2022.08.23
チームづくり
目次
「毎年、夏季休暇後に不調を訴える社員が多い」
「9月になると生産性が下がる傾向がある」
このように、今の時期ならではの悩みを抱える方も多いかもしれません。
最近では、「5月病」と同じように大型連休明けの9月に心身の調子を崩すことを指して「9月病」という言葉が聞かれるようになってきました。
リモートワークの導入などで働き方が変化し、社員の状況を知る機会が減少する中、いわゆる9月病への対応が急がれるところです。
今回の記事では、9月病とはどのようなものなのか、またその対策についても詳しく解説します。
9月病は元来、夏に休暇を長めにとる欧米で起こるものとされており、休み明けに心身の不調が出て仕事にうまく復帰できなくなる状態を指します。
日本でも、9月は夏休みが終わって学校や仕事が再始動する時期ですが、夏の暑さで体力を消耗してきたことに加え、9月ならではの気候の変化によって身体がだるく疲れやすくなりがちです。また、夏休みモードからの切り替えが難しくバランスを崩しやすい時期でもあります。
そして、これらが大きなストレスとなって心身の調子が崩れてしまった状態を9月病と呼んでいます。
とくにここ数年は四季の移り変わりがはっきりせず、寒暖差が急激だと感じることが多いのではないでしょうか。猛烈な暑さによる疲れが、少し涼しくなった頃に出てくる傾向があります。
また、9月後半からは日照時間が短くなる時期に入り、それによってうつと関係しているセロトニンや睡眠と関係しているメラトニンといった神経伝達物質が減少すると言われます。
うつなどにつながる脳の変化が起こりやすいため、9月は不安定になりがちな注意すべき時期なのです。
9月病は医学用語ではありませんが、会社員にとっては仕事に支障が出るのはもちろん、病気の一歩手前ともいえるため、適切な対応が必要です。
なお、5月病については下記の記事にて公開しております。よろしければこちらの記事もご覧ください。
夏の連休明けの職場では、社員の様子をしっかり確認します。
その上で、以下のような「いつもと違う」様子が感じられた場合、9月病の可能性があるかもしれません。
周囲が配慮し、このようなサインに気づいたら、まず「大丈夫?」と声をかけることが大切です。
その際、ミスの指摘や「頑張れ!」といった叱咤激励は逆効果になりかねません。睡眠はとれているか、きちんと食べているかといった基本的な生活習慣をさりげなく聞くだけにとどめておきましょう。
不眠や食欲不振など何らかの体調不良がある場合は、直属の上司や管理監督者と連携し、産業医や健康管理部門への相談を勧めます。
また、社員一人ひとりの意識を変えることも9月病への対応の一つです。
自分を客観的に見る習慣を身に付けて、重い不調につながる前に心身の調子をコントロールできるよう全員に心がけてもらいましょう。
とくに下記のような状態に注意が必要です。
これらの中でもとくに、やる気が出ない、集中できない、朝起きられないといった状態は、うつ病の初期症状に近い傾向があります。1~2週間続く場合は心療内科や精神科の受診も視野に入れましょう。
自分の心と体の声に耳を傾けながら季節の変化を乗り切ることが、9月病を重くさせないポイントだといえます。
それでは、そもそも9月病にならないためにはどのような対策をとればよいのでしょうか。
主な対策は以下の3つです。
それぞれ説明していきます。
生活習慣の中でもとくに重要なのが、睡眠の習慣です。規則正しい睡眠の習慣を身につけましょう。
夜更かしせず6~7時間の睡眠時間を必ず確保するように心がけ、寝る前はパソコンやスマートフォンの画面を見ない、食後すぐの就寝は控えるなどの配慮も大切になります。
9月は内臓も疲労する時期なので、刺激物はなるべく避け、消化の良い食品を中心にバランスのとれた食事を3食とるようにします。
中でも、肉や魚、大豆、バナナ、アボカドなど、セロトニンをつくるのに必要なアミノ酸を積極的にとることがポイントです。
デスクワークの人は、適度な運動を定期的に行うことが大切です。
積極的に歩く、階段を使うなど、特別なスポーツをしなくても日常生活にメリハリをつけて活動的に過ごすと良いでしょう。
会社の昼休みには外に出る、職場でできる簡単なストレッチをするなども効果的です。
夏休み明けに起こりやすい9月病は、会社員にとって身近なものになっています。
周りの社員に対してはもちろん、自分の心身の状態にも気を配る必要があります。 9月病について理解を深め、しっかり対策をとることで社員の健康と会社の生産性を維持していきましょう。
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事務局:スズキヒラク
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.08.15
デザイン思考を社内で実践するには?3つのポイントと役立つフレームワークを紹介!
チームづくり「デザイン思考」は、デザインの手法をもとにし、商品やサービスにおける本質的な課題をユーザー視点から見つける考え方です。 デザイン思考の導入を検討する場合、「どのように実践すればいいのか」「実践する際に役立つ方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。 デザイン思考を社内に浸透させるには、実際に取り組んでみることが重要です。 今回は、デザイン思考を社内で実践するためのポイントとフレームワークを紹介します。 デザイン思考を実践するためのヒントを探している場合、ぜひ参考にしてみてください。 デザイン思考を実践する3つのポイント デザイン思考は、下記の3つのポイントを押さえて実践することで社内に浸透しやすくなります。 デザイン思考の研修を実施する 社内ワークショップを実施する 実践を繰り返し行う それぞれ解説します。 デザイン思考の研修を実施する 近年では、デザイン思考の研修を行うケースが増えています。 この研修では、多くの場合、外部から講師を招いてデザイン思考のプロセスを座学で学びます。 理論的な知識を得ることで、受講者はデザイン思考の基本的なアプローチや手法について理解を深めることが可能です。 また、単なる理論のみで終わらせるのではなく、実践を重視した体験型のグループワーク研修も効果があります。 グループワークを通じて実際にデザイン思考を体験することで、より実践的なスキルが身に付けられます。 社内ワークショップを実施する デザイン思考を社内に浸透させるには、ワークショップを実施するのも効果的です。 社内のメンバーが、それぞれの時間を割いてワークショップを行うことで、デザイン思考をどのように取り入れるべきか実践的に学ぶことができます。 ワークショップは社員同士のコミュニケーションを促進する場でもあり、情報共有の強化や信頼関係の構築に有効です。 また、さまざまなアイデアが交わされる中で、チーム全体の創造性や共感力の向上にも期待できます。 実践を繰り返し行う デザイン思考を取り入れる上でもっとも重要なのが、現場で実践を繰り返し行うことです。 模擬訓練だけでは得られない経験と学びが、多くの実践を通じて得られます。 たとえば、実際のプロジェクトにデザイン思考を取り入れ、従来とは異なるアプローチで問題解決に挑戦すると良いです。 プロジェクトを数多く経験することで、より高い精度のアイデアを生み出せるようになるのはもちろん、プロトタイプを開発するスキルの向上にもつながります。 デザイン思考の実践に役立つフレームワーク デザイン思考の実践には、下記のフレームワークが役立ちます。 共感マップ(エンパシーマップ) 事業環境マップ ジョブマップ それぞれ解説します。 共感マップ(エンパシーマップ) 「共感マップ」は、ユーザーをより深く理解するのに役立つフレームワークです。 「エンパシーマップ」とも呼ばれ、マーケティング手法の一つとして活用されることも多いです。 共感マップでは、次の6つの視点からユーザーの感情や行動を整理し、状況を把握します。 見ているもの 聞いていること 考えていること 発言・行動 痛み・ストレス 望んでいること 各視点の分析・把握によって、真のユーザーニーズを探り出すことが可能です。 事業環境マップ 「事業環境マップ」は、ビジネスを取り巻く状況を理解するためのフレームワークです。 ここでは、下記の4つのカテゴリーに分けて、ビジネスの環境を分析します。 市場 業界 トレンド マクロ経済 それぞれのカテゴリー別に分析することで、時代に適したビジネスモデルの定義が可能になります。 ジョブマップ ユーザーが商品を購入したり、サービスを利用したりする際に、必ず達成したい目的を「ジョブ」と言います。 ユーザーニーズを的確に捉えるには、ジョブを機能的・社会的・感情的の3つの面から分析する「ジョブ理論」を利用します。 また、ジョブ理論の一環として、満たされているジョブと満たされていないジョブの両方を可視化する「ジョブマップ」というフレームワークの利用が効果的です。 これによって、ターゲットとするユーザーを定義し、そのユーザーが求める機能やトレンドなどを明確化することができます。 すでに満たされている点や充実させるべき点の発見にも役立つため、自社の事業内容を改善する際にも活用しやすいのが特徴です。 まとめ デザイン思考は、実際に取り組んでみることで社内に浸透しやすくなります。 その際のポイントとして、デザイン思考の研修や社内ワークショップの実施、そして何より実践を繰り返し行うことが重要です。 また、共感マップや事業環境マップ、ジョブマップといったフレームワークの活用もおすすめです。 ぜひ、今回の記事を参考に、社内へのデザイン思考の浸透に向けて、実践を進めていきましょう。
2022.07.21
正論とはナイフである【後編】
チームづくり前回は攻撃的なコミュニケーションをする人の特徴やそのメカニズムについてお伝えしました。 今回は具体的にどのように導けば良いのか?について実際の対話セッションの中身を公開します! 正論とはナイフである【前編】 あなたの周りにも攻撃的な人がいませんか?たまたま機嫌が悪いとかじゃなくて、常にコミュニケーションがキツい人。というか、いちいち言い方にトゲがある話し方をする人。なぜ人は攻撃的になってしまうのか?どうしたら攻撃性をやめられるのか?について具体的な指導法を含めて解説をしていきます。 前編はこちら! 大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。 投稿一覧へ 具体的な指導法 ここで、私が実際に行った対話セッションの流れをご覧ください。 一部わかりやすく加工してありますが、ほぼ実際の対話そのものです。 そのまま実施するためというよりは、流れやこちら側のリアクションを参考にしてもらえると良いと思います。 福永:「山田さん、◯◯さんへの指導なんだけど、私が見ていて少し言葉がキツイように感じるよ」 山田さん(仮名):「えー?そうですか?普通ですよ?(とぼけとこう)」 福:「そうかー。じゃあ基準を揃えないといけないね」 山:「基準?」 福:「私は"キツい言い方になっている"と指摘しているけど、あなたは"普通"と答えたもんね。私たちの間で基準が違う証拠でしょ?」 山:「はい。。(うわ、何この人?逃げれんやん)」 福:「指導の際、伝え方の基準は、その人の親御さんが隣で聞いて『ちゃんと指導してくださってありがとうございます』って感激するような話し方だよ」 山:「はぁ」 福:「だから人格否定や生い立ちを否定するなんてもってのほかだよね?伝え方がいちいちトゲトゲしかったり、攻撃性が高かったりしたら『そんな言い方しなくてもいいでしょ!』って怒りたくなると思わない?」 山:「それはなりますね」 福:「どう?自分の話し方が少し攻撃的になったり、高圧的になったりしてるってフィードバックをされてみて。どう感じてる?」 山:「確かに、言いすぎたな、と思うことはたまにあります。あと、感情に任せてこいつをシバいてやらないとって思ってるときも確かにありました」 福:「おー、いいじゃないですか。ちゃんと自分を客観的に見れていて素晴らしい。でも最初は『普通ですよ?』って気づかないふりしてたよね?(^―^)」 山:「すみません。図星だったので素直に受け取れませんでした」 福:「いや、すごい素敵。いま現在地が分かって地面に足がついた瞬間だよ。ここからならどこにでも行ける。山田さんはどうなるといいと思う?」 山:「どうなるとですか??ちゃんと言いたいことが伝わって成長してもらえる指導ができるようになりたいです」 福:「めちゃくちゃいいじゃないですか。なりましょう!なれますよ!」 山:「はい」 福:「じゃあ、まずはなんで指導の際に少し攻撃的になっちゃうんだと思います?」 山:「何回もおんなじことを言ってるのに理解しないから」 福:「イライラしちゃうんだね?他には?」 山:「教えてあげてるから偉いんだぞというのを示したいのかも」 福:「めちゃいい気づき、他にはどう?」 山:「実は教えていながら、自分に自信がないのかも。本当にこれでいいのかな?とか、間違ってないだろうか?とか、少し不安な気持ちがバレないように、掘り下げて質問されないように、近寄らないで!ってやってるのかもしれない」 福:「めちゃくちゃすごい!いいね。素直力が最高ですね」 山:「ありがとうございます」 福:「山田さんは、何度も正しいことを伝えてやってるんだ!言い方が悪くて何が悪い!と、相手の気持ちを思いやる視点が抜けちゃったんだよね。決して、相手を打ち負かそうとか、やっつけてやろうと思ってたわけじゃないよね?」 山:「はい(本当はすこしあったなぁ)」 福:「ところが、その裏側には、少しの不安があって不安がバレるのが怖いから、圧が強い話し方をすることで相手が一歩引いている状態を作ろうとしてた」 山:「はい(図星すぎるなぁ)」 福:「どう?山田さんて本当に強い人?見せかけの強い人?」 山:「めちゃ見せかけですねぇ。笑。いかーん!バレとる。笑」 福:「ねー、笑。残念ながらこのままの態度だと弱い人だよね。でもさここから本当に強い人、頼りになる人はきっと目指せるよ。どんな人になりたいと思う?」 山:「余裕を持って優しく受け答えする人が本当に強くて頼りになる人です」 福:「そうだよね。どのようにしたらそうなれそうかな?」 山:「感情的になる前に一呼吸置いてから言葉を選んでいくことが大事だと思います。あと、言葉を磨くこと」 福:「その通りだよね。もう私が言いたかったことわかったよね?」 山:「はい、無駄に能力の証明をする必要はないですね」 福:「そう、山田さんはめちゃくちゃ能力が高いからこそ、先に走っちゃうんだよね。相手の能力に合わせてちゃんと導くことにその高い能力を使ってみて」 山:「はい!ありがとうございます!」 まとめ いかがでしたでしょうか? とくに論理性の能力の高い人材ほど陥りがちな攻撃性の罠。 その人材が、正論だけじゃなく感情についての理解を示すと最強の人材へと変革していきます。まるで将棋の飛車が龍王、角が竜馬になるように。 正しさのナイフをどのように使いこなすか? チームみんなで取り組んでみてはいかがでしょうか? 行動変容を促す伝え方とは 実際に「変わりたい!」「やってみたい」という気持ちを引き出し、部下やチームメンバーに行動変容を促すためには、相手の感情を理解した伝え方が必要です。 ワンネス経営®︎の公式ラインではすぐに使える実践的な指導方法をお伝えしています。 チームづくりやマネジメントに悩まないために是非ご登録ください! 事務局:スズキヒラク ワンネス経営®︎公式LINEを追加!
2025.01.14
職場でのメンタルヘルスケアとは?メンタルヘルス不調に陥る原因や影響について解説
チームづくり近年、半数を超える人が仕事による強いストレスや不安を抱えているといわれています。 このため、職場でのメンタルヘルス対策は、企業が取り組むべき重要な課題となっています。 今回は、メンタルヘルスの概要について解説し、従業員がメンタルヘルス不調に陥る原因やメンタルヘルス不調が及ぼす影響を紹介します。 「従業員へのメンタルヘルスケアをしっかり行いたい」「メンタルヘルスケアへの理解を深めたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。 メンタルヘルスについて 「メンタルヘルス」とは、単に「心の病気」を指すのではなく、「心の健康状態」を表す包括的な言葉です。 「身体的健康」に対しての「精神的健康」を意味し、精神機能が健全に発揮されている状態を指します。 心が健康な状態にある人は、安定した気持ちで仕事に意欲的に取り組み、日々の生活もいきいきと過ごせるのが特徴です。 WHO(世界保健機構)は「健康」を「病気でないということだけではなく、身体的、心理的、社会的に満たされた状態(Well-being)であること」と定義しています。 同様に、精神の健康も「病気ではない」という状態を超えて、自己成長への意欲や、より良い生活を送りたいという前向きな気持ちも含む概念として理解されています。 特に職場でのメンタルヘルスは、個人の心の健康だけでなく、「働く人が心身ともに健康的に働ける職場づくり」という広い意味を持っているのが特徴です。 近年の職場環境や仕事内容、組織風土、人間関係などの急速な変化に伴い、職場でのストレス要因は増加傾向にあります。 過度のストレスが蓄積したり、長時間労働が継続したりすることで、メンタルヘルスの不調を引き起こす可能性が高まります。 従業員の健康と企業の持続的な発展のためにも、適切なメンタルヘルス対策が必要です。 従業員がメンタルヘルス不調に陥る原因 職場で従業員がメンタルヘルス不調に陥る原因は、主に次の2つです。 過重労働 ハラスメント それぞれ解説します。 過重労働 長時間にわたる過重な労働は、従業員の心身の健康に深刻な影響を及ぼします。 特に深刻なのは、過重労働によって十分な睡眠時間を確保できなくなる点です。 睡眠時間の減少は心の健康状態と密接に関連しており、十分な睡眠時間を確保できないことでメンタルヘルスの不調につながりやすいといえます。 また睡眠不足は、食事が喉を通らなくなったり、やる気が出なくなったり、生活のリズムが乱れたりするなど、さまざまな問題を引き起こすため、注意が必要です。 さらに、過重労働は個人の健康被害にとどまらず、重要な社会問題の一つにもなっています。 労働災害の請求件数や認定件数は年々増加しているものの、これを受けて労災認定の基準も見直されるなど、社会制度面での対応も進められています。 ハラスメント 職場でのパワーハラスメントも従業員がメンタルヘルス不調に陥る原因です。 パワーハラスメントは、次の6つに分類できます。 身体的な攻撃 精神的な攻撃 人間関係からの切り離し 過大な要求 過小な要求 個の侵害(プライベートへの過度な立ち入り) 2020年に厚生労働省が実施した実態調査では、過去3年間でパワーハラスメントを経験したと答えた労働者が31.4%に達することが明らかになりました。 この数字から、職場でのパワーハラスメントは珍しい事象ではないということがわかります。 また、2020年6月に労働施策総合推進法が施行されて以降、都道府県労働局に寄せられるパワーハラスメントに関する相談件数は1万8千件で、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談も2020年度には約8万件にのぼっています。 参考:職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!|厚生労働省 メンタルヘルスの不調が及ぼす影響 従業員のメンタルヘルス不調は、個人と企業の両方に深刻な影響を及ぼします。 ここでは、それぞれの観点から解説します。 従業員個人への影響 メンタルヘルスの不調を抱える従業員は、まず日常的な業務遂行に支障をきたすようになります。 たとえば、遅刻や欠勤が増加する、仕事への集中力が低下する、業務上のミスや作業の遅れが目立つようになるといった具合です。 また、注意力が散漫になることで、職場での事故やケガのリスクも高まります。 状況が改善されないまま続くと、長期療養のための休職を余儀なくされたり、最終的には離職に至ったりするケースも少なくありません。 このような事態は、本人のキャリア形成を大きく阻害するだけでなく、収入面での不安など生活基盤そのものを揺るがすことにもなります。 企業への影響 従業員のメンタルヘルス不調は、企業にとって経営上の重大なリスクの一つです。 まず、組織全体の生産性と活力が低下し、業績に直接的な影響を及ぼします。 休職者が出た場合は、医療費や傷病手当の負担に加え、代替要員の確保にかかる人件費が発生します。 また、従業員が退職した場合は、新たな人材の募集・採用にかかる費用が必要です。 過重労働などが原因で労働災害として認定された場合、労災保険料の増額や損害賠償請求など、予期せぬ支出が重なる可能性もあります。 加えて、深刻な事態が発生した場合は企業イメージが大きく損なわれ、取引先や株主からの信頼低下、人材採用への悪影響など、企業の持続的な成長を脅かす事態に発展しかねません。 このような多面的なリスクを踏まえると、メンタルヘルス対策は企業の重要な経営課題として全体で取り組む必要があるといえます。 まとめ 職場でのメンタルヘルス対策は、従業員の健康と企業の持続的な発展の両方にとって不可欠な取り組みです。 過重労働やハラスメントなどの要因によって従業員がメンタルヘルス不調に陥ると、個人の生活やキャリアに重大な影響を及ぼすだけでなく、企業にとっても生産性の低下や経営リスクにつながります。 心身ともに健康的に働ける職場づくりのためには、メンタルヘルスについて理解を深め、組織全体で積極的に取り組んでいくことが重要です。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。