正論とはナイフである【後編】

前回は攻撃的なコミュニケーションをする人の特徴やそのメカニズムについてお伝えしました。

今回は具体的にどのように導けば良いのか?について実際の対話セッションの中身を公開します!

正論とはナイフである【前編】

あなたの周りにも攻撃的な人がいませんか?たまたま機嫌が悪いとかじゃなくて、常にコミュニケーションがキツい人。というか、いちいち言い方にトゲがある話し方をする人。なぜ人は攻撃的になってしまうのか?どうしたら攻撃性をやめられるのか?について具体的な指導法を含めて解説をしていきます。


大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。


具体的な指導法

ここで、私が実際に行った対話セッションの流れをご覧ください。

一部わかりやすく加工してありますが、ほぼ実際の対話そのものです。

そのまま実施するためというよりは、流れやこちら側のリアクションを参考にしてもらえると良いと思います。

福永:「山田さん、◯◯さんへの指導なんだけど、私が見ていて少し言葉がキツイように感じるよ」

山田さん(仮名):「えー?そうですか?普通ですよ?(とぼけとこう)

福:「そうかー。じゃあ基準を揃えないといけないね」

山:「基準?」

福:「私は“キツい言い方になっている”と指摘しているけど、あなたは“普通”と答えたもんね。私たちの間で基準が違う証拠でしょ?」

山:「はい。。(うわ、何この人?逃げれんやん)

福:「指導の際、伝え方の基準は、その人の親御さんが隣で聞いて『ちゃんと指導してくださってありがとうございます』って感激するような話し方だよ」

山:「はぁ」

福:「だから人格否定や生い立ちを否定するなんてもってのほかだよね?伝え方がいちいちトゲトゲしかったり、攻撃性が高かったりしたら『そんな言い方しなくてもいいでしょ!』って怒りたくなると思わない?」

山:「それはなりますね」

福:「どう?自分の話し方が少し攻撃的になったり、高圧的になったりしてるってフィードバックをされてみて。どう感じてる?」

山:「確かに、言いすぎたな、と思うことはたまにあります。あと、感情に任せてこいつをシバいてやらないとって思ってるときも確かにありました」

福:「おー、いいじゃないですか。ちゃんと自分を客観的に見れていて素晴らしい。でも最初は『普通ですよ?』って気づかないふりしてたよね?(^―^)」

山:「すみません。図星だったので素直に受け取れませんでした」

福:「いや、すごい素敵。いま現在地が分かって地面に足がついた瞬間だよ。ここからならどこにでも行ける。山田さんはどうなるといいと思う?」

山:「どうなるとですか??ちゃんと言いたいことが伝わって成長してもらえる指導ができるようになりたいです」

福:「めちゃくちゃいいじゃないですか。なりましょう!なれますよ!」

山:「はい」

福:「じゃあ、まずはなんで指導の際に少し攻撃的になっちゃうんだと思います?」

山:「何回もおんなじことを言ってるのに理解しないから」

福:「イライラしちゃうんだね?他には?」

山:「教えてあげてるから偉いんだぞというのを示したいのかも」

福:「めちゃいい気づき、他にはどう?」

山:「実は教えていながら、自分に自信がないのかも。本当にこれでいいのかな?とか、間違ってないだろうか?とか、少し不安な気持ちがバレないように、掘り下げて質問されないように、近寄らないで!ってやってるのかもしれない」

福:「めちゃくちゃすごい!いいね。素直力が最高ですね」

山:「ありがとうございます」

福:「山田さんは、何度も正しいことを伝えてやってるんだ!言い方が悪くて何が悪い!と、相手の気持ちを思いやる視点が抜けちゃったんだよね。決して、相手を打ち負かそうとか、やっつけてやろうと思ってたわけじゃないよね?」

山:「はい(本当はすこしあったなぁ)

福:「ところが、その裏側には、少しの不安があって不安がバレるのが怖いから、圧が強い話し方をすることで相手が一歩引いている状態を作ろうとしてた」

山:「はい(図星すぎるなぁ)

福:「どう?山田さんて本当に強い人?見せかけの強い人?」

山:「めちゃ見せかけですねぇ。笑。いかーん!バレとる。笑」

福:「ねー、笑。残念ながらこのままの態度だと弱い人だよね。でもさここから本当に強い人、頼りになる人はきっと目指せるよ。どんな人になりたいと思う?」

山:「余裕を持って優しく受け答えする人が本当に強くて頼りになる人です」

福:「そうだよね。どのようにしたらそうなれそうかな?」

山:「感情的になる前に一呼吸置いてから言葉を選んでいくことが大事だと思います。あと、言葉を磨くこと」

福:「その通りだよね。もう私が言いたかったことわかったよね?」

山:「はい、無駄に能力の証明をする必要はないですね」

福:「そう、山田さんはめちゃくちゃ能力が高いからこそ、先に走っちゃうんだよね。相手の能力に合わせてちゃんと導くことにその高い能力を使ってみて」

山:「はい!ありがとうございます!」

まとめ

いかがでしたでしょうか?

とくに論理性の能力の高い人材ほど陥りがちな攻撃性の罠。

その人材が、正論だけじゃなく感情についての理解を示すと最強の人材へと変革していきます。まるで将棋の飛車が龍王、角が竜馬になるように。

正しさのナイフをどのように使いこなすか?

チームみんなで取り組んでみてはいかがでしょうか?

行動変容を促す伝え方とは

実際に「変わりたい!」「やってみたい」という気持ちを引き出し、部下やチームメンバーに行動変容を促すためには、相手の感情を理解した伝え方が必要です。

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事務局:スズキヒラク

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