2023.03.20
チームづくり
目次
これからの企業において、ビジネス環境の急激な変化や後継者不足、意思決定・実行の必要性などの理由から、次世代の経営幹部の育成は必要不可欠だと言えます。
ただし、経営幹部の育成を実際に考える場合、どのように行えばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
具体的に検討する際は、企業の事例を参考にすることで進めやすくなります。
今回の記事では、次世代リーダーの育成に積極的に取り組み、その成果が出ている企業の事例を3つ紹介します。
サントリーは、グローバル企業として多くのM&Aを成功させています。
その中で、「One Suntory」の実現を目指し、次の時代を担う経営人材の発掘と育成に注力中です。
主な実施例としては、下記の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
グローバル人材の必要性が加速する中、サントリーではグループ全体を先導するリーダーに向けて「リーダーシップ・コンピテンシー」を策定しました。
これに反映されているのが、創業精神に沿った「サントリーらしさ」です。
グローバルな環境においても、サントリーのカルチャーを大事にしながら活躍できる人材を育成するための取り組みの一つとなっています。
次世代リーダーを見つけるという点では、「グループタレントレビュー会議」を開催することで経営人材の発掘に取り組んでいます。
この会議によってグループ各社の人材情報を共有し、後継者育成計画や適切な人材配置に活用できるようになっているのが特徴です。
また、それに伴う育成プランも実行中です。
サントリーは、グローバルに活躍できる人材を育てるため、2015年に「サントリー大学」を開校しました。
ここでは、“やってみなはれ”と“利益三分主義”というサントリーの創業精神への共感が進むような学習プログラムを展開しています。
また、米国のトップ大学と独自のプログラム開発を行い、ケースステディで学べる環境も提供中です。
「高い目標を立てて失敗も許容する」「アイデアを促進してそれをサポートする」といったサントリーならではの環境の中で、国境を越えた次世代リーダー候補を育成し、次々に輩出することに成功しています。
株式会社商船三井は、1884年に大阪商船として誕生して以来、130年余の歴史を有する世界最大級の総合海運企業です。
世界の資源を輸送する海運業を中心としたグローバルな事業展開を図っており、多彩な周辺事業の運営でも有名です。
主な実施例として次の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
株式会社商船三井グループは、3つの企業理念と長期ビジョンを掲げ、グループ全社員の行動指針として「MOL CHART」を制定しています。
「CHART」とは、「Challenge」「Honesty」「Accountability」「Reliability」「Teamwork」という5つの価値観の頭文字であり、社員が向かうべき方向として「海図」の意味も込められているのが特徴です。
「MOL CHART」では、「自律自責型の人材」を育成することを目指しており、そのため、「リーダーシップ」「コミュニケーション力」「ファイティングスピリット」「タフネス」という4つの素養を重視し、異文化や語学に関する教育も実施しています。
「One MOL グローバル経営塾」は、2014年度から開始された社内スクールで、グローバルな環境でマネジメント力やビジョンを描けるスキルやマインドセットを学ぶことを目的としています。
対象者は、同社および海外現地法人の各部門から推薦された次世代を担う人材です。
期間は約1カ月半おきに5日程度ずつ日本で開催され、3回に分けて行われます。
プログラムは、イノベーティブな思考法やリーダーシップなどのフレームワークを学んだ後、小グループで「10年後の商船三井を創造する」というテーマに沿ってアクションラーニングを行い、最終日には経営陣に対し提言をプレゼンテーションするという内容です。
役員をメンターとするなど、受講生が一人ひとりの個性・ビジョンを発揮できるように工夫されたプログラムとなっています。
経営塾への参加候補前の若手社員に向けては、35歳前後の国内グループの管理職層を対象にさまざまな人材育成プログラムを実施しています。
語学講座や海外赴任予定者への研修、経営リテラシーを学ぶ「経営スクール」などを通じて、グローバル人材としての育成を図ります。
日本電気株式会社(NEC)は、1899年に米国の通信機器製造会社との合弁によって創業された、日本初の外資との合弁企業です。
コンピュータ技術とコミュニケーション技術の融合を意味する「C&C」という理念を通し、電話から始まり、通信、半導体、コンピュータへと事業を展開してきました。
日本電気株式会社では、グループ社員の普遍的な価値観として「NECグループバリュー」を作成し、これをベースに「人財哲学」を制定しています。
2016年からは、「人材哲学」を基にした「NEC 社会価値創造塾」を創設することで、次世代リーダー育成に取り組んでいます。
「NEC 社会価値創造塾」のプログラムは、下記の4つのモジュールが基本です。
中でも特に大きな特徴となっているのが、「現地学習(ラーニング・ジャーニー)」です。
この学習には、フィリピンやザンビアへの訪問、また日本での介護実習や地方拠点への訪問を通して、自らの視点を広げる目的があります。
今回は、次世代リーダー育成に役立つ主な3つの企業事例を取り上げて紹介しました。
企業によってリーダーの育成方法は異なりますが、いずれにおいても、「企業理念」を基にした取り組みになっていることがわかります。
次世代リーダーの育成を検討する場合、自社の企業理念をあらためて確認しておくことが重要です。
ぜひ、これらの事例を参考にして、次世代の経営幹部育成に取り組んでみてください。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.05.23
【価値協創ガイダンス】知っておきたい6つのフレームワーク
チームづくり「価値協創ガイダンス」は、企業と投資家をつなぐ「共通言語」として情報開示や対話の質を高めるため、さまざまな情報を体系的かつ統合的に整理するのに活用できる手引です。 2022年8月には、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けた経営の強化と、効果的な情報開示や建設的・実質的な対話を行うためのフレームワークとして、「価値協創ガイダンス2.0」に改訂されています。 自社の経営強化のために価値協創ガイダンスの活用を検討している場合、この中で取り上げられているフレームワークについて具体的に把握しておくことが重要です。 そこで今回は、価値協創ガイダンスの6つのフレームワークについて詳しく解説します。 これから積極的に価値協創ガイダンスに取り組みたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 価値協創ガイダンスのフレームワークとは 「価値協創ガイダンス」では、どのように無形資産の投資やESGの取組が企業の競争優位性を持続的に向上させられるか、といった「価値創造ストーリー」を説明するため、次の6つのフレームワークを提示しています。 価値観 長期戦略 実行戦略(中期経営戦略など) 成果と重要な成果指標(パフォーマンスとKPI) ガバナンス 実質的な対話・エンゲージメント 参考:「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス 2.0(価値協創ガイダンス 2.0)」|経済産業省 それぞれ解説します。 1.価値観 「価値観」は、社会の課題解決に対して企業や社員一人ひとりが取るべき行動の判断軸、また判断の拠り所となるものです。 ここでは、企業は自社固有の価値観を示すとともに、どのような社会課題を「重要課題」として捉えるのかを検討することが重要とされています。 課題を検討し、価値観を対外的に示すことによって、企業は変化の激しい社会の中で従業員エンゲージメントの向上や長期的な価値創造につなげられます。 また、長期的な視野に立つ投資家にとっては、企業の価値観を知ることでビジネスモデルの実現可能性を判断できるようになるのです。 2.長期戦略 「長期戦略」は、企業の価値観に基づき、社会全体の動向を見定める長期ビジョンの策定や、その実現の柱となるビジネスモデルの構築・変革、リスクと機会の分析などを統合的に行うことによって構築できます。 ここでのポイントは、企業は、産業構造や事業環境の変化に対応した長期的・持続的な価値創造のあり方を示すべき、とされている点です。 そのためには、企業が目指す長期ビジョンやビジネスモデルからなる長期戦略を、リスクと機会の把握・分析をした上で統合的に構築することが推奨されています。 また、この場合の長期ビジョンは、価値観・重要課題と合わせ、自社で働く一人ひとりの目標ともなる内容が望まれます。 3.実行戦略(中期経営戦略など) 「実行戦略(中期経営戦略など)」は、長期戦略を実現するため、企業が持っている経営資源やステークホルダーとの関係を維持・強化しながら取り組む足下および中長期的戦略を指します。 企業には、足下の経営成績の分析・評価や長期的なリスクなどの分析を踏まえつつ、長期戦略の具体化に向けた戦略策定と実行が求められます。 ただし、ここでの戦略には、経営戦略だけではなく、人材戦略や知的財産・技術(知的資本)、研究開発、DX推進に対する投資戦略、ブランド戦略なども含まれ、実行戦略の中にESGやSDGsなどを組み込んで明確に提示していく点も重視されています。 4.成果と重要な成果指標(パフォーマンスとKPI) 「成果(パフォーマンス)と重要な成果指標(KPI)」は、企業の価値観を踏まえた戦略の実行により、どれだけ価値を創出してきたか、それを経営者がどのように分析・評価しているかを表す指標です。 企業は、KPIによる長期戦略などの進捗管理や成果評価を通じて、長期戦略などの精緻化や高度化、そして必要に応じた見直しを行うことが重要です。 投資家に対しては、KPIを設定した理由や長期戦略・実行戦略における位置づけ、今後の見通しなどを詳しく説明することが望ましいとされています。 5.ガバナンス 「ガバナンス」は、長期戦略・実行戦略の策定などを的確に行い、持続的に企業価値を向上させるための規律付けの仕組み・機能です。 そのため、企業には、長期戦略などの企業行動を規律するガバナンスを実効的かつ持続可能なものにするよう、しっかり整備することが求められます。 例えば、社長やCEOを始めとする各役員が持つ役割・機能分担を明確に公表し、それぞれ実効的に果たすことなどが挙げられます。 加えて近年においては、属性や能力などの多様性の確保、透明性・合理性の高い意思決定を行う仕組み作りが重視される場合も多いです。 投資家にとっては、ガバナンスの状況を確認することで、企業を信頼し安心して投資を行う根拠が得られます。 6.実質的な対話・エンゲージメント 「実質的な対話・エンゲージメント」は、企業の「価値創造ストーリー」について企業と投資家が双方向的に対話を行い、その内容を磨き上げていく共同作業です。 ここでは、企業と投資家は、実質的な対話を深めながら、長期的かつ持続的な企業価値を協同で作り上げていくことが重要だとされています。 具体的な行動として、企業側には投資家に対する実効的な情報の開示を、投資家側にはその情報をもとにした対話のアジェンダ設定が求められます。 また、対話後に企業が行うべきアクションとして、得られた示唆をもとに、自社の企業価値構成要素を見直し、必要に応じてそれらの改善に向けた取り組みの実施が挙げられます。 企業が取り組みの進捗状況や成果を公表し、投資家のさらなる助言や意見を求め、今後に反映させることで、価値創造ストーリーの一層の強化・発展につながるのです。 まとめ 経済産業省が作成した「価値協創ガイダンス」は、企業と投資家をつなぐ共通言語として情報開示や対話の質を高める手引です。 今回紹介した6つのフレームワークを把握しておくことで、価値協創ガイダンスについてより深く理解できるはずです。 投資家との関係を向上させるためにも、価値協創ガイダンスを積極的に取り入れて活用することをおすすめします。
2022.02.15
いい人材を採用したいと思う経営者へ…やってはいけない◯◯採用のリスクとは?
チームづくり「採用の間違いは教育では取り返せない」とは師匠:榎本計介氏の言葉。 研修を提供する身からすると、「いや!どんな人材も可能性は無限大です!」と答えたくなりますが、残念ながらそんなことはありません。 だからと言って「使えないやつばっかりだ」と言っているのは経営者としての能力の低さの証明です。「いろんな才能があって、たまたま自社では発揮できない」が真実。そして、面接では見えないことが採用した後から分かってくるというのもあるあるです。 とにかく正解がない世界。だからこそ不正解の排除をすれば確率が上がるのではないかと考え、今回は、「どんな採用をするべきか」ではなく「どんな採用をしてはいけないか」についてお伝えします。 大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。 投稿一覧へ なぜ人が定着しないのか? サポートさせていただいている企業様で人材の悩みについて経営者から相談されます。 その中でも多いのが「人が定着しない」という悩み。 そしてこの悩みを抱えるサポート先を分析していくと大体2パターンに分かれます。 そもそも給与、業務内容、能力が合ってない「条件による退職」上記のマッチングはいいはずなのに定着しない「謎の退職」 1. については理由が明確なので今回は2. の会社のお話です。 2.待遇はいいのに定着しない「謎の退職」が連続する企業にかなりの確率で共通していることは ・業績が伸びている・決して過酷な環境なわけではない・社長が勉強熱心 ということです。 そして、定着しなくなったきっかけを遡ってみると ・主軸だったキーマンが退職した という事象が起きていることが多くあります。 このキーマンの退職というは、決してネガティブな理由ではなく、独立起業や本人の夢が叶うようなキャリアアップ、結婚退職などこちらが応援したくなるような理由です。 その穴を埋めるように早急に採用に動くわけですが、ここが運命の分かれ道となります。 穴埋め採用クライシス とある大箱の美容院の話です。 起業から5年いろんな困難はあったものの順調に拡大し、スタッフは15名ほど。さらに多店舗展開を目指そうと息巻く経営者。 しかし、ここで創業2年目から入社し主軸を担っていたリーダー格の女性スタッフが結婚退職することになりました。 結婚後も働いて欲しいと話し合いましたし、本人も働きたいと思っていたのですが、旦那さんの仕事の関係上、引っ越すことが前提だったためそれも不可能ということで、惜しまれつつ退職しました。 もちろん、社長はすぐにそのキーマンが抜ける穴を埋めるべく二番手のスタッフをリーダーに任命します。そしてその人員補充のために採用活動を行いました。 ここまでは何ら問題のない動きのように感じます。 しかし、この採用によってどんどん状況は悪化していったのです。 私は「穴埋め採用クライシス」と呼んでいますが、起きたのは大体以下のこと。 二番手がプレッシャーで機能不全労働力としての採用で質が低下社長が学んでコントロールしようとするため文化が変化その変化を敏感に感じた「理念体現者」が数人やめるベテラン勢の「創業魂」が弱まり「新人へなちょこマインド」が台頭し始めるこの対立により社内の雰囲気が悪くなり採用してもすぐ辞めてしまう2に戻る。以下無限ループ。 一つずつ解説していきます。 1.二番手がプレッシャーで機能不全 新たにリーダーになった人材が、以前のキーマンの幻影と戦ってしまうと多くの場合がプレッシャーで自己嫌悪に向かっていきます。また、経営者側もなんともそのキーマンが抜けた穴が大きいために、いつまでも以前のクオリティを期待してしまい無意識に「以前はこうだった」みたいなことを口走ってしまいます。すると徐々にその新リーダーのエネルギーは降下していき、より負のスパイラルに落ち込んでいきます。 2.労働力としての採用で質が低下 業績は好調なので人員補充が必要です。正直、猫の手も借りたいという状況のため、とにかく自社で働きたい!と言ってくれるなら、相当変な人でない限り、とりあえず採用する。という動きになってきます。しかし、まだ猫の方が可愛げがあって良かったということがよく起こります。現実問題として人材の質の低下が起きる瞬間です。 3.社長が学んでコントロールしようとするため文化が変化 しかし、この会社の社長は優秀なので評価制度や社内規則を整えることで、なんとかこの人材の質の低下によるサービスの低下を防ぎ、顧客満足を維持するための努力をしました。今まではお互いの配慮や思いやりの気持ちで動いていた部分がルール化されていきました。徐々に会社の文化が変化していったのです。 4.その変化を敏感に感じた「理念体現者」が数人やめる 私たちが好きだった会社ではなくなってしまった。初期メンバー数人がその変化を敏感に感じとります。なんだか人が入れ替わってきたし、そろそろ私も転職しようかな。そんな雰囲気になり会社としてとても重要な「理念体現者」が数人やめてしまいます。 5.ベテラン勢の「創業魂」が弱まり「新人へなちょこマインド」が台頭し始める 数人の理念体現者の退職により、今まで圧倒的多数派であった仕事楽しい!がんばろう派閥の影響力が下がり、新たな労働力として採用された新人の働く人の権利だけをやたら主張する派閥が台頭し始め、内紛が起き始めます。社長はもちろんがんばろう派なんですが「やめられたら困る」という恐れから反対派閥に強くアプローチできなくなっていきます。 6.この対立により社内の雰囲気が悪くなり採用してもすぐ辞めてしまう この内紛状態にある職場で採用活動を行うわけですが、求職者も馬鹿じゃないので、というか、優秀な人ほど職場の雰囲気を感じ取って辞退します。逆に気づく力の弱い人だけが入社してきて「思ったのと違う」って言って早期に退職するわけです。 7.定着しないため2に戻る。以下無限ループ。 人がすぐやめて現場が困るため補充人員をすぐに採用。しかし、猫の方がまだマシ。 以下無限ループとなります。 この「穴埋め採用クライシス」いかがでしょうか?怖いですよね。 でも実際によく起きています。業種業態関係なく、実は目立たないけど要石のような動きをしていたまさに、文字通り「キーマン」が退職することによって、綻(ほころ)びが生じ始めます。 このキーマンの特徴は実務レベルが非常に高いというよりは、理念の体現者であったり、まとめ役という業務の表面上にあまり出てこない役割だったりします。 非公式のNo.2や精神的支柱と呼んでいいかも知れません。 なので、経営者側の見解は「やめるのは寂しいけど業務に支障は出ないだろう」というレベルの認識です。そのために穴埋め採用で何とかなると考えてしまうのかも知れません。 ではどのようにしたらこの無限ループから抜けられるのでしょうか。 穴埋め採用をやめるためにすべきこと 穴埋め採用クライシスの発端はどこにあるのか? そして、どこで食い止めることができるのか? 以下のことに気をつける必要があります。 属人的な状態を防ぐ前はよかったなと比較しない労働力としての採用をやめる 属人的な状態を防ぐ そもそもで言うと、キーマンが辞めて二番手が比較されてしまう状況を作らない。そして、新しい人が入ってきても個の能力に頼ることなく等しくできる状態を準備しておく。ということ。つまり属人的な仕事にならないように、業務に人をつけるという状態を平時から構築していくことが重要です。 と、机上の理論ではこうなりますが、ほとんどの中小企業では無理だと思います。その人だからここまでやれた。というのが真実だし、その人の退職に備えて準備するほど余裕がないことの方が大半です。とはいえ、属人的にならない状態づくりは「理想を求めて準備する」と理解して進めていく必要があると思います。 前はよかったなと比較しない 「なんで近くで見てたはずなのにできないんだろう?」 いまいち動きの悪い新リーダーに対してつい思っていませんか? この問題は過去が美化されがちであることが理由の一つ。そしてもう一つが、一番手と二番手の総合力の違いがいかに大きいのか?について正しく理解できている人が少ないことです。 高校野球の投手がなぜあんなに連投させられるのか?と疑問に思いませんか? 二番手投手に変わればいいのに。どこの高校も変えられないのです。 それは、あまりに一番手との総合力が違いすぎるから。 スキルの違いが最大の理由ではありません。メンタルも含めた総合力が圧倒的に違います。それは「本番」に立った回数が圧倒的に違うからです。 エースが1人しか存在し得ない理由。 それは「本当に責任を持ったリーダーは常に1人」だからです。 エースは登板回数が圧倒的に多く、失敗と成功を重ね、さらに真のエース、リーダーになっていきます。しかし、二番手はあくまでエースの控え、副リーダーであり、エースの有事に備えている存在です。その存在にエースと同等の心持ちで常に居なさい。というのは不可能に近い話です。 責任を背負った「時間」と「回数」それだけが真のリーダーを育てます。 なので、いきなり同等の動きができるという期待は手放しましょう。じっくり育てるしかありません。 「前の人はできてた、前が良かった」って彼氏、彼女に言われたら嫌でしょう? 従業員はもっと嫌ですよ。 労働力としての採用をやめる これが定着しない職場問題のボトルネックだと思います。 もちろん採用にあたっては慎重に実施されている経営者がほとんど。 しかし、現場の過負荷をなんとか解消したいという思いから、つい採用基準が甘くなったりすることがあります。 また、そもそも応募数の少ない業界だったりすると採用費分は採用しなきゃもったいない。来てくれるだけでありがたい!となって、来るもの拒まず去るものは必死で引き止める。となってしまっているのも現実です。 苦しい状況から逃れたいという欲求は、目を曇らせます。 この現象を「認知の変容」と言います。 高層ビル火災において、絶対に助からない高さから飛び降りてしまう人が多くいるそうです。従来は、ここにいても煙や火に撒かれて死んでしまうから覚悟を決めて飛び降りるのだと考えられていました。 しかし、とあるホテル火災から救出された女性宿泊客の証言は、飛び降りの背景に認知の変容が絡んでいることを明らかにしました。 この女性は数人ではしご車による救助を待ちながら、5階の窓から交代で首を突き出して新鮮な空気を呼吸していました。すると、首を突き出す度に、眼下に見えるホテルの庭が近付いて見えてきたといいます。そのうち「この近さなら何とか飛び降りられるのではないか」という気がしてきて、理性ではそれを否定しながらも、その気持ちを抑えることが難しかったそうです。これは、脱出したい、助かりたいという強い欲求によって、地面までの距離感が歪められた例であるといえます。 このように、私たちは危機が迫ると現実を歪めて「良く」みてしまうということが起きます。その良く見たいという思い込みに、確証バイアスという、自分に都合の良い情報ばかりを集める。という機能が拍車をかけて、本当はイマイチな人材を「ものすごくいい」と思い込んでしまうのです。 採用に正解はないが不正解はある とにかく採用というか、人が人を判断するということはどこまでいっても難しいということです。 期待度×合否の結果の掛け算は以下の通り。 ・ダメだと思って不採用にしたら本当にダメな人だった・ダメだと思って不採用にしたら実はいい人でもったいなかった・あまり良くないと思ったけど採用したら、やっぱりダメだった・あまり良くないと思ったけど採用したら、実は良かった・いいと思って採用したのに、ダメだった・いいと思って採用したら、やっぱり良かった とどのつまり。結果は雇ってみなけりゃわからない。というのも真実です。 しかし、この6つの目のサイコロの中で ・あまり良くないと思ったけど採用したら、実は良かった の目が出る確率はどれぐらいでしょうか。 雇用側も被雇用側も双方がハッピーになる採用方法はわかりません。 しかし、双方が不幸にならないために雇用側ができることがあるとするなら、自社で働きたい人ではなく、自社で働いてほしい人を獲る。ということに尽きます。 「そうは言っても、現場が回らない」 経営者から2万回ぐらい聞きましたが、結局ほとんどの会社がその時期に採った人材はほぼ辞めていて、入れ替わっています。 自社が自信を持って雇用した人しか本気で関わることができません。 穴埋め採用はグッと堪えて、自社に必要な人を採用しましょう。 強いチームづくりのヒントになれば幸いです。 人材育成の課題を解決する為に 人材育成や採用・離職に関する課題は簡単に解決できるものではありません。正しい知識を身につけて、日々継続していく事が必要です。 ワンネス経営®︎の公式LINEではリーダー育成やチームビルディングのポイントを発信しています。すぐに実践でき効果の高い学びになっています。下のボタンからLINEの友達登録をしてメッセージを受け取ってください! 事務局:スズキヒラク ワンネス経営®︎公式LINEを追加!
2025.04.08
モンスター社員とはどのような人?増加する背景や特徴について紹介!
チームづくり近年、会社が直面する深刻な課題として「モンスター社員」の問題が注目されています。 職場の秩序を乱し、業務効率を低下させるモンスター社員は、なぜ増加しているのでしょうか。 今回は、モンスター社員の概要や増加する背景を解説し、特徴についても紹介します。 健全な職場環境を守るための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。 モンスター社員とは 「モンスター社員」とは、職場において著しく問題のある言動や態度を示す社員を指す表現です。 一般的な職場のルールや社会的規範から大きく逸脱した行動をとり、周囲に重大な不利益をもたらすことから、「問題社員」と呼ぶ場合もあります。 モンスター社員の存在は、一時的な不調や能力不足とは本質的に異なる問題です。 彼らが引き起こす混乱や対立は、職場の雰囲気を悪化させるだけでなく、業務効率の低下、他の従業員のやる気低下、さらには顧客との関係悪化など、全体にわたって深刻な影響をもたらします。 そのため、モンスター社員の問題は見過ごすことのできない経営課題となっています。 モンスター社員への適切な対応や管理は、健全な職場環境を維持し、会社の生産性を守るために不可欠な要素となっているのです。 モンスター社員が増加する背景 モンスター社員の増加には、現代社会特有の要因が背景となっています。 まず、インターネットの普及によって誰でも労働関連の情報にアクセスできるようになりました。 この状況は本来労働者の権利保護に有益ですが、一部の社員は断片的な情報を都合よく解釈し、「権利」を盾に不当な要求や反抗的態度を正当化することがあります。 法律の専門家ではない管理者はこれらの主張が正当なのか判断できず、対応に苦慮するケースが増えているのです。 また、近年「ハラスメント」という言葉に対する誤解が広がっています。 「受け手が不快に感じればハラスメントである」という誤った解釈により、モンスター社員は正当な業務指導に対しても「パワハラだ」と主張しがちです。 実際には、厚生労働省の指針でも業務上必要な指導はパワーハラスメントに該当しないと明示されています。 さらに、メンタルヘルスの問題も影響しており、問題行動の背景に精神的な不調があるだけでなく、医療機関への受診をすすめても拒否するケースなど、適切な対応が難しくなっています。 これらの背景が複雑に絡み合い、「モンスター社員問題」を深刻化させているのです。 モンスター社員の特徴 モンスター社員に対応するには、彼らに共通する心理や行動パターンを理解することが重要です。 ここでは、モンスター社員に見られる主な3つの特徴を取り上げて解説します。 自己中心的な思考と想像力の欠如 モンスター社員の大きな特徴は、自分の利益や考えにのみ関心を持ち、他者への配慮が著しく欠如している点です。 彼らは自分の判断や価値観に強いこだわりを持つ一方、自分と直接関係のないことには無関心な態度を示します。 そのため、職場で問題が発生しても、相手の立場を考慮したり譲歩したりする柔軟性がなく、小さな対立が大きな紛争へと発展することがあります。 こうした自己中心性について、本人たちは「自己決定・自己責任」という現代的な価値観だと正当化する傾向がありますが、実際は自己中心的な思考の表れです。 また、自分の行動が職場全体にどのような影響を与えるか想像する能力が乏しく、「私のやり方で問題ない」という姿勢を崩しません。 このようなタイプの社員には、問題が発生するたびにルールを明確に伝え、勤務時間中は個人の価値観よりも職場のルールが優先されることを継続的に教育する必要があります。 現実とかけ離れた自己評価 モンスター社員のもう一つの特徴は、自己評価と実際の能力・成果がかけ離れている点です。 会社からの評価が低いにもかかわらず、「自分は正しい」「十分に仕事ができている」という強固な自己認識を持っており、上司からの指導や同僚からのアドバイスを受け入れられない傾向があります。 また、自分の能力を過信するあまり、スキル向上のための地道な努力を無意味だと考え、成長の機会を自ら放棄してしまうことも少なくありません。 このような思い込みの強い社員に対しては、定期的な評価面談だけでなく、日常的な業務の中でも具体的な問題点と改善策を明確に伝え続けることが重要です。 会社に対する低い評価 モンスター社員の多くは、所属している会社に対して低い評価をしがちです。 「ここは自分の本当の能力を活かせる場所ではない」という意識が常にあり、会社のビジョンや目標に共感することができません。 こういった会社への低評価は、自分の意に沿わない業務やルールに対して強い拒否反応を示す原因となります。 小さな不満でも「不当な扱い」と受け止めるため、最終的には「どうせこんな会社」といった開き直りから、ルール違反や問題行動が常態化してしまうケースも珍しくないのです。 こうした社員に対しては、会社の価値観や方針をていねいに説明し、その意義を理解してもらう努力が必要です。 まとめ モンスター社員の問題は、個人の性格や態度だけではなく、現代社会の複雑な要因が絡み合って生じている組織的な課題です。 彼らの自己中心的思考、非現実的な自己評価、会社への低評価という特徴を理解し、適切な対応を行う必要があります。 健全な職場環境を守るためにも、モンスター社員について把握し、会社全体として取り組んでみてはいかがでしょうか。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。