2023.05.16
チームづくり
自社の経営強化のため、「価値協創ガイダンス」の活用に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
価値協創ガイダンスは、経済産業省が作成した手引で、経営戦略やガバナンスなどを投資家に分かりやすく伝える場合に役立ちます。
ただし、効果的に活用するには詳細を把握しておくことが重要です。
今回の記事では、価値協創ガイダンスの概要や策定の背景・目的、活用方法などについて詳しく解説します。
「価値協創ガイダンス」とは、投資に必要な情報開示や投資家との対話の質を高めるために経済産業省が作成した手引のことです。
企業と投資家間をつなぐ「共通言語」として、企業から投資家に伝えるべき情報が体系的・統合的に整理されている内容となっています。
企業は、価値協創ガイダンスの各項目から必要なものを選択し、自社のビジネスモデルや戦略に活用することが可能です。
価値協創ガイダンスは、2014年に公表された「伊藤レポート1.0」に始まる日本経済活性化に向けた研究や提言の取り組みの中で作成され、2017年5月に公表されました。
価値協創ガイダンスが作成された背景として、日本企業が長期にわたって業績低迷している状況が挙げられます。
経済産業省は、2014年、この状況を問題視し、打破するため「伊藤レポート1.0」で提言を行いました。
この中では、従来の慣習に捉われない企業収益体質の改善と、それを促進する企業と投資家との対話が重視されています。
また、2016年8月には「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」が発足され、企業は重要な無形資産(人材・知的財産・ブランド等)への投資を、また投資家は非財務情報をもとにしたESG投資を行うことの重要性が示されました。
こういった流れの中で、企業と投資家が価値を協創し、お互いの共通認識を作ることを目的に、「質の高い情報開示」「質の高い対話」を実現するためのフレームワーク「価値協創ガイダンス」が策定されたのです。
価値協創ガイダンスは、企業を取り巻くビジネス環境や世界市場などの大きな変化に伴い、2022年8月に「価値協創ガイダンス2.0」へと改訂されています。
改訂の大きな理由として、世界的に注目されている「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」の必要性が挙げられます。
サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とは、社会のサステナビリティ(持続可能性)と企業のサステナビリティを「同期化」させ、そのために必要な経営・事業を変革(トランスフォーメーション)することです。
つまり、収益の安定と、持続可能な社会実現に向けた「ESG(環境、社会、ガバナンス)投資」を両立する企業経営への変革を意味しています。
SXが注目されたのは、経済産業省による「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」が2020年8月に公表した「中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~」がきっかけです。
この中において「稼ぐ力を維持しながら持続的に企業価値を向上させるには、経営のあり方や投資家との関係を変革する必要がある」とされており、SXの重要性が強調されています。
参考:「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会 中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~」 | 経済産業省
価値協創ガイダンスは、さまざまな方法で活用することが可能です。
企業側の活用方法として挙げられるのは、主に下記の3つです。
また、投資家側が活用できる方法は次の通りです。
企業側・投資家側それぞれが活用することで、相乗効果が得られます。
「価値協創ガイダンス」は、投資に必要な情報開示や投資家との対話の質を向上させる手引です。
日本企業の長期にわたる業績低迷を背景に、企業と投資家が価値を協創し、お互いの共通認識を作ることを目的として作成されました。
現在、「価値協創ガイダンス2.0」へと改訂されており、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)が重視されている点が特徴です。
企業で効果的に活用する場合、情報開示している項目を確認したり、情報開示していない項目をもとに経営方針を検討したりといった方法があります。
今回の記事を参考に、「価値協創ガイダンス」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2024.12.24
人材マネジメントとは?概要や必要な背景、行うメリットを紹介
チームづくり近年、市場環境の急速な変化に伴い、人的資源の有効活用が企業の持続的成長には欠かせません。 そのための体系的アプローチとして、「人材マネジメント」が注目を集めています。 今回は、人材マネジメントについての概要や必要な背景を解説し、人材マネジメントを行うメリットも紹介します。 人材不足や適材適所への配置、人材育成に悩んでおり、人材マネジメントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 人材マネジメントの概要 企業が成長を遂げるには、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出しながら活用する「人材マネジメント」が不可欠です。 人材マネジメントとは、組織のビジョン達成に向けて人材の管理・活用をする戦略的な取り組みを指します。 採用から育成、評価、報酬に至る一連のプロセスを体系的に運用することで、組織全体の生産性向上や課題解決を図ります。 人材マネジメントを構成するのは、次の6つの要素です。 採用 育成 評価 処遇 配置 休職・復職 これら6つの要素は相互に連携しており、継続的な見直しと改善を行う必要があります。 また、人材マネジメントについては、「人事労務」との違いを押さえておくことが重要です。 前者は従業員の成長とパフォーマンス向上に焦点を当て、後者は労働環境の整備や法令順守を重視します。 給与計算や各種手続き、就業規則の管理といった実務は人事労務にあたり、これらが適切に機能することで人材マネジメントの基盤が形成されます。 人材マネジメントが必要な背景 人材マネジメントが必要な背景として挙げられるのは、次の2つです。 人材不足の深刻化 多様な働き方への対応 それぞれ解説します。 人材不足の深刻化 少子高齢化の進行によって、2030年には644万人の人材が不足すると予測されています。 そのため、限られた人材リソースを最大限に活用することが企業の重要課題の一つです。 従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出して組織全体のパフォーマンスを向上させるために、戦略的な人材マネジメントの必要性が高まっているといえます。 多様な働き方への対応 働き方改革の推進に伴って労働基準法が改正され、労働時間管理の厳格化や有休の確実な消化、フレックスタイム制の拡充など、働き方の多様化に向けた取り組みが始まっています。 しかし、労働時間の削減などには一定の成果が見られる一方で、生産性向上を実感できている企業はあまり増えていないという結果が出ています。 このギャップを埋めるため、柔軟な働き方と高い生産性を両立させる新しい人材マネジメントの仕組みが求められているのです。 人材マネジメントを行うメリット 人材マネジメントを行う主なメリットは、次の2つです。 組織力の向上 従業員エンゲージメントの向上 それぞれ解説します。 組織力の向上 人材マネジメントの大きなメリットは、業務効率や生産性が上がることです。 適材適所な人員配置が実現するため、各従業員の強みを活かした組織運営が可能になります。 また、体系的な人材育成によって組織全体の専門性と業務品質が向上し、競争力の強化にもつながります。 企業の評判を高め、優秀な人材の採用がスムーズになるといった好循環を生み出すことも利点の一つです。 従業員エンゲージメントの向上 適切な人材マネジメントを行うと、従業員の仕事への意欲が高まります。 その結果、組織への帰属意識が高まりやすくなったり、創造的な提案や業務改善につながったりします。 さらに、働きやすい職場環境を整備することで定着率が上がり、知識やノウハウが蓄積するのもメリットです。 まとめ 人材マネジメントは、組織のビジョン達成に向けて人材の管理・活用をする戦略的アプローチです。 適切な人材マネジメントの実践は、組織力の向上と従業員エンゲージメントの向上をもたらし、企業の競争力強化につながります。 自社の課題や目標に合わせた人材マネジメントの導入を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
2022.11.24
自己成長とチームワークはどっちが先なのか?
チームづくり強いチームを作るということにエネルギーを注ぎ始めて約3年が経ちます。 学術的なものから体感的なものまで様々な理論やメソッドなどを学び、試行錯誤しながら提供してきました。 その中で、私たちが実施しているワンネス経営という研修アプローチが効果的であったことが大半ですが、残念ながら明らかに効果が低かったという体験もしています。 もちろん、私たちの力不足もあるのですが、受ける側のレベルも相当に関係性が深いと感じています。 今回は、強いチームづくりにおいて研修が効果を発揮する実施タイミングについてお伝えします。 大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。 投稿一覧へ タックマンモデルは本当なのか? チームビルディングといえば、タックマンモデルの5つのステージというぐらいよく出てきますが、中小企業においてのチームづくりは本当にこの成長モデルに当てはまるのか?と疑問でした。 そもそもタックマンモデルってなに?という方のために簡単に解説します。 1.形成期 チームが形成される お互いに理解もなく探り探りの状態。目的目標も不明確。 2.混乱期 ぶつかり合う チームの目標や各自の役割・責任について混乱や意見の対立が起こる。 これを避けるといいチームにならないと言われている。 3.統一期 同じ方向を向く 共通の規範が形成される。相互理解が行われる。 4.機能期 成果を出す お互いに機能してチームとして成果を出す。 5.散会期 チームの終結 目標達成やプロジェクト完了によってチームが解散する。 という流れです。 一見すると、ほうほう、なるほど、確かに。とうなづいてしまいます。 さすが、よく考えられているな。と。 確かに1965年に確立された理論ですから、本質を突いて汎用性が高いからずっと用いられるんだ。と受け取ることができます。 しかし、いや、いつまで旧時代の理論に合わせていくのよ。という見方もできます。 私はどちらかというと後者です。 というか、そもそも、中小企業でこんな風に「チーム作りましょう!」さあプロジェクトスタート!で、よし!完了!みんなお疲れ様、解散!みたいなことある?って話です。 本当はどうなの? イベント屋さんとか制作系の仕事をしていると確かにそのような仕事の進め方がありますが、それでいちいち混乱期にみんながぶつかり合い、、みたいなことやってたら何にも進みません。 実際は、部署部門という数人の集団があって、そこに新人が来るなり、異動した人が来るなり、そこからどう馴染むか?みたいな話であって、都度このフェーズを追っていくわけではないと思うのです。 どちらかというと、日々それなりに機能はしている。 しかし、何かモヤモヤした感情がある。 それは遠慮したり、どこまで踏み込んで言っていいものか分からなかったり、相手にも事情があるだろうと察してみたり。 結果、効果と効率をまっすぐ追いかけるのではなく、どこかで人間関係を壊さないようにということが最優先事項になっていて、仕事そのものに面白みは感じない、だからこそ、仕事に生活費を稼ぐ以上のことはそこまで望まない。 みたいなことになるのです。 それなのに経営者は、「ここで働いてよかった」と思って欲しいとか、「どうせ働くなら生き生きと働いてほしい」という欲求があり、チームワークを良くしたい!と思ってしまう。 そこで、気づかないといけないのは 自己成長のないチームビルディングは無に等しい。 ということです。 野球で例えると、どれだけダブルプレーの動きを互いに練習しても、肩が弱くてボールが届かなかったらなんの意味もないということです。 あらゆる仕事で同じことが言えます。 個人の自己成長を抜きにして、お互いの理解を深めてもなんの意味もありません。 まずは自己成長、自己鍛錬にフォーカスして、まっすぐ仕事に向き合う状態になってからチームビルディングしていくことが大切です。 まとめ このプロ意識と心理的安全性のマトリックスはわかりやすく重宝しています。 負け犬グループは問題外だとして、まずはきついチームになって、そこで研修などで互いの理解が深まることが企業の成長としては健全であり強いチームになっていく可能性が高いと言えます。 逆に今、仲良しグループの場合は各人に個々の成長を求める必要があります。 ここで高い確率で混乱期を迎えることでしょう。 ここを乗り切るために事前の研修は有効だと思います。 ただし、痛みは伴うので相応の覚悟が必要だと言えます。 現在の自社のチームがどの状態にあるのか?をしっかりと見極め適切なアプローチを選択していきましょう。
2024.12.03
部下を成長させる褒め方・叱り方とは?NG例も紹介
チームづくりビジネスでの指導スタイルは大きく変化しており、かつての「厳しい叱責」や「成果は当然」という考え方から、部下の成長とモチベーションを重視する時代へと移り変わりました。 そのような状況の中、部下に対する褒め方や𠮟り方に悩んでいる管理職や中堅社員も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、部下の能力を最大限に引き出し、自発的な成長を促すための効果的な「褒め方」と「叱り方」について解説し、NG例も紹介します。 部下が成長できるような褒め方や叱り方が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 部下を成長させる褒め方とは 部下を成長させる褒め方には、次のようなポイントがあります。 その場で迅速に褒める 具体的に言及する 他のメンバーの前で褒める それぞれ解説します。 その場で迅速に褒める 部下の良い行動や成果が見られた時は、その場ですぐに褒めることが重要です。 タイミングを逃さず褒めることで、どの行動が評価されているのかが明確に伝わり、その経験が部下の記憶に深く刻まれます。 これにより、望ましい行動の定着と継続的な成長の促進が期待できます。 具体的に言及する 単なる「良かった」という抽象的な褒め方ではなく、どの部分がどのように優れていたのかを具体的に伝えると効果的です。 たとえばプレゼンテーションであれば、「参加者の反応を見ながら話すスピードを調整し、複雑な内容をわかりやすく説明できていた」「質疑応答での受け答えが的確で、相手の不安を解消できていた」など、具体的に言及する必要があります。 そうすることで、部下は自分の強みを理解し、さらなる成長への意欲を高められます。 他のメンバーの前で褒める チームメンバーが集まるミーティングなどでの褒め言葉は、褒められた本人の自信を高めるだけでなく、他のメンバーへの良い刺激にもなります。 ただし、これを効果的に機能させるためには、日頃から褒め合える文化を醸成し、チーム全体で前向きな雰囲気を作っておくことが大切です。 また、妬みや不和を生まないよう、公平な評価と承認の姿勢を保つ必要があります。 部下を成長させる叱り方とは 一方、部下を成長させる𠮟り方のポイントは、下記のとおりです。 冷静な状況把握から始める 感情を適切に伝える 具体的なアクションプランを共有する それぞれ解説します。 冷静な状況把握から始める 叱るときに重要なのは、起こった出来事を客観的な事実として捉えることです。 たとえば、商談資料に数値の誤りがあった場合、「ミスが多いのは、仕事に対する意識が低いからだ」といった主観的な解釈は避け、「資料の数値に誤りがあった」という事実のみを確認します。 この冷静な状況把握が、建設的な指導の第一歩となります。 感情を適切に伝える 事実を確認した後は、その出来事に対する自身の感情を適切に伝えることで、相手の理解と共感を促します。 たとえば、部下が重要な会議に遅刻してしまったとき、「これまで時間管理がしっかりしていたあなたが遅刻したことに驚き、とても残念に感じた」といったように伝えるのがおすすめです。 怒りの感情をそのまま相手にぶつけると、逆効果になりかねません。 その根源である落胆や驚き、悲しみというような二次的な感情を伝えることで納得されやすくなります。 具体的なアクションプランを共有する 状況の共有と感情の理解が図れたら、今後の具体的な改善方法を示します。 遅刻の例でいうと、「会議開始の10分前には会場に到着する」「前日までに資料の最終確認を済ませ、当日の準備時間にゆとりを持たせる」など、明確な数値や手順をアドバイスするとよいです。 この場合、抽象的な指示ではなく、具体的なアクションプランを共有することで確実な改善につながります。 褒め方・𠮟り方のNG例 ここからは、褒め方・𠮟り方のNG例を取り上げて解説します。 褒め方のNG例 褒め方において、形式的な対応と不誠実な態度は信頼関係を損なう大きな要因となります。 パソコン作業をしながらの投げやりな「いつも頑張ってるね」や「先月より成績が上がってるよ」といった抽象的な言葉では、本当の評価が伝わりません。 また、「〇〇さんより君の方が優秀だよ」という比較を含む褒め方は、チーム内に不和を生む可能性があります。 さらに、「私が若い頃は...」と自分の経験を織り交ぜながら褒めてしまうと、相手の達成感を損ねてしまうため、注意が必要です。 褒めるときは、具体的な成果や行動を示し、心からの感謝と評価を伝えることが重要です。 叱り方のNG例 叱り方で避けるべきは、感情的な対応と建設的でない指摘です。 会議での厳しい指摘や「こんなこともできないのか」という人格を否定する言葉は、相手の自尊心を著しく傷つけ、周囲の意欲も低下させます。 「前回と同じミスを繰り返すな」と過去を蒸し返すことや、「もっとちゃんとやれ」といった抽象的な指示は具体的な改善につながりません。 叱るときは、冷静に事実を確認し、明確な改善策を示して相手の成長を促すことが大切です。 まとめ 適切な褒め方と叱り方は、部下の成長と企業全体の発展に大きな影響を与えます。 褒める際は、具体的な成果を即座に評価し、心からの感謝を込めて伝えることが重要です。 一方、叱る場面では、感情的にならず、事実に基づいた建設的な改善提案を心がけるとよいでしょう。 ぜひ、適切な褒め方と叱り方を意識してみることをおすすめします。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。