2021.07.29
チームづくり

大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。
「コロナは時計の針を早く進めた」と言われています。
ウーバーイーツや出前館などデリバリー事業の拡充やNetflixなどのビデオコンテンツのサブスクリプション事業の私たち、いや、私に対する侵食を見れば明らかです。
その中でも特に顕著なのがテレワーク、リモートワークの拡大です。
今どき在宅勤務なんてけしからん!
ビデオ会議なんてけしからん!
っていう旧時代の人はなかなかないと思います。
間違いなく働く環境は未来へと時を進めています。
しかし、その急激な加速は同時に不具合も生み出しました。「テレワークうつ」や「サイレントうつ」と呼ばれるメンタルヘルスの低下です。

「在宅勤務って最高!!通勤もないし人間関係に疲れなくていいし!」と言っていたのは最初だけ。
実際に『月刊総務』の調査によると60%以上の人がストレスが増えたという結果になっています。
その原因の一つに「通勤がなくなった」ことが考えられています。
え?あんなに通勤がめんどうくさかったのに!?
あんなにも満員電車がストレスだったのに!?
自宅とオフィスの間にある通勤という存在。
実は「気持ちの切り替え」という重要な役割が与えられていたのです。
仕事とプライベートの気持ちの切り替えができずメリハリのない生活がメンタルヘルスの低下を起こしていると考えられています。
そしてもう一つ失ってしまったのが同僚とのコミュニケーションです。
同様に60%の方が孤独感を感じていると回答しています。

実際に私たちがサポートさせていただいているお客様でも、
・「ちょっといいですか?」と気軽な声かけができた日々が懐かしい
・相手の表情で理解していたことって意外と多かった
・リモートの孤独感の高まりとモチベーションは反比例する
・同じ場所にいるということそのものが共通体験だった
・リアルでの会話の間とビデオ会議の会話の間にストレスを感じる
というお声が異口同音に上がっています。

・調査方法:インターネット調査
・実施対象:500人(都内に勤務し過去3ヶ月以内にテレワーク勤務したことがあるビジネスパーソン)
・調査期間:2020年2月10日~17日
出典元:アドビ システムズ 株式会社
テレワークを実施して感じた心理的・身体的な課題として最も多かったのは「同僚とのコミュニケーションの量が減る(38.4%)」ということでした。
今まで意外とわずらわしいと感じていた人間関係。
意外と失ってみると重要だったりするわけです。
そこで遠隔でのコミュニケーションを図ろう!ということでズーム飲み。なんていうことがコロナの当初に流行りましたが、物珍しさだけで、好んでしたいと思う人は減ってきていると思います。
というのも、結局、話すのが得意な人がずっと話していて周りがそれを聞いている。という状況になりがちだからです。あの懐かしい日々である飲み会特有の同時多発的な局地盛り上がりがあって、参加者が同等に楽しいと感じることが難しいのです。
そこで、ぜひお試しいただきたいのが
業務時間内15分ほど行える『お題トーーク』です。
ズームなどのビデオチャットで一つのお題に沿ったトークを1人2分ぐらいずつしていきます。同時にルームに入る上限人数は6名前後がちょうど良いと思います。
例えば
・最近あった嬉しかったこと
・最近食べた美味しかったもの
・最近ハマっていること
・実は内緒にしてたけど…
・人生で結構がんばったこと
などなど…
実際、どんなテーマでも構いません。ただあまりにも不自然なテーマだと構えてしまいますので、自分たちのカラーや親密度によって調整をしてください。
強いていうなら喜怒哀楽など感情や価値観を知ることができるテーマだと効果的です。
そして、1人が話し終わったら司会者が拍手〜。と促して拍手。
「それでは次の人を当ててください」と言って指名させると進行も楽です。
たまに1人の発言が終わった時にその人に対してフィードバックをしようとする人がいますが無理にする必要はありません。この流れで全員が話し終わるまで続けます。
最後の人が終わった段階で司会者が「それでは残りの時間、約3分間はフリートークです、先ほどのトーク内容への質問などあればどうぞ」と振って、自由に盛り上がります。
時間がきたら一旦終了します。所要時間15分で、かなり質の高いコミュニケーションが得られます。
たかがそんなこと?と思うかもしれません。
しかしこのメカニズムを知ると納得できると思います。
なぜお題に沿うと話しやすいのかというと、実は自由な発言のコミュニケーションはテーマ(話題)選びにセンスの差が出ます。
話題の選択で話の切り出しがうまくいかなかったり、興味がないと聞いてもらえなかったりしてしまうのです。だからお題を揃えることで全員が安心して発言できるようになるのです。
共通体験による共通認識から共通言語を手に入れるとコミュニケーションの速度と密度が高まります。
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ワーク『お題トーク』
環境:オンライン
概要:同じお題について率直に話す
時間:15分程度
人数:6名前後が最適 内一名が司会者(特にスキルは必要ない)
目的:話し、聞き、知ることでその人の価値観や背景を知り一体感につなげる。
注意点:そもそもの信頼関係があることが前提
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今までよりコミュニケーションが減ってきているな。と感じているチームリーダーの方はぜひ、お題トークを試してください。対面じゃないからこそ、意外なあの人がしっかり発言してくれたりと、この環境だからこその嬉しい発見もあると思います。
「ちょっといいですか?」の価値は意外と高かったことを思い出しつつ、まずは土台を固めましょう。焦ることなくリアルとリモートそれぞれにおいて、質の高いコミュニケーションを目指しましょう。
働く人の心の安心がチームとしてハイパフォーマンスを継続していくためには欠かせません。積極的に心理的安全性を高める取り組みを行っていきましょう。
チームのコミュニケーションが足りないな。
と思ったらワンネス経営®︎プログラムがおすすめです!!
「もっとチームの生産性を高めたい。」そんなお悩みに効果的なのがワンネス経営®です!
チームの生産性を高めるために、コミュニケーションの質を上げる方法や、自走するチームのつくり方のコツ・ポイントを公式ラインにて定期的に配信しています。
現在のチームメンバーで最大の成果を目指すために公式ラインをご登録ください!
事務局:スズキヒラク
この記事を書いた人
福永寿徳
大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。
2023.08.22
デザイン思考を導入している企業事例を紹介!具体的な活用方法とは?
チームづくり近年、多くの企業が「デザイン思考」の導入を進め、社内への浸透を図っています。 しかし、デザイン思考の導入を検討する場合、具体的な活用方法について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、実際にデザイン思考を取り入れることで成果を上げた企業事例を3つご紹介します。 実際の事例としてどのようなものがあるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 デザイン思考のおさらい デザイン思考は、ユーザーの視点に立つことで商品やサービスの本質的な課題を発見し、解決策を探る考え方です。 社内に導入することで、多様な意見を受容しやすくなる、アイデア提案の習慣化、コミュニケーション向上、幅広いユーザーニーズへの対応といったメリットがあります。 デザイン思考はデザインの手法をもとにした考え方で、「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」の5段階プロセスに沿っています。 ただし、理論だけでは浸透させることが難しく、研修や社内ワークショップを行ったり、フレームワークを取り入れたりといった実践が重要です。 ロート製薬株式会社 ロート製薬株式会社では、2020年末から「D2Cプロジェクト」を本格始動させ、その一歩目として2021年7月に、ECサイトの大幅なリニューアルを行いました。 その際、主体を「ブランド」から「お客さま(ユーザー)」に転換するため、デザイン思考を取り入れ、従来のやり方からの発想の切り替えを図っています。 まずは、オンラインショップをすでに利用している既存のユーザーに対し、一人当たり90分ずつのインタビューを行いました。 30代から70代まで、幅広い年代の16人とさまざまな観点で対話を重ね、「なぜその行動をとったか」というところまで掘り下げて理解することができたそうです。 そして、インタビューから得られた学びを全て集めてテーマごとにまとめ、ユーザーの行動・思考・感情を時系列に配置して図に表しました。 いわゆる「カスタマージャーニー」を作成することで、さまざまな文脈から商品とケア方法を伝える、特集や記事などのコンテンツ拡充が図れました。 実際にユーザーのリアルな声と学びに共感し、手触り感を持ってこちらの方向に舵を切れたことはロート製薬にとって大きな成果だった、ということです。 参考:主体をブランドからお客さまへ。90以上のブランド数を抱えるメーカーが目指すD2Cとは?|ロート製薬株式会社 note 富士通株式会社 富士通株式会社では、2016年からデザイン思考の体系化に取り組み始めており、2021年には、オリジナルの「デザイン思考テキストブック」をPDFとして一般公開するなど、デザイン思考の導入に大きく力を入れています。 会社全体でDXに取り組んでいる現在においては、社員全員に「デザインマインド」を浸透させ、デザイン思考を実践できる組織へ変革を図っています。 富士通では、あらゆる企業活動にデザイン思考を取り込むことで、「デザイン経営」のリードを試みており、以下のゴールを目指しています。 フロントへのデザインアプローチ浸透と実践により強化された共創力・提案力 事業部へのデザインで付加価値が付与された魅力的な製品・サービス デザインで刷新されたイノベーティブなマインド また、「デザイン思考プログラム」が設けられているのも大きな特徴です。 このプログラムでは、全従業員に向けた「デザイン思考有資格者」の自律型受講を始め、「デザイン思考実践者」「デザイン思考実践リーダ」「デザイン思考エキスパート」とレベルアップできるような仕組みが作られています。 参考:デザイン経営に向けた富士通の取り組み|富士通株式会社デザインセンター 富士通の実践知が詰まったデザイン思考のテキストブック公開|富士通株式会社 ソニー株式会社 ソニー株式会社では、近年、デザイン思考を活用した「デザインリサーチ」と呼ばれるメソッドの実践に取り組んでいます。 一例として、最新の社会情勢や人々の意識動向を読み解くことで、未来のストーリーを紡ぎ出す「DESIGN VISION」というプロジェクトが挙げられます。 当プロジェクトの主な活動は、デザイナー自身が世界各地でフィールドリサーチやインタビューなどを行い、その洞察をもとにしたワークショップを実施することです。 この結果は、年次レポート「DESIGN VISION Insight」として1冊にまとめられ、社内での発信・共有が行われています。 また、プロダクトの印象や価値を大きく左右する「CMF(Color/色、Material/素材、Finish/加工)」の領域においても、「CMFフレームワーク」プロジェクトとしてデザインリサーチが活用されています。 ほかにも、次世代の映画撮影用カメラ「VENICE」の開発プロジェクトをはじめ、さまざまなプロダクトやサービス事例にデザインリサーチを導入し、新たな視点からデザインと価値の創出に取り組んでいます。 参考:ソニーにおける「デザインリサーチ」の考え方|ソニー株式会社 まとめ デザイン思考を導入することで成果を得ている3つの企業事例を紹介しました。 いずれも大きな企業の事例ですが、具体的な方法として参考にできる部分も多いはずです。 今回紹介した事例をもとに、自社に合わせたデザイン思考の導入を検討してみましょう。
2023.08.15
デザイン思考を社内で実践するには?3つのポイントと役立つフレームワークを紹介!
チームづくり「デザイン思考」は、デザインの手法をもとにし、商品やサービスにおける本質的な課題をユーザー視点から見つける考え方です。 デザイン思考の導入を検討する場合、「どのように実践すればいいのか」「実践する際に役立つ方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。 デザイン思考を社内に浸透させるには、実際に取り組んでみることが重要です。 今回は、デザイン思考を社内で実践するためのポイントとフレームワークを紹介します。 デザイン思考を実践するためのヒントを探している場合、ぜひ参考にしてみてください。 デザイン思考を実践する3つのポイント デザイン思考は、下記の3つのポイントを押さえて実践することで社内に浸透しやすくなります。 デザイン思考の研修を実施する 社内ワークショップを実施する 実践を繰り返し行う それぞれ解説します。 デザイン思考の研修を実施する 近年では、デザイン思考の研修を行うケースが増えています。 この研修では、多くの場合、外部から講師を招いてデザイン思考のプロセスを座学で学びます。 理論的な知識を得ることで、受講者はデザイン思考の基本的なアプローチや手法について理解を深めることが可能です。 また、単なる理論のみで終わらせるのではなく、実践を重視した体験型のグループワーク研修も効果があります。 グループワークを通じて実際にデザイン思考を体験することで、より実践的なスキルが身に付けられます。 社内ワークショップを実施する デザイン思考を社内に浸透させるには、ワークショップを実施するのも効果的です。 社内のメンバーが、それぞれの時間を割いてワークショップを行うことで、デザイン思考をどのように取り入れるべきか実践的に学ぶことができます。 ワークショップは社員同士のコミュニケーションを促進する場でもあり、情報共有の強化や信頼関係の構築に有効です。 また、さまざまなアイデアが交わされる中で、チーム全体の創造性や共感力の向上にも期待できます。 実践を繰り返し行う デザイン思考を取り入れる上でもっとも重要なのが、現場で実践を繰り返し行うことです。 模擬訓練だけでは得られない経験と学びが、多くの実践を通じて得られます。 たとえば、実際のプロジェクトにデザイン思考を取り入れ、従来とは異なるアプローチで問題解決に挑戦すると良いです。 プロジェクトを数多く経験することで、より高い精度のアイデアを生み出せるようになるのはもちろん、プロトタイプを開発するスキルの向上にもつながります。 デザイン思考の実践に役立つフレームワーク デザイン思考の実践には、下記のフレームワークが役立ちます。 共感マップ(エンパシーマップ) 事業環境マップ ジョブマップ それぞれ解説します。 共感マップ(エンパシーマップ) 「共感マップ」は、ユーザーをより深く理解するのに役立つフレームワークです。 「エンパシーマップ」とも呼ばれ、マーケティング手法の一つとして活用されることも多いです。 共感マップでは、次の6つの視点からユーザーの感情や行動を整理し、状況を把握します。 見ているもの 聞いていること 考えていること 発言・行動 痛み・ストレス 望んでいること 各視点の分析・把握によって、真のユーザーニーズを探り出すことが可能です。 事業環境マップ 「事業環境マップ」は、ビジネスを取り巻く状況を理解するためのフレームワークです。 ここでは、下記の4つのカテゴリーに分けて、ビジネスの環境を分析します。 市場 業界 トレンド マクロ経済 それぞれのカテゴリー別に分析することで、時代に適したビジネスモデルの定義が可能になります。 ジョブマップ ユーザーが商品を購入したり、サービスを利用したりする際に、必ず達成したい目的を「ジョブ」と言います。 ユーザーニーズを的確に捉えるには、ジョブを機能的・社会的・感情的の3つの面から分析する「ジョブ理論」を利用します。 また、ジョブ理論の一環として、満たされているジョブと満たされていないジョブの両方を可視化する「ジョブマップ」というフレームワークの利用が効果的です。 これによって、ターゲットとするユーザーを定義し、そのユーザーが求める機能やトレンドなどを明確化することができます。 すでに満たされている点や充実させるべき点の発見にも役立つため、自社の事業内容を改善する際にも活用しやすいのが特徴です。 まとめ デザイン思考は、実際に取り組んでみることで社内に浸透しやすくなります。 その際のポイントとして、デザイン思考の研修や社内ワークショップの実施、そして何より実践を繰り返し行うことが重要です。 また、共感マップや事業環境マップ、ジョブマップといったフレームワークの活用もおすすめです。 ぜひ、今回の記事を参考に、社内へのデザイン思考の浸透に向けて、実践を進めていきましょう。
2025.04.22
マトリクス組織とは?他の組織形態との違いや3つの種類について解説
チームづくり企業組織のあり方を考える上で注目を集めているのが、異なる業務遂行要素を組み合わせた「マトリクス組織」です。 網の目のように複数の軸で構成されるこの組織体系は、現代のビジネス環境に対応するための選択肢の一つです。 人事担当者の中には、「マトリクス組織とは何か知っておきたい」「自社に取り入れてみたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、マトリクス組織とは何かを解説し、プロジェクト型組織・機能型組織との違い、3つの種類についても紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 マトリクス組織とは マトリクス組織とは、「職能」「事業」「エリア」といった異なる組織軸を複数組み合わせて構成される組織形態のことです。 この組織構造の特徴は、一人の従業員が二つの所属先を持ち、それぞれから指示を受けながら業務を遂行する点にあります。 たとえば、エンジニアが技術部門に所属しながら特定のプロジェクトチームにも所属するような形態です。 従来のピラミッド型組織では指示系統が「上から下へ」の一方向のみでしたが、マトリクス組織では「上から下へ」と「横へ」という二つの方向から指示が飛ぶことになります。 マトリクス組織は1960年代、NASAのアポロ計画をきっかけに普及しました。 アポロ計画では、月面着陸という難しいプロジェクトを成功させるため、縦軸に機能別組織、横軸にプロジェクトチームを配置する組織形態が採用されたのです。 プロジェクトごとにマネージャーを置き、限られたリソースを効率的に活用しながら複数の目標を同時追求できる利点が認められ、その後航空宇宙産業から一般企業へと広がっていきました。 ビジネス環境の複雑化に対応し、柔軟性を持ちながら複数の目標を同時達成できる組織形態として現在も多くの企業で採用されています。 プロジェクト型組織・機能型組織との違い マトリクス組織と似ている組織形態として、「プロジェクト型組織」と「機能型組織」があります。 ここでは、それぞれについて解説します。 プロジェクト型組織とは 「プロジェクト型組織」は、特定の目標達成のために一時的に編成される組織形態です。 プロジェクトごとにチームを構成してプロジェクトマネージャーを配置し、メンバーは明確な指揮命令系統のもとで活動します。 マトリクス組織との最大の違いは、組織の継続性にあります。 マトリクス組織では従業員が複数の所属先を持ち、その状態を継続するのに対し、プロジェクト型組織はプロジェクト完了後に解散することが前提です。 また、指揮命令系統においても、マトリクス組織が複数の上司から指示を受ける二重構造であるのに対し、プロジェクト型組織では一本化されています。 プロジェクト型組織のメリットは、メンバー同士の意思疎通が円滑で、特定目標に集中できる点です。 責任の所在も明確で、環境変化に柔軟に対応できます。 一方で、プロジェクト完了後に組織が解散するため長期的なノウハウ蓄積が難しく、プロジェクト間の連携不足や、重要な意思決定における判断ミスのリスクといったデメリットも存在します。 機能型組織とは 「機能型組織」は、企業のトップの下に「開発」「製造」「営業」「人事」など専門機能ごとに部署を設ける組織形態です。 マトリクス組織との主な違いは構造の軸にあり、機能型組織が「機能のみ」の単一軸で構成されるのに対し、マトリクス組織は「機能とエリア」など複数軸で構成されます。 また、機能型組織では従業員は一つの部署にのみ所属しますが、マトリクス組織では複数の所属先を持ちます。 機能型組織のメリットは、部門の役割が明確で専門性を活かした業務遂行が可能な点と、部門内での情報共有がスムーズな点です。 一方、デメリットとしては部門間の壁が生じやすく、他部署との連携が困難になりがちな点が挙げられます。 上司からの指示を待つ「指示待ち」状態が生まれやすく、作業スピードが低下するリスクや、新規プロジェクトでの責任所在の不明確さといった課題もあります。 マトリクス組織の3つの種類 マトリクス組織は組織内での責任者の選出方法や権限配分によって、次の3つのタイプに分類されます。 ウィーク型 バランス型 ストロング型 それぞれ解説します。 ウィーク型 「ウィーク型」は、プロジェクトの責任者を特に設けない組織形態です。 一人ひとりのメンバーに高い裁量権を与え、各自が責任を持って自らの判断で業務を遂行する形式をとります。 そのため、メンバーの自律性が重視され、フットワークが軽く、スピード感のある組織運営が可能になります。 環境変化やトラブルに対しても柔軟かつ迅速に対応できる点が強みです。 しかし、責任者不在のため指揮命令系統が曖昧になりやすく、プロジェクト全体を把握する人物がいないことで意思決定に時間がかかるケースもあります。 急速な対応が求められる小規模プロジェクトに適していますが、プロジェクトが大きくなると統制が難しくなる傾向があります。 バランス型 「バランス型」は、プロジェクトメンバーの中から責任者を選出する形態です。 責任者はプロジェクト全体を把握し、メンバーの業務調整を行いながら、必要に応じて的確な指示を出すことができます。 現場の状況を熟知した責任者が統率するため、実情に即した運営が可能になります。 一方で、プロジェクトの責任者とは別に部門全体のマネージャーも存在するため、メンバーは複数の上司から指示を受ける状況に置かれます。 これにより指示系統の混乱が生じたり、責任者の業務負担が過大になったりする課題も発生しやすいです。 中規模のプロジェクトや、現場の状況に応じた柔軟な対応が求められる場合に効果的だといえます。 ストロング型 「ストロング型」は、専門部署に所属するプロジェクトマネージャーを各プロジェクトの責任者として配置する形態です。 マネジメントのプロフェッショナルがリードすることで、明確かつ効率的な業務遂行が実現し、メンバーの負担軽減にもつながります。 専門的知識や経験を活かした質の高いプロジェクト運営が期待できる点が強みです。 ただし、この形態を導入するにはマネージャーの専門部門を新設する必要があり、中小企業にとっては設立コストやランニングコストの負担が大きくなります。 大規模で複雑なプロジェクトや、多くの人員を抱える大企業のプロジェクト運営に適しています。 まとめ マトリクス組織は複数の組織軸を組み合わせることで、専門性と連携を両立させる組織形態です。 従業員が複数の所属先を持つことで、多様な視点から課題に取り組み、複数の目標を同時に追求できる柔軟性があります。 マトリクス組織を理解する際は、プロジェクト型組織や機能型組織と比較した際の特徴や、ウィーク型、バランス型、ストロング型という3つのタイプがあることを把握しておくとよいでしょう。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。