2022.10.25
チームづくり
目次
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前回の記事では、エンプロイーエクスペリエンス(以下、EX)の概要について解説しました。
EXは、従業員が企業であらゆる体験・経験を指し、向上させることで従業員エンゲージメントが高まり、企業の発展につながります。
そのEXの施策として、従業員の経験を可視化する「エンプロイージャーニーマップ」は大変有効です。
今回は、エンプロイージャーニーマップについて、その概要と作成のポイントを紹介します。
エンプロイージャーニーマップは、従業員が入社から退職まで、またその後OBやOGとして過ごすまでを時間の流れに沿って図に表し、可視化したものです。

起こった出来事だけでなく、そのときにとった行動や、どのような感情や考えを持ったのか、という心の動きも記載するのが特徴です。
行動変容を起こすのに必要な施策の検討に用いることができるため、EXを向上させるアクションプランを策定する際に役立ちます。
エンプロイージャーニーマップの主な目的はEXの向上ですが、作成には「視点の転換」も必要になります。
入社から退職までをどのように管理するか、といった観点から従業員へのアプローチを行っていた従来とは異なり、EXの観点では、従業員自身の目線で考えることになるからです。
従業員自身の目線とは、例えば、「初めての営業のときに自分はどんなことを期待するか」「初めての営業で自分はどんな問題に直面するか」「その場合に自分はどのような心理状態になるか」といった視点です。
エンプロイージャーニーマップは、従業員が遭遇する経験をよりよいものとして改善していくために有効な手段であり、従業員の経験を細かく想定することでこれまでの人事施策の抜け漏れも発見できます。
それでは、エンプロイージャーニーマップのつくり方について順番に説明していきます。
エンプロイージャーニーマップを作成する際は、社員の価値観に合わせることが重要なため、「従業員へのヒアリング」から始めるのが一般的です。
まず、従業員が具体的に何に困っており、どのような状況に置かれていて、どう感じているかといったヒアリングを実施します。
例えば、研修に関するエンプロイージャーニーマップを作る場合、「研修についてどう思っているのか」「どのようなスキルや学習ジャンルに興味があるのか」などの質問を用意すると良いです。
職種やポジション、年代や性別などが偏らないように、ヒアリングする対象者を均等に選ぶことも重要です。
次に、ヒアリングで得た情報を分析し、ターゲットとした従業員が抱える課題や行動パターン、感情を細かく分類します。
そして、これをもとに数人の「ペルソナ(社員像)」を設定しますが、その際は、年齢や性別、家族構成や趣味などが明確に定められたリアルな社員像をつくり出すようにします。
また、ペルソナの意味がなくなるおそれがあるため、現実の社員とかけ離れた、企業に都合のよい理想の社員像を設定しないよう心がけることが大切です。
ペルソナの設定が完了したら、具体的な「フェーズ」を作成・分類してマップを作り込みます。
フェーズとは、入社や配属、業務、退職など、企業で従業員が体験する一連の流れに構成される、さまざまな出来事のことです。
フェーズを設置した後は、各フェーズにてペルソナが直面する壁や課題、生じる考えや感情、企業に対する期待などをイメージして書き込んでいきます。
その際は、具体的なセリフや行動もしっかり書き込みましょう。
最後に、作成したエンプロイージャーニーマップをもとにして、「従業員が良い経験をするために会社が何をすべきか」というアクションプランの策定に入ります。
このときの重要なポイントは、アクションプランに明確な評価基準を設けることです。
そうすることで従業員の不安や迷いが解消され、エンプロイーエクスペリエンスの向上につながります。
エンプロイージャーニーマップを作成するときは、以下のポイントをおさえると良いです。
それぞれ説明します。
エンプロイージャーニーマップを作成する際は、自社の目標や課題を明確化しておきます。
「離職する従業員が多いので定着率を上げたい」「従業員を適材適所に配置したい」など、できるだけ具体的にしておくことが大切です。
目標や課題を明確化せずにマップの作成を進めてしまうと、的確な施策やアクションを定めることができません。
従業員が遭遇する経験において、「業務を通して自分はどうなりたいか」、「それぞれのフェーズで会社にどうしてもらいたいか」といった希望やニーズを把握できる制度・プロセスの設計が重要です。
自分の成長を想像できるような制度を整え、従業員が主体となって働ける体制を構築することで、EXが向上しやすくなります。
従業員主体の環境を整えたとしても、価値やメリットなどが感じられなければEX向上につながりにくいです。
そのため、この企業で働くとどのような成長ができるのか、自分が目指すキャリア形成につながるか、といったことを従業員全員へ周知しておく必要があります。
例えば、社内報やチャットの活用、従業員が参加しやすい気軽な交流会の開催などが効果的です。
従業員の経験を可視化するエンプロイージャーニーマップは、具体的にEXに取り組む際に効果的な方法です。
エンプロイージャーニーマップの主な目的はEXの向上ですが、そのためには従業員の視点が必要になります。
従業員目線で作成するエンプロイージャーニーマップを利用してEXを向上させることで、従業員エンゲージメントが高まり、自社の発展につながります。
今回の記事を参考にして、ぜひ作成してみてください。


この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2022.12.27
コンプライアンス研修のネタ探しのポイントや使えるテーマを紹介!
チームづくりコンプライアンス研修を実施する際はテーマや内容を決める必要がありますが、「なかなか決まらない」「ネタが尽きてきていて困っている」という方も多いかもしれません。 研修に使えるネタを見つけるには、いくつかのポイントを押さえておき、さまざまなテーマを把握しておくとスムーズに進められます。 今回は、コンプライアンス研修についておさらいをした上で、ネタ探しのポイントや活用できるテーマを紹介します。 コンプライアンス研修のおさらい 企業の不祥事防止や価値向上のため、仕事に関する法律や規律、コンプライアンスの重要性などを学ぶ研修のことをコンプライアンス研修と言います。 社員一人ひとりがコンプライアンスについて学ぶことで全体の意識も向上することから、今やコンプライアンス研修の実施は企業にとって欠かせないものとなっています。 コンプライアンス研修を実施する際は、まず目的を明確にしてからテーマや内容を決定し、対象社員と研修形式を決めていくことが一般的です。 そのため、目的を明確にした段階でネタを探しておく必要があります。 ネタ探しのポイント 研修内容・テーマのネタを探すためにはポイントを押さえておくと良いです。 ネタ探しのポイントとしては、主に下記の2つがあります。 事例から探す 公的な情報から探す それぞれ説明していきます。 事例から探す コンプライアンス研修は具体的な事例を交えながら行うことで、受講者の知識習得や学習意欲に大きな効果があります。 よって、研修のネタは事例から収集すると効率的です。 主な事例を紹介します。 同業種の事例 ネタ探しに最もおすすめなのが、同業種の他社による事例を集めることです。 同業種の事例をネタにすることで、コンプライアンスの問題やリスクがイメージしやすくなります。 また、仕事の状況とコンプライアンス違反が容易に結び付けられるため、自分の意識が高まるのはもちろん、今後の対策を考え出すきっかけにもなります。 メディアで取り上げられた有名企業の事例 近年、メディアで取り上げられた有名企業の事例をネタにするのも効果的です。 世間の関心が集まったニュースは受講者も関心が高い場合が多く、興味を持って研修に取り組めます。 自分の行動がどのように社会に影響を与えるのか、理解しやすくなる点もメリットです。 公的な情報から探す 省庁や関係団体のホームページでは、コンプライアンスに関する情報が公開されています。 最新の情報を確認できるだけでなく、違反事例が掲載されている場合も多いため、効率的なネタ収集が可能です。 コンプライアンスに関わる主な省庁として下記が挙げられます。 厚生労働省 法務省 経済産業省 消費者庁 それぞれについて説明します。 厚生労働省 ハラスメント防止の旗振り役として、各種ハラスメントや労働基準法、労働安全衛生法などの労務関連を取り扱っています。 ホームページには、ハラスメントを防ぐ方法や労働基準法の適用方法などが掲載されているため、目を通しておくことが大切です。 参考:厚生労働省|あかるい職場応援団 法務省 法令を扱う法務省では、企業の人権に関する研修について資料や動画を公開しています。 参考:企業における人権研修~企業の人権研修担当の方々へ~|法務省 経済産業省 外国為替や輸出入といった対外取引の管理や不正競争防止法に基づく違反の取り締まりなどを行っています。 ホームページには、外国企業との取引や為替取引の不正に関するコンプライアンス違反の事例が取り上げられています。 参考:経済産業省|安全保障貿易管理 消費者庁 消費者庁のホームページには、景品表示法に基づく不当表示や、消費者が商品を購入したり営業を受けた際にトラブルになったりした事例が掲載されています。 ネタ探しの参考になりやすい、身近で起こり得る事例が多い点が特徴です。 参考:消費者庁|消費者の皆様への情報提供等 コンプライアンス研修のテーマ 次に、ネタ探しに使えるコンプライアンス研修のテーマを紹介します。 主なテーマは下記の4つです。 ハラスメント 情報漏洩 著作権・意匠権・商標権 社内の不祥事 それぞれ解説します。 ハラスメント 「ハラスメント」は、コンプライアンス研修で最も取り上げられやすいテーマです。 2020年6月、通称パワハラ防止法と呼ばれる「改正労働施策総合推進法」が施行され、パワハラを防止する措置を取ることが中小・大手企業すべてに義務付けられています。 起こりやすい主なハラスメントは下記の4つです。 セクシュアルハラスメント パワーハラスメント マタニティハラスメント リモートハラスメント 罰則は適用されないものの、必要に応じて厚生労働省から企業に対し助言・指導・勧告が行われます。 企業名が公表されることでイメージを大きく損なう恐れもあるため、社員全員が認識しておく必要があります。 情報漏洩 情報漏洩や情報セキュリティに関するテーマもコンプライアンス研修のネタとして活用可能です。 情報セキュリティの知識が不足した状態で業務を行うと、ウイルスの感染、顧客の機密情報や個人情報の漏洩、システム障害など、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。 特に、社員のミスや不正による個人情報の漏洩は企業に大きなダメージを与えます。 そのため、事例を用いた研修で危機感を持ってもらうことが重要です。 著作権・意匠権・商標権 コンプライアンス研修のネタとして、著作権や意匠権、商標権などの知的財産権に関するテーマも使えます。 例えば、第三者が書いた文章の安易なコピペ使用、商標登録されているロゴマークの無断使用などは知的財産権の侵害にあたります。 発覚すれば莫大な損害賠償金を請求されるおそれがあるため、知識の習得が必要です。 社内の不祥事 社内の不祥事もコンプライアンス研修のテーマとして使いやすいものの一つです。 社内で起こり得る不祥事として主に次の5つがあります。 横領 背任 窃盗 誹謗中傷 サボり これらは注意喚起だけでなく、管理職の部下との関わりにも関連するため、研修の良い題材になります。 まとめ コンプライアンス研修を準備する際は、ネタ探しのポイントを押さえ、活用できるテーマを把握しておくことが大切です。 コンプライアンス研修のネタにはさまざまなものがあり、これまでと違った視点からも収集することができます。 ぜひ、今回の記事を参考にしてネタを見つけ、自社に最適なテーマ・内容の研修を実施しましょう。
2023.05.30
価値協創ガイダンスの企業事例を紹介!企業理解を促すそれぞれの価値創造とは?
チームづくり価値協創ガイダンスは、投資家との良好な関係や自社の経営のあり方を整理するのに有効な手引です。 ただし、価値協創ガイダンスの活用を検討している場合、具体的にどのように導入すればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。 今回は、あらためて価値協創ガイダンスについて解説し、3つの企業事例を紹介します。 価値協創ガイダンスのおさらい 「価値協創ガイダンス」は、企業と投資家をつなぐ「共通言語」として位置付けられており、情報開示や投資家との対話の質を高めるために活用できる手引です。 2017年に公表された「価値協創ガイダンス」は、2022年8月に「価値協創ガイダンス2.0」として改訂され、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX) の意義が明示されています。 価値協創ガイダンスをもとに、企業は、統合思考に基づいた経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンスなどを一連の「価値創造ストーリー」として投資家に伝え、投資家は中長期的な観点から企業を評価し、投資判断などに役立てることが可能です。 キリンホールディングス株式会社 飲料メーカーのキリンホールディングス株式会社は、グループ会社も含め、2019年からスタートした長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」において、『食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる』ことをめざしています。 キリンでは、双方向のコミュニケーションを大変重要なものと考えており、投資家との対話のきっかけとなり、相互理解が深まることを目標に、「統合レポート」を毎年作成しています。 統合レポートでは、「価値協創ガイダンス」を参考とし、価値創造モデル図や無形資産の強化など、価値創造の流れの全体像が伝わるよう体系的なストーリーづくりを心がけている点が特徴です。 Webにも掲載されているため、誰でも見られるようになっており、経営陣からのメッセージやコーポレートガバナンスなどに加え、「Input」「Business」「Output」「Outcome」の4つの価値創造モデルについてもわかりやすく書かれています。 CSV経営を根幹に据え、事業を通じて社会課題の解決に取り組んでいるキリンを理解する一助として、この統合レポートの活用が推奨されています。 参考:統合レポート|キリンホールディングス 東急不動産ホールディングス株式会社 多くの不動産を手掛ける東急不動産ホールディングス株式会社では、社会課題と向き合いながら独自性のあるビジネスモデルを創造し、ステークホルダーにさまざまな価値を提供することで、サステナブルな社会づくりと成長をめざしています。 そのため、2030年代の社会変化を見据えて「個人」「社会」「環境」それぞれの実現したい姿を抽出した長期ビジョン、「GROUP VISION 2030」を策定しました。 また、ありたい姿を実現するため、事業活動を通じて「多彩なライフスタイルをつくる」「ウェルビーイングな街と暮らしをつくる」「サステナブルな環境をつくる」「デジタル時代の価値をつくる」「多様な人財が活きる組織風土をつくる」「成長を加速するガバナンスをつくる」という価値創造への6つのテーマ(マテリアリティ)に取り組んでいます。 これらを中心に、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組む東急不動産の強みと独自性を解説したのが「統合報告書」です。 統合報告書はWebでもPDFのダウンロードができ、誰でも「価値を創造し続ける企業グループ」をめざす東急不動産の価値創造ストーリーについて理解することができます。 参考:価値創造ストーリー|2022統合報告書|東急不動産ホールディングス 横河電機株式会社 横河電機株式会社は、YOKOGAWAグループ会社とともに、計測・制御・情報の技術を軸に最先端の製品やソリューションを提供し、豊かな人間社会の実現に貢献している企業です。 横河電機では、「YOKOGAWAレポート」と名付けた統合報告書を毎年作成しており、ステークホルダーに向けた情報発信に努めています。 YOKOGAWAレポートでは、持続的な成長ストーリーの大局観(トップメッセージ)をはじめ、価値創造プロセスやコーポレート成長戦略、経営資本、事業戦略、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント/内部統制についてまで詳細に掲載されており、さまざまな面からの理解が可能です。 YOKOGAWAレポートは社外からも高い評価を得ており、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の国内株式運用委託先機関が選定した2022年度の「優れた統合報告書」に選定されています。 また、2017年度~2019年度、2021年度、2022年度にも選定されているほか、2017年度~2018年度、2021年度には、「改善度が高い統合報告書」にも選定されました。 参考:統合報告書(YOKOGAWAレポート)|横河電機 まとめ 価値協創ガイダンスを活用する場合、経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンスなどを価値創造ストーリーとしてまとめ、報告書・レポートとして毎年公表する方法が一般的です。 今回紹介したのは大企業の事例ですが、どのような企業でも参考にしやすいはずです。 ぜひ、自社においても価値協創ガイダンスの活用を検討してみましょう。
2024.12.17
アンガーマネジメントの具体的なやり方とは?メリット・デメリットも紹介
チームづくり職場での人間関係において「怒り」の感情は誰もが経験するものです。 この感情を適切にコントロールする「アンガーマネジメント」のスキルが、企業でますます重要視されています。 今回は、アンガーマネジメントの具体的なやり方とメリット・デメリットについて解説します。 ぜひ、参考にしてみてください。 アンガーマネジメントのメリット アンガーマネジメントのメリットは、次の3つです。 自己理解の深化 生産性と創造性の向上 人材の効果的な育成 それぞれ解説します。 自己理解の深化 アンガーマネジメントを習得することで、自分自身への理解が深まります。 たとえば、締切前のプレッシャーで怒りやすい、急な予定変更に過敏に反応する、といった自分特有のパターンに気づけるようになります。 仕事面だけでなく、家庭や友人関係など、あらゆる場面で活用できるため、より充実した毎日を過ごせるようになるのが大きなメリットです。 生産性と創造性の向上 感情的な対立が減ることで、チーム内での自由な意見交換が活発になったり、部署間の連携がスムーズになったりして生産性向上につながります。 また、職場の雰囲気が改善されるため、一人ひとりのクリエイティビティも発揮されやすくなることもメリットです。それにより、革新的なアイデアが生まれやすい環境が整います。 人材の効果的な育成 適切なアンガーマネジメントは、次世代リーダーの育成に大きく貢献します。 たとえば、若手社員が重大なミスをした際も、感情的に怒るのではなく「同じミスを防ぐために、どんな対策が考えられるか一緒に考えよう」という建設的に働きかけることが可能です。 このような関わり方によって、失敗を恐れず、新しい提案や挑戦的な目標設定にも意欲的に取り組めるようになります。 さらに、管理職も冷静な判断のもと、部下それぞれの成長段階に合わせた適切な指導ができるようになり、組織力の底上げにつながります。 アンガーマネジメントのデメリット 感情を必要以上に抑制することで、精神的な負担が増大するおそれがあります。 また、常に穏やかな態度を心がけすぎると「物事をはっきり言えない優柔不断な人」という誤解を招きやすく、過剰な業務を抱え込んだり、理不尽な要求を断れなくなったりするケースが増えてしまいます。 適度な怒りや不満は状況を改善する原動力にもなるため、これらの感情を完全に抑え込むと、問題の放置や業務改善への意欲低下を招きかねません。 アンガーマネジメントでは、怒りの感情をなくすのではなく、建設的な提案や行動に変換するスキルを身につけることが重要です。 次の章で、アンガーマネジメントの具体的なやり方を見ていきましょう。 アンガーマネジメントの具体的なやり方 アンガーマネジメントの具体的なやり方は、下記の5つです。 6秒ルールで感情を抑える 思考を停止して冷静になる 感情記録で自己分析を行う 怒りを建設的な提案へ置き換える 知識の習得と実践を行う それぞれ解説します。 6秒ルールで感情を抑える 人間の脳は、強い感情が発生してから冷静な判断ができるまでに約6秒を要するとされています。 この特徴を活用し、怒りを感じた瞬間から6秒間、意識的に呼吸に集中するとよいです。 たとえば「6、5、4…」とゆっくりカウントダウンしながら呼吸を整えると、理性を取り戻しやすくなります。 通勤時やオフィスなど、どんな場所でも実践できる便利な方法なので、ぜひ取り入れてみることをおすすめします。 思考を停止して冷静になる 感情的になりそうな状況では、まず目の前の作業や会話を一時中断するのもよい方法です。 いったん思考を停止することで、怒りに任せた行動・言動を押さえる効果があります。 たとえば、資料を確認していて単純なケアレスミスを発見した場合、すぐに担当者に連絡するのではなく、一度資料を閉じて席を立ちます。 窓際や別スペースなど少し離れた場所に行き、深くゆっくりとした呼吸を3回ほど繰り返すだけで、冷静な状態に戻りやすくなるはずです。 感情記録で自己分析を行う 毎日の感情の変化を記録し、分析することで自己理解が深まります。 この場合、予定外の会議設定に対して怒りレベル3、締切直前の資料修正依頼に対して怒りレベル4など、具体的な数値と状況を記録するのがポイントです。 1ヶ月ほど続けると、「午後4時以降の予定変更に特に敏感に反応する」「月曜の朝はちょっとしたことでイライラしやすい」といった自分の特徴が見えてきます。 怒りを建設的な提案へ置き換える 怒りの感情をそのまま相手にぶつけるのではなく、建設的な提案に変換すると効果的です。 たとえば、「なぜ毎回同じミスを繰り返すのか」という非難を「チェックリストを作成して確認してはどうか」という提案に置き換えます。 また、「報告が遅い」という苛立ちは「重要な進捗があったらその日のうちにメールで共有してほしい」というように、具体的な行動を示した要望として伝えます。 相手との感情的な衝突を避けながら、問題の解決に向けて前向きな対話を進めることが重要です。 知識の習得と実践を行う 怒りの感情を上手にコントロールするには、知識の習得と実践的なトレーニングの組み合わせが効果的です。 ストレス管理の専門家による講座や心理学の基礎を学ぶワークショップなどに参加すると、より深い理解と実践力が身につきます。 最近では、オンラインで受講できる動画講座やグループセッションなど、自分のスケジュールに合わせて学習できる機会も増えています。 まとめ アンガーマネジメントは、怒りの感情を抑え込むのではなく、それを建設的な行動へと転換していく手法です。 6秒ルールや感情記録といった具体的なやり方を重ねることで、職場のコミュニケーションが円滑になり、組織全体の生産性も向上していきます。 ただし、感情を必要以上に抑制すると逆効果となる可能性もあるため、状況に応じて適切に活用することが大切です。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。