「社員の定着率を上げるにはどうすればよいだろうか」
「リテンションを自社で活用するにはどのような方法があるだろう」
近年、社員のリテンションに注力する企業が増えています。
ビジネスにおいて、リテンションは「人材の確保と維持」を意味します。
リテンションが注目される背景には、雇用状況の悪化や転職希望者数の増加、副業の自由化などが挙げられます。
人材不足が深刻化しているなかで企業はどのような対策を講じる必要があるでしょうか。
本記事では、リテンションに取り組むメリットと対策について解説します。
そもそもリテンションとは?
リテンション(retention)とは、「維持、保持」を意味する英単語です。
ビジネスにおいては、優秀な人材の流出を防ぐための施策のことを指します。
人材の流出を防げれば、必然的に定着率も上がるため、リテンションは「定着率を高めるための取り組み」ともいえるかもしれません。
リテンション対策の中で、代表的なものは以下の通りです。
- 給与・福利厚生などの待遇改善
- 社内コミュニケーションの活性化
- 能力開発の促進
定着率を下げている要因を正しく見極めたうえで、最適なリテンション対策を選ぶようにしましょう。
リテンションに取り組む3つのメリット
リテンションに取り組むメリットは以下の3つです。
- ノウハウを蓄積できる
- 優秀な人材を確保できる
- 長期的な事業戦略ができる
それぞれの理由を以下で解説します。
ノウハウを蓄積できる
リテンションに取り組み定着率が上がるということは、社内にノウハウを蓄積できるということです。
社員が退職すると、社内の技術やノウハウが社外へ流出してしまうリスクもあります。
リテンション対策することで社員が自社にとどまれば、ノウハウの流出を防ぐことが可能です。
結果的に、自社の強みを保ち続けることにつながります。
優秀な人材を確保できる
定着率の高い会社は、ポジティブなイメージを持たれやすく対外的な印象が良くなります。
それに伴い、社外から優秀な人材が集まってくる可能性も高まるでしょう。
また、採用・育成コストの面においても、メリットがあります。
リテンション対策によって社員の定着率が上がれば、新たに人材を雇う必要がなくなるため、採用コストが下がります。
さらに、新しい人材を育成するためのコストを抑えることも可能です。
長期的な事業戦略ができる
リテンションに取り組むことにより優秀な人材を確保できる状態が続けば、企業のビジョンに基づいた長期的な事業戦略を立てることもできます。
また、事業の進行中に担当者が変更になるといった事態も起こりにくくなるので、対外的に見ても企業への信頼に繋がるでしょう。
定着率を上げるためのリテンション対策とは?
定着率を上げるために企業が取り組むべきリテンション対策としては、以下の3つが挙げられます。
- ワーク・ライフ・バランスへの取り組み
- コミュニケーションの活性化
- 研修制度の整備
それぞれ取り組むべき理由と具体例について解説していきます。
ワーク・ライフ・バランスへの取り組み
残業が多すぎることや有給が取得しづらいといった不満は、定着率を下げる大きな原因となっています。
内閣府の「平成30年度版 子供・若者白書」では、「就労等に関する若者の意識」という特集が組まれています。
※参考:内閣府 平成30年版 子供・若者白書| 特集 就労等に関する若者の意識
この特集の「仕事選択に際して重要視する観点」において、平成29年度と平成23年度に内閣府が行ったアンケート調査が比較されています。
平成29年度の調査で「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」と答えた人の割合は63.7%にのぼるのに対して、平成23年度の調査では「52.9%」でした。
この調査結果から考えると、「ワーク・ライフ・バランスを意識する人は増えている」といえるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスを支援する具体的な対策としては、
- 残業時間の管理・削減
- 有休取得の励行
- 産休・育休を取得しやすい風土を作る
- 在宅勤務やフレックスタイム制度を設ける
などの取り組みが有効です。
コミュニケーションの活性化
社員同士、上司・部下との関係で何かしらのコミュニケーションに不満を抱えている人は意外に多くいます。
人間関係を理由に離職に踏み切る人が多いことからも、社内コミュニケーションを活性化することは重要です。
具体的には、定期的なレクリエーションや懇親会の開催、1on1面談、メンター制度の活用など、多くの方法があります。自社に合った方法を取り入れてみましょう。
研修制度の整備
向上心のある優秀な社員ほど成長を感じられない職場では、不安や不満が募り、離職につながることもあります。
そのため、会社が社員の能力向上の機会として、マネジメント研修やスキルアップ研修といった研修制度を導入していくことも重要な施策です。
社員が成長し続けられる環境を作ることが、定着率の向上につながります。
まとめ
人材不足が深刻化している現代において、リテンション対策は企業の存続と発展に関係する重要な取り組みといえるでしょう。
効果的なリテンション対策を行うことで、優秀な人材を確保し、企業の成長のために長期的な戦略を打ち立て実行に移すことができます。
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