近年、プロセスを重視するマネジメント手法である「プロセスマネジメント」が注目されています。
プロセスマネジメントを取り入れることで業務効率化や生産性向上に効果があるとされ、業務の成果を最大化できます。
今回は、プロセスマネジメントについて、注目されている背景やメリットを解説します。
プロセスマネジメントについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
プロセスマネジメントの概要
プロセスマネジメントとは、業務の結果ではなく、「プロセス」を分析し管理するマネジメント手法のことです。
業務の結果はその過程(プロセス)から生み出されるため、過程を最適化することで成果も最大化させる、という考えがベースになっています。
例えば、営業部のメンバーをマネジメントする場合、契約数などの結果にだけ注目してしまうと、どのような過程を経て、そこに至ったのかが不明のままです。
プロセスがわからないままでは、適切な改善策も見つかりません。
一方、プロセスマネジメントでは、営業の業務内容を「商談」、「見積り」、「契約締結」といった細かい段階に分解し、それぞれにおいての良し悪しを判断します。
各業務プロセスでの問題点が明確になるため、改善策が見つけやすくなります。
注目されている背景とは
プロセスマネジメントが注目されている背景として、業務効率化や生産性向上の必要性が挙げられます。
日本は他国に比べて生産性が低いとの課題があり、公益財団法人日本生産性本部が調査した「労働生産性の国際比較 2022」でも27位という結果です。
また、今後の人口減少も相まって、労働力の確保と競争力の向上が企業の重要な焦点とされており、業務効率化や生産性向上がこれまで以上に重要視されています。
そのため、営業職などの業務においても業務プロセスを最適化する必要性が高まっているのです。
参考:労働生産性の国際比較2022|公益財団法人 日本生産性本部
プロセスマネジメントのメリット
プロセスマネジメントには、主に下記の4つのメリットがあります。
- プロセスを可視化できる
- 業務の進捗状況を把握しやすい
- 業務の属人化が防げる
- ミスやトラブルが防げる
それぞれ解説します。
プロセスを可視化できる
プロセスマネジメントの大きなメリットとして、プロセスの可視化が挙げられます。
プロセスマネジメントでは、プロセスごとにフローチャートや手順書などの作成が必要なため、携わるメンバー全員での把握・共有が可能です。
プロセスを可視化して共有すれば、チームの共通認識ができ、メンバー間での連携がスムーズになります。
業務の進捗状況を把握しやすい
プロセスマネジメントでは、プロセスごとに業務を管理します。
そのため、個々のプロセスの進捗状況が把握しやすい点がメリットです。
進捗状況の把握によって、各業務にかかっている時間が明確になることで、改善ポイントの発見につながります。
また、リアルタイムで進捗状況を把握することで、計画と現状を比較しながら業務全体の進捗管理を行うことが可能です。
業務の属人化が防げる
業務の属人化が防げることも、メリットの一つです。
業務が属人化している場合、その担当者が不在時に業務が停滞したり、退職してノウハウが失われたりしてしまうおそれがあります。
さらに、業務が集中することで長時間労働が発生する可能性も高いです。
業務の棚卸しやフローチャートの作成などプロセスマネジメントを行えば、それぞれの業務プロセスが明確になり、業務の属人化を解消できます。
ミスやトラブルが防げる
プロセスマネジメントを取り入れると、ミスやトラブルの防止にもつながります。
例えば、業務担当が属人化されている場合、他の誰もミスやトラブルに気づかなかった、といったケースが起こりがちではないでしょうか。
プロセスマネジメントで業務フローの型化ができていれば、ミスやトラブルの原因特定や今後の課題が明確化しやすくなります。
まとめ
プロセスマネジメントは、結果ではなく、そのプロセスに焦点を当てることで成果の最大化を図るマネジメント手法です。
業務効率化や生産性向上の必要性を背景として注目されており、プロセスの可視化ができ、業務の属人化を防げるといったメリットがあります。
今回の記事を参考に、プロセスマネジメントについて理解を深め、導入を検討してみてはいかがでしょうか。