「コンプライアンス研修をやることになったけど、まず何からしたらいいのだろうか」と悩んでいる方も多いかもしれません。
研修をスムーズに進めるためには、あらかじめしっかり準備をしておくことが重要です。
コンプライアンス研修を実施する場合、どのような準備が必要なのでしょうか。
今回は、コンプライアンス研修を実施するまでの準備について、その流れをわかりやすく解説します。
コンプライアンス研修の準備の流れ
コンプライアンス研修を準備する際の流れは下記の通りです。
- 研修の目的を決める
- テーマ・内容を決める
- 対象者を決める
- 研修形式を決める
それぞれの段階で行うことについて説明します。
研修の目的を決める
はじめに、コンプライアンス研修を行う目的を明確にしておきましょう。
目的が曖昧なまま準備を進めてしてしまうと、この後に決めるテーマや内容のポイントがブレてしまいます。
前回の記事でも紹介しましたが、研修の目的には主に下記の3つがあります。
- コンプライアンス知識の理解
- コンプライアンス違反へのリスクヘッジ
- 企業の価値向上
新入社員に基本的なルールを教えるためなのか、コンプライアンス違反が起こった後の対応を教えるためなのか、といった実施目的を定めておくことが重要です。
テーマ・内容を決める
目的を明確にしたら、研修のテーマと内容を決めていきます。
テーマを決める時のポイントとして、さまざまなコンプライアンス違反の事例を参考にすることが挙げられます。
その際は、事例を紹介するだけでなく、実際の業務の際に起こり得るコンプライアンス違反を研修に反映させると良いです。
また、社会的に話題性のあるテーマを取り上げれば、研修に対して興味・関心を持ちやすくなります。
そして研修内容を決める時は、業務や分野ごとにまとめながら行うのがおすすめです。
研修資料も、情報をまとめるように意識して作成すれば、受講者の予習や復習に大いに役立ちます。
対象者を決める
次に、研修テーマごとの受講対象者を決めます。
同じテーマの研修を全社員が受ける必要はありません。
経歴や役職、業務内容によって最適な研修は異なるため、テーマごとに受講すべき社員カテゴリーを選択します。
例えば、コンプライアンスの基本や社会のルールがテーマなら新入社員を対象に、またコンプライアンス違反が起きた時の対処法などがテーマなら管理職を対象にするといった具合です。
研修形式を決める
テーマと内容が決まったら、研修の形式を決めていきます。
コンプライアンス研修の形式には、以下の4つがあります。
- 社内で行う
- 講師を呼んで行う
- オンラインで行う
- 社外研修への参加
それぞれについて説明します。
社内で行う
コンプライアンス研修の一般的な形式として、社内での集合研修があります。
ほとんどの場合、総務や人事の担当者が講師として行うことになり、内容を練ったり、資料を作成したりなどの入念な準備が必要です。
担当者に大きな負担がかかる一方、コストや受講者の手間がかからないといったメリットもあります。
また、社内での集合研修は説明だけのインプット型になりがちですが、アウトプットを適度に取り入れるとスムーズな知識習得が可能になります。
特におすすめなのが、少人数グループで行う、コンプライアンスをテーマとしたディスカッションです。
こういった時間を取り入れることで、研修が活発化するのはもちろん、社員同士のコミュニケーションも図れます。
講師を呼んで行う
社内でコンプライアンス研修を実施する場合、専門の講師を呼んで行う形式もあります。
リスクマネジメントに精通した専門家や弁護士などに研修を行ってもらうことで、具体的な経験に基づいたより深い知識が身につきます。
研修全体ではなく、一部の時間を使って話してもらうのもおすすめです。
コストはかかりますが、新鮮かつメリハリのある研修を目指すなら検討の余地があります。
オンラインで行う
オンラインで行うことで、場所や時間を問わずにコンプライアンス研修の実施が可能です。
リモートワークが定着した現在では、オンライン研修やeラーニング研修も一般的になっています。
コンプライアンス研修が可能なシステムやツールを上手に選んで活用すると良いです。
社外研修への参加
社外で開催されている研修やセミナーに参加する形式もあります。
社外の人たちとの交流が図れたり、一般的な常識を得やすかったりといったメリットがある反面、自社や担当業務への活用が難しいといったデメリットもあります。
社外でのコンプライアンス研修に参加する際は、活用可能な内容なのかしっかり検討することが大切です。
まとめ
コンプライアンス研修を準備する際は、目的を明確にしてからテーマ・内容を決め、対象社員と研修形式を決めていくという流れになります。
コンプライアンス研修にはさまざまなテーマや内容があるため、はじめに行う「目的の明確化」が最も重要と言えます。
最後に決めるべき研修形式も、自社に合ったものを選択すると良いでしょう。
何を準備すればいいのか迷っている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。