヒントを探している場合、ぜひ参考にしてみてください。
デザイン思考を実践する3つのポイント
デザイン思考は、下記の3つのポイントを押さえて実践することで社内に浸透しやすくなります。
- デザイン思考の研修を実施する
- 社内ワークショップを実施する
- 実践を繰り返し行う
それぞれ解説します。
デザイン思考の研修を実施する
近年では、デザイン思考の研修を行うケースが増えています。
この研修では、多くの場合、外部から講師を招いてデザイン思考のプロセスを座学で学びます。
理論的な知識を得ることで、受講者はデザイン思考の基本的なアプローチや手法について理解を深めることが可能です。
また、単なる理論のみで終わらせるのではなく、実践を重視した体験型のグループワーク研修も効果があります。
グループワークを通じて実際にデザイン思考を体験することで、より実践的なスキルが身に付けられます。
社内ワークショップを実施する
デザイン思考を社内に浸透させるには、ワークショップを実施するのも効果的です。
社内のメンバーが、それぞれの時間を割いてワークショップを行うことで、デザイン思考をどのように取り入れるべきか実践的に学ぶことができます。
ワークショップは社員同士のコミュニケーションを促進する場でもあり、情報共有の強化や信頼関係の構築に有効です。
また、さまざまなアイデアが交わされる中で、チーム全体の創造性や共感力の向上にも期待できます。
実践を繰り返し行う
デザイン思考を取り入れる上でもっとも重要なのが、現場で実践を繰り返し行うことです。
模擬訓練だけでは得られない経験と学びが、多くの実践を通じて得られます。
たとえば、実際のプロジェクトにデザイン思考を取り入れ、従来とは異なるアプローチで問題解決に挑戦すると良いです。
プロジェクトを数多く経験することで、より高い精度のアイデアを生み出せるようになるのはもちろん、プロトタイプを開発するスキルの向上にもつながります。
デザイン思考の実践に役立つフレームワーク
デザイン思考の実践には、下記のフレームワークが役立ちます。
- 共感マップ(エンパシーマップ)
- 事業環境マップ
- ジョブマップ
それぞれ解説します。
共感マップ(エンパシーマップ)
「共感マップ」は、ユーザーをより深く理解するのに役立つフレームワークです。
「エンパシーマップ」とも呼ばれ、マーケティング手法の一つとして活用されることも多いです。
共感マップでは、次の6つの視点からユーザーの感情や行動を整理し、状況を把握します。
- 見ているもの
- 聞いていること
- 考えていること
- 発言・行動
- 痛み・ストレス
- 望んでいること
各視点の分析・把握によって、真のユーザーニーズを探り出すことが可能です。
事業環境マップ
「事業環境マップ」は、ビジネスを取り巻く状況を理解するためのフレームワークです。
ここでは、下記の4つのカテゴリーに分けて、ビジネスの環境を分析します。
- 市場
- 業界
- トレンド
- マクロ経済
それぞれのカテゴリー別に分析することで、時代に適したビジネスモデルの定義が可能になります。
ジョブマップ
ユーザーが商品を購入したり、サービスを利用したりする際に、必ず達成したい目的を「ジョブ」と言います。
ユーザーニーズを的確に捉えるには、ジョブを機能的・社会的・感情的の3つの面から分析する「ジョブ理論」を利用します。
また、ジョブ理論の一環として、満たされているジョブと満たされていないジョブの両方を可視化する「ジョブマップ」というフレームワークの利用が効果的です。
これによって、ターゲットとするユーザーを定義し、そのユーザーが求める機能やトレンドなどを明確化することができます。
すでに満たされている点や充実させるべき点の発見にも役立つため、自社の事業内容を改善する際にも活用しやすいのが特徴です。
まとめ
デザイン思考は、実際に取り組んでみることで社内に浸透しやすくなります。
その際のポイントとして、デザイン思考の研修や社内ワークショップの実施、そして何より実践を繰り返し行うことが重要です。
また、共感マップや事業環境マップ、ジョブマップといったフレームワークの活用もおすすめです。
ぜひ、今回の記事を参考に、社内へのデザイン思考の浸透に向けて、実践を進めていきましょう。