2023.12.19
チームづくり
目次
越境学習の導入を検討する場合、「実際の越境学習にはどのようなものがあるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、越境学習についておさらいし、具体的な方法として6つの種類を紹介します。
越境学習の方法を把握しておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
越境学習とは、自分の所属企業や部署といった枠を超え、ふだんとは異なる環境で新しい知識やスキルを学ぶことです。
近年、中高年層のさらなる活躍と次世代リーダーの育成を目的として取り入れている企業も増えています。
越境学習では多様な視点を得られるため、個人の成長やキャリアの発展につながるのがメリットです。
ただし導入する際は、参加目的の明確化や自主的な参加の促進、実施後の振り返り、社内共有などのポイントを押さえておくことが重要です。
また、全員参加が難しかったり、成果を出すプレッシャーがあったりといった注意点も把握しておく必要があります。
越境学習には、外部の組織で活動を行う、本業以外の仕事をするなど様々な方法があります。
主な種類として挙げられるのは、下記の6つです。
それぞれ解説します。
異なる業界の人々が集まり、お互いの知識や経験、意見を共有する勉強会です。
ここでは、ただ勉強するだけでなく、異業種間でのコラボレーションによって新しいアイデアや解決策が生まれる可能性があります。
また、人脈が広がるため、共同ビジネスへの発展も期待できます。
「プロボノ」とは、専門的なスキルや知識を生かし、NPOや地方自治体などで社会貢献活動を行うことです。
例えば、自分のマーケティングの知識を使って、市場調査やWebサイト制作をするのもプロボノの一つです。
また、プロジェクト管理のスキルによって、地域の活性化を目的としたイベントを企画することもプロボノといえます。
ビジネススクールや社会人向けの大学院では、現在の仕事に直結するような実践的知識・スキルが学べます。
これらの中には休日や平日夜間に開講しているところも多く、社会人でも通いやすいのが特徴です。
年齢・目的がそれぞれ異なる学生同士で交流することで、知見が広がり、多角的な視点が得られます。
本業とは違う分野での副業や兼業も、越境学習の一つになります。
副業・兼業を行うことで、もともと持っているスキルの向上や、新たな知識の獲得が可能です。
ただし、届出や許可が必要な場合もあるため、自社の就業規則を確認しておくことが大切です。
「ワーケーション」とは、ふだんの環境から離れたリゾート地や観光地でリモートワークを行うことです。
仕事と休暇を兼ね合わせたワーケーションを通じて、創造性が高まり、新たなビジネスアイデアが生まれやすくなります。
また、社員の有給休暇消化率が上がるなど、企業側にとってもメリットが大きいといえます。
グループ企業や子会社に異動する「出向」や、新興国を訪れて現地の課題を解消する「留職」も、越境学習ということができます。
他の組織や現地で一定期間働くことによって、新たな知見やスキルが得られるのはもちろん、自身のキャリアも豊かになるのがメリットです。
属している枠を超えて学ぶ越境学習では、異なる視点や知識・スキルが身につき、成長やキャリアの発展が見込めます。
社会貢献活動など外部の組織で活動を行う、副業や兼業のように本業以外に別の仕事をするなど、越境学習には様々な方法があります。
また、自主的にビジネススクールや社会人向け大学院に通う、ワーケーションとして仕事をする、といった方法もおすすめです。
企業側からは、出向や留職という形で越境学習を推進する方法もあります。
越境学習の導入を検討する場合、ぜひ今回紹介した6つの具体的な方法を参考にしてみてください。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2025.04.08
モンスター社員とはどのような人?増加する背景や特徴について紹介!
チームづくり近年、会社が直面する深刻な課題として「モンスター社員」の問題が注目されています。 職場の秩序を乱し、業務効率を低下させるモンスター社員は、なぜ増加しているのでしょうか。 今回は、モンスター社員の概要や増加する背景を解説し、特徴についても紹介します。 健全な職場環境を守るための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。 モンスター社員とは 「モンスター社員」とは、職場において著しく問題のある言動や態度を示す社員を指す表現です。 一般的な職場のルールや社会的規範から大きく逸脱した行動をとり、周囲に重大な不利益をもたらすことから、「問題社員」と呼ぶ場合もあります。 モンスター社員の存在は、一時的な不調や能力不足とは本質的に異なる問題です。 彼らが引き起こす混乱や対立は、職場の雰囲気を悪化させるだけでなく、業務効率の低下、他の従業員のやる気低下、さらには顧客との関係悪化など、全体にわたって深刻な影響をもたらします。 そのため、モンスター社員の問題は見過ごすことのできない経営課題となっています。 モンスター社員への適切な対応や管理は、健全な職場環境を維持し、会社の生産性を守るために不可欠な要素となっているのです。 モンスター社員が増加する背景 モンスター社員の増加には、現代社会特有の要因が背景となっています。 まず、インターネットの普及によって誰でも労働関連の情報にアクセスできるようになりました。 この状況は本来労働者の権利保護に有益ですが、一部の社員は断片的な情報を都合よく解釈し、「権利」を盾に不当な要求や反抗的態度を正当化することがあります。 法律の専門家ではない管理者はこれらの主張が正当なのか判断できず、対応に苦慮するケースが増えているのです。 また、近年「ハラスメント」という言葉に対する誤解が広がっています。 「受け手が不快に感じればハラスメントである」という誤った解釈により、モンスター社員は正当な業務指導に対しても「パワハラだ」と主張しがちです。 実際には、厚生労働省の指針でも業務上必要な指導はパワーハラスメントに該当しないと明示されています。 さらに、メンタルヘルスの問題も影響しており、問題行動の背景に精神的な不調があるだけでなく、医療機関への受診をすすめても拒否するケースなど、適切な対応が難しくなっています。 これらの背景が複雑に絡み合い、「モンスター社員問題」を深刻化させているのです。 モンスター社員の特徴 モンスター社員に対応するには、彼らに共通する心理や行動パターンを理解することが重要です。 ここでは、モンスター社員に見られる主な3つの特徴を取り上げて解説します。 自己中心的な思考と想像力の欠如 モンスター社員の大きな特徴は、自分の利益や考えにのみ関心を持ち、他者への配慮が著しく欠如している点です。 彼らは自分の判断や価値観に強いこだわりを持つ一方、自分と直接関係のないことには無関心な態度を示します。 そのため、職場で問題が発生しても、相手の立場を考慮したり譲歩したりする柔軟性がなく、小さな対立が大きな紛争へと発展することがあります。 こうした自己中心性について、本人たちは「自己決定・自己責任」という現代的な価値観だと正当化する傾向がありますが、実際は自己中心的な思考の表れです。 また、自分の行動が職場全体にどのような影響を与えるか想像する能力が乏しく、「私のやり方で問題ない」という姿勢を崩しません。 このようなタイプの社員には、問題が発生するたびにルールを明確に伝え、勤務時間中は個人の価値観よりも職場のルールが優先されることを継続的に教育する必要があります。 現実とかけ離れた自己評価 モンスター社員のもう一つの特徴は、自己評価と実際の能力・成果がかけ離れている点です。 会社からの評価が低いにもかかわらず、「自分は正しい」「十分に仕事ができている」という強固な自己認識を持っており、上司からの指導や同僚からのアドバイスを受け入れられない傾向があります。 また、自分の能力を過信するあまり、スキル向上のための地道な努力を無意味だと考え、成長の機会を自ら放棄してしまうことも少なくありません。 このような思い込みの強い社員に対しては、定期的な評価面談だけでなく、日常的な業務の中でも具体的な問題点と改善策を明確に伝え続けることが重要です。 会社に対する低い評価 モンスター社員の多くは、所属している会社に対して低い評価をしがちです。 「ここは自分の本当の能力を活かせる場所ではない」という意識が常にあり、会社のビジョンや目標に共感することができません。 こういった会社への低評価は、自分の意に沿わない業務やルールに対して強い拒否反応を示す原因となります。 小さな不満でも「不当な扱い」と受け止めるため、最終的には「どうせこんな会社」といった開き直りから、ルール違反や問題行動が常態化してしまうケースも珍しくないのです。 こうした社員に対しては、会社の価値観や方針をていねいに説明し、その意義を理解してもらう努力が必要です。 まとめ モンスター社員の問題は、個人の性格や態度だけではなく、現代社会の複雑な要因が絡み合って生じている組織的な課題です。 彼らの自己中心的思考、非現実的な自己評価、会社への低評価という特徴を理解し、適切な対応を行う必要があります。 健全な職場環境を守るためにも、モンスター社員について把握し、会社全体として取り組んでみてはいかがでしょうか。
2025.07.08
レディネスを活用するシーンは?取り入れる際のポイントや具体的な方法も紹介
チームづくり準備状態を整える意味を持つ「レディネス」は、人材育成の効果を最大化するために注目されている概念の一つです。 しかし、レディネスを具体的にどのようなシーンに取り入れ、どうやって活用すればいいのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、レディネスの活用シーンを紹介し、取り入れる際のポイントや具体的な方法についても解説します。 ぜひ、参考にしてみてください。 レディネスの活用シーン レディネスは現代のビジネス環境において、さまざまな場面で効果的に活用されています。 学生の段階では、インターンシップを通じて実際の職場環境を体験することで、将来の就業に向けた心構えと準備意識を高められます。 また企業内においては、社員のキャリア形成をサポートする複数の仕組みの中で使われる場合が多いです。 たとえば企業内研修では、スキル習得を超えて経営体質強化に直結する内容を通じ、社員の成長への準備状態を整えます。 メンター制度では、経験豊富な先輩が後輩の成長をサポートし、従来の師弟関係に代わる新しい人材育成の形として機能しています。 さらに、組織の枠を超えた学習機会も重要な活用場面の一つです。 越境学習では、異なる環境での経験を通じて新たな気づきを得て、自分の可能性を広げる準備を行います。 社会人大学や海外留学といった継続的な学習機会も、専門性の向上やグローバル人材としての成長に向けた重要な準備段階として位置づけられ、個人のキャリア発展に寄与しています。 レディネスを取り入れる際のポイント レディネスを取り入れる際は、下記の2つのポイントを押さえておくことが重要です。 コミュニケーションを適切に行う 継続的なサポート体制を構築する それぞれ解説します。 コミュニケーションを適切に行う レディネスの活用において、質の高いコミュニケーションは欠かせません。 社員の将来への希望やキャリアビジョンについて、オープンで建設的な話し合いができる関係性を築くことが重要になります。 厚生労働省のデータでも示されているように、働き方の展望やキャリア形成について十分な意思疎通が図れている組織では、人材の定着率が著しく向上することが確認されています。 社員が「自分の描く将来像について理解してもらえている」「適切な指導や助言を受けられている」と感じられる環境を整えることで、組織への帰属意識も高まります。 継続的なサポート体制を構築する レディネスを活用するためには、一時的な取り組みではなく、継続的なサポート体制の構築が必要です。 社員が気軽に相談や質問ができる雰囲気を醸成し、定期的な面談などの日常的にフォローアップを行える体制を整えることが求められます。 このようなサポート環境が整っていると、社員は「理想とする姿に到達するために必要なスキルは何か」「現在の自分に不足している要素は何か」といった課題を明確に把握できるようになります。 レディネス向上のための具体的な方法 レディネス向上のために実践できる具体的な方法は、下記の3つです。 意義・目的を明確にする 準備の環境や機会を提供する 適切なサポートとフィードバックを行う それぞれ解説します。 意義・目的を明確にする レディネス向上の第一歩として、はじめに成長や学習の意義を明確に伝えます。 「なぜこのスキルが必要なのか」「習得することで個人や組織にどのような価値をもたらすのか」を具体的に説明し、学習への関心と関連性を高めることが重要です。 特に、個人の将来ビジョンと現在の取り組みを関連付けて、強い目的意識を醸成するのがおすすめです。 準備の環境や機会を提供する レディネスを高めるためには、個人のニーズや課題を把握し、成長に向けて準備できる環境と機会を提供することが不可欠です。 具体的には、現状把握のためのアセスメントの実施、必要なスキルや知識を身につけるための学習リソースの提供、実践的な経験を積める機会の創出などが挙げられます。 また、越境学習やメンター制度など、さまざまな学習形態を組み合わせることで、個人の特性や状況に適した成長環境を整備できます。 適切なサポートとフィードバックを行う レディネスの向上は一時的な取り組みではなく、継続的なプロセスとして捉える必要があります。 成長過程を定期的に確認し、適切なサポートとフィードバックを提供することで、学習への意欲と自信の維持・向上が可能です。 効果的なサポートには、学んだ内容を実践できる場の提供、定期的な振り返り、成果に対する適切な評価などが含まれます。 特に、ポジティブなフィードバックは、自信向上と次の学習への意欲につながります。 また、課題や困難に直面した際の具体的なアドバイスも、継続的な成長の促進に必要です。 このような継続的なサポート体制は、レディネス向上だけでなく、将来の学習機会に対する前向きな姿勢を育成することにも役立ちます。 まとめ レディネスは、インターンシップや企業内研修、メンター制度など幅広いシーンで活用できる概念です。 効果的に取り入れるためには、質の高いコミュニケーション、継続的なサポート体制、そして学習の意義明確化や適切なフィードバックがポイントとなります。 ぜひ、今回の記事を参考にして、人材育成戦略にレディネスの導入を検討してみることをおすすめします。
2024.10.15
人材育成に効果的な「スモールステップ」とは?概要や原理、取り入れるメリットを紹介!
チームづくり人材育成や部下育成がうまくいかず、何かいい方法がないか知りたいという方も多いのではないでしょうか。 その場合、目標を細かく分けて達成していく「スモールステップ」を取り入れるのがおすすめです。 そこで今回は、スモールステップの概要や原理、メリットを紹介します。 人材育成について悩んでいる担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。 スモールステップの概要 教育分野で活用されていたスモールステップは、現在では大きな目標を達成するための効果的な方法としてさまざまな領域で広く応用されています。 スモールステップの基本的な考え方は、最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細分化し、それぞれの小さな目標を一つずつ達成していくことです。 これにより、長期的で困難な目標も、より管理しやすく達成可能なものとなります。 スモールステップの特徴は、目標達成への道のりを明確にし、各段階での成功体験を積み重ねることができる点です。 小さな成功を重ねることで、自信ややる気が高まり、最終的な目標達成への意欲が維持されます。 また、高すぎる目標設定によるプレッシャーや挫折感を軽減し、着実に前進する感覚を得られることもポイントです。 たとえば、「外国語を習得する」という目標の場合、まずは「毎日5分間その言語を聞く」ことから始め、習慣化されたら「簡単な単語を5つ覚える」というステップに進みます。 さらに「短い文章を作る」「ネイティブな人と短い会話をする」と徐々にレベルアップしていきます。 このように段階的に取り組むことで、最終的な目標である「外国語の習得」がより現実的なものとなり、着実に進歩を感じられるのです。 スモールステップの原理 スモールステップの原理は、アメリカの心理学者バラス・スキナーが提唱した「プログラム学習」にあります。 この原理では、学習過程を細かな段階に分割して学習者が経験する失敗を最小限に抑え、着実な進歩を促すことを目的としています。 各ステップの難易度を徐々に上げていくため、学習意欲を維持しながら複雑な行動や知識の習得が可能です。 このようなスモールステップの原理は、失敗による挫折を防ぎつつ、継続的な成功体験を通じて自信を築き、目標達成への道筋を明確にする効果的な方法論として評価されています。 スモールステップを人材育成に取り入れるメリット スモールステップは、ビジネスにも応用可能な柔軟性の高い手法です。 特に人材育成に取り入れる場合、次のようなメリットがあります。 目標達成の意欲を維持できる 業務に対する洞察力が高まる 指導を行いやすくなる それぞれ解説します。 目標達成の意欲を維持できる スモールステップの大きなメリットは、目標達成への意欲を長期間維持できることです。 大きな目標を掲げると、時に途方もなく感じられて意欲を削がれる場合があります。 そこでスモールステップを用いれば、小さな目標に注力することで着実に前進できます。 また、目標を小分けにするため各段階の難度が下がり、失敗の可能性が減少します。 頻繁な成功体験が得られて、さらなる動機付けとなるのもポイントです。 個々の社員が仕事への意欲を保つことでチーム全体の効率性が向上し、生産性の増大につながると考えられます。 業務に対する洞察力が高まる スモールステップのメリットの一つは、業務に対する洞察力が高まる点です。 小さな目標に焦点を当てることで、社員は自分の長所だけでなく、改善が必要な領域も明確に認識できるようになります。 さらに、最終目標の達成を妨げる可能性がある問題を早期に特定できます。 一見遠回りに思えるかもしれませんが、実際には潜在的な障害を事前に発見し、迅速に対処することができるため、より効率的で確実な目標達成が可能です。 指導を行いやすくなる スモールステップは、管理職にとっても大きなメリットをもたらす手法です。 目標を細分化することで、上司は部下の進捗を頻繁に、かつ具体的に確認できるようになり、タイムリーで的確なフィードバックが可能となります。 また、各ステップでの成果を観察することで強みと弱みを正確に理解し、個々のニーズに合わせた指導が行えます。 部下の成長を目に見える形で確認できるため、上司自身の自信にもつながりやすいです。 まとめ 目標を小さな段階に分割するスモールステップは、人材育成において非常に効果的な手法です。 目標達成への道筋を明確にし、成功体験を積み重ねることで自信を育みます。 また、業務に対する洞察力を高め、問題の早期発見と解決を可能にします。 上司にとっても、より的確な指導と評価ができるようになるため、組織全体の成長と効率性の向上につながるのがメリットです。 人材育成を行う場合、スモールステップの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。