社員を育成する場合、「Z世代の育て方がわからない」「育成ポイントを知りたい」という担当者も多いのではないでしょうか。
前の世代とは異なる考え方や行動様式を持っているのが、Z世代です。
彼らを効果的に教育するには、この世代の特徴を理解したうえで育成のやり方を検討する必要があります。
今回の記事では、Z世代の育成ポイントと指導NG例を取り上げて解説します。
Z世代を育てる際の参考にしてみてください。
Z世代の育成ポイント
Z世代を育成するには、次の3つのポイントを押さえておくとよいです。
- 目的を明確にする
- 一人ひとりに合わせて対応する
- デジタルネイティブの特徴を生かす
それぞれ解説します。
目的を明確にする
Z世代の多くは、「目的が明確でないことには、リソースや時間を投入したくない」という価値観を持っています。
そのため、タスクを割り当てたり、研修・トレーニングを行ったりする前に、その目的や意義を明確に伝えることが重要です。
この作業がなぜ必要なのか、この仕事がどのような価値を生み出すのかなど、メリットや効果を丁寧に説明することで、Z世代の仕事に対する認識が深まります。
一人ひとりに合わせて対応する
Z世代は、型どおりの働き方ではなく、自分の個性を生かしてキャリアを築きたいと考えています。
そのためZ世代を育成する際は、一人ひとりの特性に合わせたトレーニングプログラムや学習ペースを用意することが大切です。
また、社会人としての経験が浅く、失敗から学ぶ機会が少ないZ世代にとって、上司やメンターによるきめ細やかなサポートは欠かせません。
仕事上の困難に直面した際に、それを乗り越えるためのスキルを身につけられるよう、丁寧な指導が求められます。
デジタルネイティブの特徴を生かす
Z世代は、生まれた時からデジタル環境に囲まれて育った「デジタルネイティブ」な世代です。
「タイパ志向」とも相まって、「ITなどの技術を活用し、業務を効率的に進めたい」という価値観を持っているのがこの世代の特徴です。
効率化へのこだわりは、Z世代の大きな強みの一つとして捉えることができます。
Z世代を育成する際は、彼らの「デジタルネイティブを生かした強み」を発揮できる役割や業務を与えることが有効です。
例えば、自社で新システムを導入する際に、ITに精通したZ世代の若手社員をプロジェクトリーダーに抜擢するのもおすすめです。
Z世代を指導する際のNG例
Z世代を指導する際は、下記の5つのNG例を参考にするとよいです。
- 納得できない価値観の押し付け
- Z世代に対するレッテル貼り
- 叱責による育成
- 偏った外発的動機付け
- 連絡の放置
それぞれ解説します。
納得できない価値観の押し付け
Z世代は、多様性を重視する風潮の中で育ってきました。
そのため、古い価値観や保守的な考えの押し付けを嫌がる傾向があります。
「前からそういうものなんだから従って」「新人はこのように振る舞うもの」など、理由を聞いても納得できない回答しか得られない場合、反発を招くおそれがあります。
伝え方には注意し、明確な理由を意識しておくことが重要です。
Z世代に対するレッテル貼り
「Z世代だから」といったレッテル貼りは、「Z世代」という属性でしか見ていない印象を与えてしまいます。
相手を個人として尊重するなら、こういった属性だけの見方は避ける必要があります。
短所やネガティブ要素だけでなく、強みや長所の指摘をする際にも「Z世代」といった発言は控えたほうがよいです。
叱責による育成
厳しい叱責やダメ出しをしてやる気を起こさせる育成法がありますが、Z世代には適していません。
従来の終身雇用制であればある程度効果が見込めたものの、転職へのハードルが低いZ世代にこの育成を行うと離職が増加してしまいます。
ただし、自己成長への意識は非常に高いため、適切な指導・指摘であれば受け入れられる可能性が高いです。
Z世代の育成では、「叱責」と「適切な指導・指摘」の違いを理解することが重要です。
偏った外発的動機付け
給与や賞与、昇格などの外発的動機付けばかりしてしまうと、Z世代の効果的な育成は難しくなります。
横のつながりを重視し、競争を好まないZ世代は、自己成長ややりがいを大切だと感じています。
そのため、指導の際は内発的動機付けを意識するのがおすすめです。
連絡の放置
SNSでコミュニケーションをとることが日常のZ世代は、承認欲求が強い傾向があります。
連絡をもらったら放置せず、回答や承認・フォローを迅速に行うことが大切です。
現実主義的な一面もあるため、放置・放任によって企業や自身のキャリア形成への不安が生じると、早期離職につながる可能性があります。
まとめ
デジタル環境に囲まれて育ち、多様性が身についているZ世代。彼らに対して、従来のような育成方法では効果的に働きかけるのが難しいと言えます。
そのため、Z世代を理解し、彼らの価値観に合った育て方を検討することが重要です。
今回紹介したポイントやNG例を参考にして、Z世代を適切に育成しましょう。