スキルや知識だけではなく、人格や器量を表す概念として「人間力」という言葉があります。
しかし、聞いたり使ったりしたことがあっても、詳しい内容はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、人間力について解説し、その3つの要素や人間力の高い人の特徴を紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
人間力とは
「人間力」という言葉は日常会話でも使われますが、その具体的な意味を説明するのは意外と難しいものです。
多くの人が「大切なもの」と漠然と理解していても、明確に説明できない概念かもしれません。
実はこの「人間力」については、内閣府が設置した「人間力戦略研究会」によって明確に定義されています。
その定義によると、人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」とされています。
つまり、知識や技能だけでなく、社会の中で他者と関わりながら自分らしく生きるために必要な複合的な能力のことなのです。
人間力は成績やランクだけでは測れない、人間としての総合的な「生きる力」と言えます。
社会人として、また一人の自立した人間として充実した人生を送るために欠かせない基盤となる能力なのです。
参照:『人間力戦略研究会報告書』人間力戦略研究会|内閣府ホームページ
人間力の3つの要素
人間力にはさまざま要素が含まれますが、特に下記の3つの要素が重要とされています。
- 知的能力的要素
- 社会・対人関係力的要素
- 自己制御的要素
それぞれ解説します。
知的能力的要素
「知的能力的要素」は、基礎学力や専門知識だけでなく、知識の蓄積を実社会で活用し発展させる能力を指します。
論理的思考力や創造力といった応用力も含まれており、常に学び続ける姿勢が必要となるのが特徴です。
社会・対人関係力的要素
「社会・対人関係力的要素」は、他者との良好な関係構築に欠かせないコミュニケーション能力を中心とした要素です。
社会規範の理解と遵守、リーダーシップの発揮、公共の利益への貢献意識に加え、仲間との切磋琢磨を通じて自己を高める協調性もこの要素の重要な部分だといえます。
自己制御的要素
「自己制御的要素」は、上記「知的能力的要素」と「社会・対人関係力的要素」を発揮するための基盤となる力です。
自分自身の生き方を見つめ、目標に向かって粘り強く取り組む意欲や忍耐力といった精神力がここに該当します。
人間力が高い人の3つの特徴
人間力が高い人の特徴として挙げられるのは、次の3つです。
- 自分への理解ができている
- 自己肯定感が高い
- 利他的な傾向が強い
それぞれ解説します。
自分への理解ができている
人間力が高い人は、自己の全体像を深く理解しており、長所だけでなく、嫉妬心や劣等感といったネガティブな感情も含めて認識できるのが特徴です。
こういった自己認識があるからこそ、感情に振り回されることなく、安定した対人関係を築くことが可能となります。
人間は完璧ではありませんが、その不完全さを受け入れることができる人こそが、真の強さを持っていると言えます。
自己肯定感が高い
他者との比較に頼らず、ありのままの自分を肯定する感覚を持っているのも人間力が高い人の特徴です。
高い自己肯定感は、特定の能力だけではなく、困難を克服した経験や持続的な努力から生まれる自信に支えられています。
そのため、一時的な失敗や挫折に対しても柔軟に対応し、前進し続けることができるのです。
利他的な傾向が強い
人間力が高い人は、自己中心的ではなく、常に他者への配慮を忘れません。
「他者に貢献できる人間でありたい」「他者を理解できる人間でありたい」という志向性を持ち、日常的な言動にそれが表れています。
この利他的な姿勢が周囲からの信頼を獲得し、結果として豊かな人間関係と社会的影響力をもたらします。
まとめ
「人間力」は、内閣府の「人間力戦略研究会」によって明確に定義されており、知的能力的要素、社会・対人関係力的要素、自己制御的要素の3要素からなる総合的な力を指します。
人間力の高い人は自己理解ができていて、自己肯定感が高く、利他的な姿勢を持っているのが特徴です。
ぜひ、今回の記事を参考に、人間力について理解しておくことをおすすめします。