2022.11.29
チームづくり
一人ひとりに合わせた学習が可能なアダプティブラーニングは、教育機関のみならず、企業の人材育成にも大きく役立ちます。
導入を検討している場合、「自社に取り入れたらどのように活用できるのか」「導入している企業の具体例を知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、前回お伝えしたアダプティブラーニングの企業向けサービス・ツールの中でも、「Cerego」「Core Learn」を導入している企業の事例をご紹介します。
アダプティブラーニングは、さまざまなIT技術を利用しながら学習者それぞれの理解度や進行度に合わせて行う学習方法を指し、「適応学習」とも言われます。
文部科学省が「すぐにでも着手すべき課題」としているように、国内の教育現場において推進されているのが、このアダプティブラーニングです。
そして、学習者一人ひとりに合わせた学習のやり方は、教育現場のみならず企業の人材育成にも大きな効果があるとされています。
現在、すでに多くの企業でeラーニングが取り入れられていますが、双方向でのコミュニケーションが可能なアダプティブラーニングは、さらに多様化した学習方法だと言えます。
代表的な企業向けアダプティブラーニングの一つとして、Ceregoがあります。
Ceregoは、記憶定着に特化した学習システムで、何度も繰り返し復習問題を解きながら知識を定着していく点が特徴です。
北陸や近畿地方、中国地方といった西日本を中心に鉄道を運営する「西日本旅客鉄道株式会社」(JR西日本)では、Ceregoを導入し、運輸関係司令職員の知識習得に役立てています。
運輸関係司令職員が行う業務には、ダイヤ乱れ解消などさまざまなものがあり、マニュアルや業務内容の把握をはじめ、多岐にわたる知識が必要です。
以前より、JR西日本では運転マニュアルなどをペーパーレス化する取り組みを実施しており、運輸関係司令職員はタブレット端末を利用しながら業務を行っていました。
その上で、情報発信や知識共有のさらなる効率化が検討され、導入が決定したということです。
また、隙間時間を有効活用して学べるように設計されたシステムは、多忙な運輸関係司令職員にとって最適だと言えます。
導入の結果、職員一人ひとりの学習意識が高まったことや、情報伝達やアップデートのスピード化といった成果が出ています。
印刷会社大手の凸版印刷が提供しているCore Learnは、企業向けの完全習得型学習管理システムです。
当初から金融機関に向けたeラーニングに特化していることもあり、3大メガバンクの一つ「株式会社三菱UFJ銀行」でも導入されています。
銀行の社員は、業務に必要となる、お金に関するさまざまな知識を完全に習得しておかなければいけません。
三菱UFJ銀行では、2016年から、新入社員の金融知識習得のためにCore Learnを取り入れました。
Core Learnには「法務」「税務」「財務」「為替」の4つのコンテンツがあります。
三菱UFJ銀行ではこれらをベースに、自社に特化した内容を盛り込んだ「骨太ドリル」を作って導入しています。
自社独自の教材を活用することで学習者の理解度も向上し、社内テストでは前年比より16%も全体の点数が上がったそうです。
また、理解度だけでなく、わからない部分を教え合ったり知識を共有したりといったチームワークにも効果がありました。
これまで教育機関向けのものがほとんどだったアダプティブラーニングですが、企業でも活用が進んできています。
導入する際は、自社の人材に関する課題を明確にした上で、適切な学習システムを選択することをおすすめします。
ぜひ、今回の企業事例を参考にアダプティブラーニングの導入を検討し、人材育成に活用していきましょう。
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この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.02.28
階層別研修|知っておきたい各階層の研修特徴と事例
チームづくり前回ご紹介した「階層別研修」について、これから検討するにあたり、もっと具体的に知りたいという方も多いかもしれません。 そこで今回は、階層別研修のおさらいに加え、各階層別の研修の特徴と事例を取り上げて解説します。 実施の方法が明確になるので、ぜひ参考にしてみてください。 階層別研修のおさらい 階層別研修とは、社員を役職や勤続年数などの階層に分け、それぞれに必要なスキルや知識を身につける研修のことです。 目的として、各階層のレベルアップや一人ひとりの意識・自覚の向上、人材育成コストの削減などが挙げられます。 階層別研修では、新入社員から役員までそれぞれに適した内容で研修を行います。 社員の能力向上はもちろん、組織全体の底上げやパフォーマンス向上にもつながる点が特徴です。 各階層の研修特徴・事例 階層別研修を行う際に分けるべき階層は、以下の4つが一般的です。 新入社員 若手層 中堅層 管理職 それぞれにおける研修の特徴と事例を説明していきます。 新入社員 新卒や入社2年目社員といった、いわゆる「新入社員」がこの階層にあたります。 特徴 新入社員が研修で学ぶ内容は「ビジネスマナー」がメインになります。 ビジネスマナーの基礎を学ぶことは新入社員にとって必要不可欠なため、多くの企業で取り入れています。 新入社員研修では、相手に良い印象を与える方法はもちろん、ビジネス上の常識が習得可能です。 また、学生気分が残っているとクライアントへの対応や社外に出た際に会社のイメージを損なう恐れがあるため、新入社員に学生から社会人へと意識を変えてもらう必要があります。 研修では学生と社会人の違いについても学べるよう、新入社員に適した内容が選択されます。 事例 この層の研修で基本となる「ビジネスマナー研修」では、お辞儀やあいさつ、言葉づかいといった初歩的なマナーから、名刺交換、電話応対のやり方までロールプレイを取り入れながら学びを進めます。 さらに応用として、グループワークで「報・連・相」といったコミュニケーションの実践も行い、体系的な習得を目指します。 もう一つの事例として、会社の理念や業務内容を理解してもらうための研修も挙げられ、この場合では社長などの経営者から直接教えることが重要です。 また、「コンプライアンス研修」や「ビジネス文書作成研修」なども多くの企業で新入社員研修の一環として実施されており、併せて受けてもらうのがおすすめです。 若手層 入社後3年目~5年目くらいの若手社員がこの階層にあたります。 特徴 若手層が受けるべき研修は、業務効率を改善する内容のものがおすすめです。 OAスキルなどは階層が上がると学びづらくなるため、若手層のうちに研修を通してしっかり身につけておくことが重要です。 部下を持つ若手社員やこれから部下を持つ予定の若手社員に向け、後輩育成スキルの習得を目的とする場合もあります。 事例 事例として、WordやExcel、PowerPointなどのツールスキルを身につけるための「OAスキル向上研修」が挙げられます。 これまでなんとなく使っていた各ツールの基礎をあらためて学び、業務スピードや効率のアップにつなげることが目的です。 また、若手層に適している内容として「主体性向上」や「ストレス対処力向上」を目指す研修や、論理性を高める「ロジカルシンキング」のカリキュラムなどもあります。 後輩育成のための「OJT研修」や「メンター制度研修」が行われるケースも多いです。 中堅層 役職に就いていない3年目以降の中堅社員がこの階層に該当します。 特徴 中堅層は、仕事を効率化したり自社への価値を作り出したりすることはもちろん、現状における課題の発見や改善にも注力する必要があります。 そのため、課題の発見、設定、解決というプロセスをきちんと学んでもらうことが大切です。 また、これからリーダーや管理職に就く中堅社員には、組織を率いるための知識やスキルの習得が必須と言えます。 事例 主な事例として、ケーススタディを交えながら体系的に学べる「課題解決型研修」があります。 さらに、次のステップに向け、PDCAサイクルの概要や目標管理スキルなどが身につく「セルフマネジメント研修」が実施される場合も多いです。 その際は、経営学の基本が学べる「組織運営研修」やチームづくりのポイントが習得できる「チームビルディング研修」も併せて行うと効果的です。 管理職 主任や係長、課長、部長といった管理職レベルの社員が該当する階層です。 特徴 この階層では、職場課題の解決や意思決定の判断、人材育成などさまざまなマネジメントスキルが要求されます。 管理職が必要とする組織運営力を養うためにも、「組織マネジメント」を体系的に学ぶ研修が中心です。 また、社会の急激な変化に対応し、不測の事態を防ぐためにも「リスクマネジメント」の習得が欠かせません。 事例 この階層の研修としては主に、体系的にマネジメントについて学べる「組織マネジメント研修」と、事例を通して身につけられる「リスクマネジメント研修」が挙げられます。 また、「メンタルヘルス研修」や「コーチング研修」、「ファシリテーション研修」といった、管理職が習得しておくべき知識・スキルが学べる研修も多数あり、併せて実施することで高い効果が期待できます。 まとめ 階層だけでなく組織の底上げにもつながる階層別研修は、「新入社員」「若手層」「中堅層」「管理職」の4階層に分けて実施されるケースが一般的です。 それぞれの階層によって研修の特徴が異なるため、把握しておくことが重要になります。 ぜひ、今回紹介した具体的な事例を参考にして、自社に適した階層別研修の実施を検討してみましょう。
2025.07.02
「レディネス」とは?意味や注目される背景、取り入れるメリットについて解説
チームづくり現代のビジネス環境において、人材育成の効果を最大化するために注目されているのが「レディネス」という概念です。 多くの企業が研修や教育に注力しているにもかかわらず、期待した成果が得られないという課題を抱えています。 その原因の一つが、受講者のレディネスが十分に形成されていないことにあります。 今回の記事では、レディネスの意味から、なぜ現在注目されているのか、そして企業が取り入れることで得られる具体的なメリットまで解説します。 ぜひ、参考にしてみてください。 レディネスの意味 レディネス(Readiness)とは、心理学用語で学習を効果的に行うために必要な「準備が整った状態」を指します。 具体的には、新しい学習の前提となる知識や経験、そして学習に向かう心身の準備性が備わっていることを意味し、この状態が整っていなければ新しい内容を習得することは困難になります。 身近な例として、子どもが文字を書けるようになるには、まず話し言葉が十分に発達していることが必要です。 この場合、話し言葉の能力が書き言葉を学ぶためのレディネスとなります。 レディネスが備わっている学習者は積極的に学習を進められる一方、不足している場合は学習効果を上げることが困難とされています。 この概念の重要性は、アメリカの心理学者ゲゼルの一卵性双生児を用いた階段登り実験で実証されました。 早期から訓練した双子より、適切な時期から始めた双子の方が短時間で習得できたという結果は、早期教育よりもレディネス形成の重要性を示しています。 ビジネス研修においても、事前学習の提供やオリエンテーションでの目的説明など、受講者のレディネス作りが重要な取り組みとして行われています。 レディネスが注目される背景 現代の教育現場やビジネス環境でレディネスへの関心が高まっている背景には、次のようなものが挙げられます。 基礎的な能力の必要性 人材の定着率改善 変化する社会への対応力強化 それぞれ解説します。 基礎的な能力の必要性 社会人には、職場や地域で多様な人々と協働するための基礎的な能力が求められています。 経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」では、この能力を「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの要素で構成しています。 基礎力の重要性はますます増大しており、個人が自らのキャリアを主体的に築いていくためには、継続的な自己振り返りを通じてレディネスを形成していくことが必要です。 人材の定着率改善 早期離職増加の背景には、長期的で安定した雇用システムが整備されていない業界の存在が指摘されています。 従業員が企業内の変化に適応できない状況が続くと、仕事に対するレディネスが低下し、結果として早期離職のリスクが高まります。 転職が一般化した現代の労働市場において、優秀な人材の流出を防ぐためには、従業員一人ひとりのレディネスを継続的に高める取り組みが重要です。 変化する社会への対応力強化 経済社会の活性化と産業競争力の向上には、既存の枠組みにとらわれない革新的なアイデアやビジネスモデルを生み出せる「競争力人材」の確保が必要です。 このような人材を育成・活用するためには、現在の社会情勢の変化を正確に把握し、一人ひとりのレディネスの状況に応じて適切な関係性を構築しなければいけません。 レディネスを取り入れるメリット レディネスを取り入れるメリットとして挙げられるのは、主に次の3点です。 優秀な人材の定着促進 労働生産性の大幅改善 企業ブランド価値の向上 それぞれ解説します。 優秀な人材の定着促進 効果的な研修プログラムを通じたレディネス向上で、従業員の離職を大幅に減少させることが可能です。 特に若手従業員の早期退職は多くの企業が直面している深刻な問題であり、持続可能な人材定着策の構築が急務となっています。 業務に必要な基礎知識や経験を習得できる環境を整備することで、レディネスが従業員の内的なモチベーション向上の原動力となり、結果的に長期的な雇用関係の構築につながります。 労働生産性の大幅改善 企業の経営資源である「人材」「設備」「資金」の中でも、IT技術の進歩とともに「人材」の価値がより一層重要視されています。 従来は入社時点での個人の能力や資質が生産性向上の主要因と考えられていました。 しかし現在では、体系的な人材育成を受けた後の従業員の成長と発展こそが、全体の生産性向上に決定的な影響を与えると認識されています。 企業ブランド価値の向上 これまで中小企業には、厳しい労働環境を連想させる否定的なイメージが存在していました。 高度な専門知識や技術力が要求される業務であっても、低賃金や過重労働といった先入観が人材採用の障壁となっていたのです。 しかし、人材育成に積極的に投資し、従業員のレディネス形成を組織的に支援する取り組みを継続することで、優秀な人材を獲得しやすくなります。 さらに業界内外における企業の評判と信頼性も大幅に向上させることが可能です。 まとめ レディネスは、企業の人材育成における重要な概念の一つです。 学習者の「準備状態」を整えることで、教育投資の効果を劇的に向上させることができます。 人材の定着率向上、生産性の改善、企業ブランド価値の向上という3つのメリットは、多くの企業が直面している課題解決につながります。 ぜひ、レディネスの重要性を理解し、人材育成に取り込むことを検討してみてはいかがでしょうか。
2022.12.16
コンプライアンス研修を成功させる!3つのポイントを解説
チームづくり「コンプライアンス研修の実施が決まったけれど、成功させるためのコツを知りたい」という方も多いのではないでしょうか。 企業の不祥事防止や価値向上のため、コンプライアンス研修では法律や規律、コンプライアンスの重要性などを学びます。 コンプライアンス研修を行い、その効果を高めるにはポイントを押さえた実施が大切です。 今回は、コンプライアンス研修を実施する上でのポイントをご紹介します。 コンプライアンス研修を実施する際のポイントとは コンプライアンス研修を行う時の重要なポイントは下記の3つです。 階層別による実施 事例を使った実施 eラーニングやツールの活用 それぞれについて解説します。 階層別による実施 コンプライアンス研修を成功させる第一のポイントとして、社内の階層に分けた実施が挙げられます。 コンプライアンス研修にはテーマ別や業種・部門別、階層別といったタイプがありますが、おすすめは役割に合わせた階層別のものです。 例えば、新入社員と部長では行うべき業務や立場が全く異なります。 一般的に、役職が上がると責任範囲が広がるため、自身が直面するコンプライアンス問題も多くなります。 よって、受講する研修もその責任範囲に合った内容でなければいけません。 それぞれの責任範囲に合った知識を身につけるには、階層別に目的を設定して実施することが重要なのです。 下記に、3つの基本的な階層を取り上げます。 新入社員・若手社員 中堅社員 管理職 それぞれの階層の目的について説明していきます。 新入社員・若手社員 新入社員や若手社員の研修の目的は、コンプライアンスの基本的な知識を身につけることです。 加えて、社内規程や行動規範について学び、これらの重要性を理解する必要もあります。 コンプライアンス違反のリスクをしっかり認識した上で、研修が自社の価値を高めるといった意識も持てると良いです。 中堅社員 グループリーダーや主任といった中堅社員は、自身のコンプライアンス遵守と所属部署内のコンプライアンス違反のリスク回避などが研修目的になります。 そのため、コンプライアンスの必要性や重要性を理解するのはもちろん、コンプライアンス違反発生時の具体的な対処法を習得することが重要です。 また、この階層では業務に慣れてコンプライアンスに対する認識が甘くなるケースも多いため、改めて意識を高めるという目的もあります。 管理職 課長や部長などの管理職の研修目的は、的確なリスクコントロールやコンプライアンスに対応した組織づくりが行えるようになることです。 よって、研修では、世間一般の流れや自社についての理解を深め、コンプライアンスが会社経営に与える影響について自覚しなくてはいけません。 年齢層が高い場合も多いので、従来の認識や思い込みを捨てて新しい行動規範に適応する必要があります。 事例を使った実施 コンプライアンス研修では、具体的な事例を通した知識習得が効果的です。 有名な事例を取り上げることで受講者は興味関心を持ち、コンプライアンス違反の原因や起こった後の流れがスムーズに把握できます。 コンプライアンスの概要や難しい法令だけでは具体性に欠け、知識が習得しづらいものです。 特に、自社の業種の事例を取り上げることで身近なことと感じられるため、リスク抑止の高い効果があります。 初めに概要などを解説した上で、その内容に沿った事例を紹介することが大きなポイントになります。 eラーニングやツールの活用 このように、事例を通した研修には高い効果がありますが、集合研修という形式ではその場のみの学びになりがちです。 オンラインを使ったeラーニングやツールを活用すれば、各自で基本をあらかじめ学んだ上で研修に参加できたり、研修後に反復学習したりすることができます。 また、一人ひとりの理解度が図れるなどさまざまなメリットがあるため、導入を検討することも研修を成功させるポイントの一つと言えます。 まとめ コンプライアンス研修を成功させるコツとして、階層別の実施や事例を使った実施、eラーニング・ツールの活用が挙げられます。 これらのポイントを押さえることで効果の高い研修が実現するため、事前の確認がおすすめです。 ぜひ、今回の記事を参考にして、コンプライアンス研修を充実した内容にしていきましょう。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。