2024.09.19
チームづくり
ビジネスや人材育成などで活用できる心理学的行動の一つとして、「ピグマリオン効果」があります。
しかし、ピグマリオン効果とはどのようなものなのか、ピグマリオン効果がビジネスや人材育成でどう役立てられるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ピグマリオン効果の概要を解説し、ゴーレム効果との違いやビジネスにおけるピグマリオン効果のメリット・デメリットについても紹介します。
ピグマリオン効果を理解してビジネスや人材育成に活かしたいと考えている企業の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
「ピグマリオン効果」は、他者からの期待が個人の成果や行動に影響を与えるという心理現象を指します。
この効果はアメリカの教育心理学者ローゼンタールによって提唱され、ギリシャ神話に登場する彫刻家、ピグマリオンにちなんで名付けられました。
ピグマリオン効果は、他者の期待に応じて個人が成長し、期待通りの結果を生み出す傾向を説明したものです。
これは単なる理想の押し付けではなく、相手の自主性を尊重し、その成長を見守る姿勢から生まれます。
また、ピグマリオン効果が生じる背景には、次の2つの要因があります。
心理的には、他者の期待に応えたいという内的動機が働きます。
一方、環境的には、個人の自主性が尊重され、支持的な雰囲気の中で期待がかけられることが重要です。
ピグマリオン効果の理解と適切な活用は、教育現場はもちろん、ビジネスや人間関係のさまざまな場面で有効です。
ピグマリオン効果とゴーレム効果は、どちらも人々の期待が他者の行動や成果に及ぼす影響を表す心理学的概念です。
お互い表裏一体の関係にあり、同じ現象の正反対の側面を示しています。
ピグマリオン効果は、他者から高い期待を寄せられることで、その期待に沿った好ましい結果が生まれやすくなる現象を指します。
たとえば、上司が新入社員の能力を信じ、期待を込めて接することで、その社員が実際に優れた成果を上げるようになる場合などです。
一方、ゴーレム効果は、ピグマリオン効果の負の側面といえます。
他者から期待されない、あるいは低く評価されることで、実際にその通りの低い成果しか出せなくなってしまう現象です。
「新人だし、どうせできないだろう」といった否定的な先入観が、実際に新人の成長を妨げてしまうような状況がゴーレム効果に該当します。
また、両効果の名称の由来も興味深い対比を示しています。
ピグマリオン効果が、自作の彫像に命が吹き込まれることを願った彫刻家の神話に基づいているのに対し、ゴーレム効果は、呪文がなければ動かない泥人形の伝説から名付けられました。
これらの効果は、期待や働きかけの有無が結果を大きく左右することを象徴しているといえます。
ここでは、ビジネスにおけるピグマリオン効果のメリット・デメリットを取り上げて解説します。
ビジネスの場においてピグマリオン効果を活用することで、次のようなメリットがあります。
まず、チーム内の心理的安全性が高まります。
上司が部下に対して明確な期待を示すことで、部下は自分の役割と価値を認識し、より自信を持って業務に取り組めるようになるからです。
これにより、オープンなコミュニケーションが促進され、部下が上司に相談しやすい環境が生まれます。
さらに、期待されることで社員の士気が高まり、それが業務効率の向上につながるという点もメリットです。
自分の能力を信じてもらえているという実感は、チャレンジ精神を刺激し、より高い目標に向かって努力する原動力になります。
結果として、個人の成長だけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与することが期待できます。
ピグマリオン効果をビジネスに活用する際は、慎重さが求められます。
特に懸念されるのは、上司が一方的な理想像を押し付けたり、非現実的な期待をかけたりすることです。
このような状況では、社員に過度なプレッシャーがかかり、パフォーマンスを低下させるだけでなく、職場全体の雰囲気を悪化させる要因にもなりかねません。
ピグマリオン効果を有効に活用するには、個々の社員の現状を正確に把握し、適切で現実的な期待を示すことが重要です。
ピグマリオン効果は、他者からの期待が個人の成果や行動に影響を与える心理現象です。
この効果は、ビジネスや人材育成において適切に活用することで、チーム内の心理的安全性を高め、業務効率の向上につながる可能性があります。
ビジネスにおいてピグマリオン効果を活用する際は、個々の社員の現状を把握し、現実的な期待を示すことが重要です。
組織全体のパフォーマンス向上と個人の成長を促進させるためにも、ピグマリオン効果を理解し、適切に活用することをおすすめします。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2024.03.05
フォロワーシップを実践するには?具体例やポイントを紹介
チームづくり主体性のある人材の育成を検討する場合、どのように実践されているのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。 実際に行われている事例やポイントを把握しておくことで、自社に取り入れやすくなります。 そこで今回は、一般的に言われているフォロワーシップの実践例と実施におけるポイントを取り上げて解説します。 フォロワーシップの実践例 ここでは、一般的なフォロワーシップで考える実践例を2つご紹介します。 積極的に取り組む フォロワーシップの実践例の一つは、自発的に課題を引き受け、解決策を考えることです。 そうすることで、メンバーにもポジティブな影響を与え、チームをより活動的でエネルギッシュなものに変えられます。 また、自分の意見やアイデアを積極的に共有することは、フォロワーシップの重要な側面です。 反対意見があったり、アイデアが採用されなかったりしても、自分の考えを明確に伝えることが全体の成功につながります。 視野の拡大と柔軟性を心がける フォロワーシップには、完璧を求めず、相手のニーズを理解しようとする姿勢も欠かせません。 視野を広げ、柔軟な考え方をすることも実践に必要です。 自分自身と他人の行動を冷静に検証し、未来を見据えたポジティブな思考で行動することが、チームや会社の成長に貢献します。 フォロワーシップを実践する際のポイント フォロワーシップを実践する際は、次の3つのポイントを押さえておくと良いです。 フォロワーシップタイプを自覚する 研修を実施する コミュニケーション機会を増やす それぞれ解説します。 フォロワーシップタイプを自覚する 一人ひとりがフォロワーシップを発揮するには、「自分がどのタイプなのか」を理解しておくことが大切です。 フォロワーシップのタイプは次の5つです。 模範型フォロワー:模範的かつ理想的なタイプ 孤立型フォロワー:非協力的だが提案力は高いタイプ 順応型フォロワー:協力的で従順なタイプ 消極的フォロワー:消極的で目立たないタイプ 実務型フォロワー:タスク遂行力が高く中立的なタイプ 自身の長所や短所を把握した上で足りない部分を見つけ、工夫して改善することでチームへの貢献度が高まります。 また、チームだけでなく、会社全体への貢献についても考えながら行動するのがポイントです。 例えば、順応型フォロワータイプの場合、与えられたタスクの遂行力は高い一方、「指示待ち人間」の傾向が高いです。 改善案を考えたり、積極的に提案したりすることでチームにとって有益になり、全体の生産性にも寄与します。 研修を実施する フォロワーシップを実践する場合、研修を実施するのも良いです。 フォロワーシップの重要性が学べる研修プログラムを設けて参加してもらうことで理解が深まり、身につけやすくなります。 研修では、一時的に中堅社員に管理職の役割を担当してもらうのも効果的です。 チームの一員としての適切な行動や対応が把握できるため、自身のフォロワーシップの向上につながります。 コミュニケーション機会を増やす コミュニケーション機会を増やすことで、フォロワーシップが実践しやすくなります。 良好な人間関係を築いていれば、建設的な提案はもちろん、批判的な意見も伝えやすくなるからです。 日常的な雑談を通じて、仕事以外の話題でも交流を深めておくことが重要です。 まとめ 今回は、一般的に言われているフォロワーシップの実践例と実施する際のポイントを紹介しました。 主体性を育むには、視野の拡大と柔軟性を心がけることが大切です。 ワンネス経営的リーダーシップについては下記で詳しく解説しています。 ぜひこちらもご覧ください。 https://flapsplan.co.jp/blog0081/
2024.08.08
職場における心理的安全性とは?ぬるま湯組織との違いや要因、メリットを解説
チームづくり企業の成長において、「心理的安全性」の重要度が近年ますます注目されています。 しかし、「心理的安全性とは具体的にどのようなものなのか」「どんなメリットがあるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか。 今回の記事では、心理的安全性の概念や「ぬるま湯組織」との違いについて解説し、心理的安全性の低下を引き起こす要因や高めることで得られるメリットを紹介します。 心理的安全性を高めたいと思っている企業の担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。 心理的安全性とは 「心理的安全性」とはどのようなものなのか、ここでは概要と「ぬるま湯組織」との違いについて解説します。 心理的安全性の概要 心理的安全性とは、職場において誰もが安心して意見を述べ、行動できる環境を指します。 この概念は1999年にハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授によって提唱され、Google社が行った「プロジェクトアリストテレス」を通じて広く注目されるようになりました。 心理的安全性の高い組織では、メンバーが失敗を恐れずにリスクを取り、新しいアイデアを提案できます。 また、お互いの意見を尊重し、現状をよりよくするための意見交換を行うことで、イノベーションや生産性の向上につながります。 ぬるま湯組織との違い 心理的安全性は「ぬるま湯組織」とは大きく異なります。 ぬるま湯組織では緊張感が欠如し、成長意欲も低下しがちです。 一方で、心理的安全性の高い組織では、建設的な緊張感と高い成長意欲が保たれています。 コミュニケーションの面でも、ぬるま湯組織ではやりとりが少なく表面的になりやすいのに対し、心理的安全性の高い組織では活発で深い議論が行われる傾向にあります。 また、間違いや意見の対立が発生した場合、ぬるま湯組織ではこれを避けようとする一方、心理的安全性の高い組織では積極的に指摘し、新しいアイデアを生み出す機会だと捉えるのが特徴です。 居心地の良さという観点でも違いがあります。 ぬるま湯組織では常に居心地が良いかもしれません。 しかし、心理的安全性の高い組織では、時に不快な状況も経験しながらそれを成長の糧とします。 つまり、心理的安全性の高い組織は単に「優しい」環境ではなく、個人を尊重しつつ率直に意見を交わし、挑戦と成長を促す環境と言えます。 心理的安全性が低下する4つの要素 心理的安全性が低下するのは、次の4つの要素が原因です。 無知だと思われる不安(Ignorant) 無能だと思われる不安(Incompetent) 邪魔をしていると思われる不安(Intrusive) ネガティブだと思われる不安(Negative) それぞれ解説します。 無知だと思われる不安(Ignorant) 「こんなことも知らないのか」と思われることを心配し、上司や同僚に質問をためらう人も多いのではないでしょうか。 しかし、疑問を解消しないまま進めることで、後々問題が生じる可能性があります。 ミスを引き起こすだけでなく、業務効率や成果、さらには仕事への意欲低下にもつながりかねません。 無能だと思われる不安(Incompetent) 失敗した時に、「能力がない」と周囲から失望されるかもしれないと思う不安です。 この不安によって、自分の過ちを隠蔽したり、他の人に責任を押し付けたりする行動につながることがあります。 こういった行為が常態化すると、組織全体が問題解決の機会を逃し、困難な状況に対処する能力を育成できなくなるという問題が生じます。 邪魔をしていると思われる不安(Intrusive) 「人の邪魔をしているかもしれない」と感じ、意見や提案を控える人も少なくありません。 自分のアイデアが無価値だと思い込んだり、他人の時間を無駄にするのではないかと心配したりするケースもあります。 その不安に駆られて発言を躊躇することで、個人の成長機会を奪うだけでなく、組織全体のイノベーション能力も低下します。 ネガティブだと思われる不安(Negative) 「常に異議を唱える人」や「批判的な人」と見なされる不安から、合理的な根拠があっても反対意見を出しにくくなる場合があります。 しかし、有意義な議論を展開し、問題点を洗い出して改善するには、多様な意見が不可欠です。 「適切な反対意見は、アイデアの質を向上させる」という認識を組織全体で共有する必要があります。 心理的安全性を高めることで得られるメリット 心理的安全性を高めることで得られる主なメリットは、下記の3点です。 経験・知識の交換が活発化する イノベーション促進に役立つ 生産性向上と人材の定着につながる それぞれ解説します。 経験・知識の交換が活発化する 心理的安全性が高まると、チームメンバーが自由に発言できる環境が整います。 これにより、情報交換が活発化し、各メンバーの経験や知識が共有されやすくなるのが大きなメリットです。 結果として、組織全体の知識量が増加し、問題解決能力が向上します。 また、早期の問題発見や対処が可能となり、成果につながりやすくなります。 イノベーション促進に役立つ 心理的安全性の高い職場では、多様な価値観や意見が尊重されます。 異なる視点からの建設的な議論によって従来の固定概念にとらわれない新しいアイデアが生まれ、イノベーション促進に役立ちます。 生産性向上と人材の定着につながる 心理的安全性が確保された環境では、各メンバーが自身の強みを発揮しやすくなり、チーム全体の生産性が向上します。 また、ミスや問題の報告・共有がスムーズになることで、迅速な対応が可能です。 さらに、率直なフィードバックが交わされることで個人の成長が促進され、仕事へのやりがいが生まれます。 これらの要因が相まって、結果的に人材の定着率向上にもつながります。 まとめ 心理的安全性とは、チームの誰もが安心して意見を言えたり、新しいことに挑戦できたりする環境のことです。 心理的安全性の高い組織では、活発な情報交換によってチームの知識と問題解決能力が向上し、多様な意見の尊重がイノベーションを促進します。 また、各メンバーの強みが発揮されやすくなり、生産性の向上と人材の定着にもつながります。 そのためには、無知・無能・邪魔・ネガティブだと思われる不安を取り除き、心理的安全性を育む環境づくりに取り組むことが重要です。 今回の記事を参考にして、心理的安全性について理解しておくことをおすすめします。
2024.02.20
組織強化に効果的な「フォロワーシップ」とは?概要と注目される背景を解説
チームづくり組織の強化のため、主体性のある社員を育てたいという方も多いのではないでしょうか。 一般的にメンバーが主体的に考え、積極的に行動することを「フォロワーシップ」と言います。 今回は、一般的な解釈としての「フォロワーシップ」の概要と注目の背景を紹介します。 フォロワーシップの概要 「フォロワーシップ」とは、個々のメンバーが自律的かつ主体的に考え、積極的に行動することを指します。 ただリーダーの指示に従うのではなく、組織の成功・発展のために意見を出したり、周囲に働きかけたりして、自分の立場で最大限できる行動をとるのが特徴です。 一般的にフォロワーと言えば部下やメンバーを指しますが、状況によってはリーダー自身もフォロワーの役割を果たすことがあります。 この場合、リーダーはメンバーに対して建設的なフィードバックや提案をすることでフォロワーシップを発揮します。 フォロワーシップが注目される背景 フォロワーシップが注目される背景として、次の2つが挙げられます。 ビジネス環境の変化 労働人口の減少 それぞれ解説します。 ビジネス環境の変化 近年、ビジネス環境は、技術革新やグローバル化の影響で日々変化しています。 従来のトップダウン型や過去に成功したやり方が今も有効とは限らず、リーダーは状況に応じて戦略を調整する必要があります。 そのため、メンバーが自律的に動き、場合によってはリーダーが示す方向を軌道修正するといったフォロワーシップを持つことが重要です。 リーダーによるリーダーシップのもと、それぞれのメンバーによるフォロワーシップの発揮によって、組織全体の発展が見込めます。 労働人口の減少 日本を含む多くの先進国では、少子高齢化による労働人口の減少が社会的な課題となっています。 例えば、人手不足によって、リーダーがマネージメントとプレイヤーを兼ねており、リーダーシップを存分に発揮できていないケースも少なくありません。 負担が多いリーダーをメンバーが状況に応じてサポートすることで、組織全体の柔軟性と対応力を高めることが可能です。 まとめ フォロワーシップは、メンバー一人ひとりが自律的かつ主体的に考え、積極的に行動することを意味します。 また、ビジネス環境の変化や労働人口の減少などを背景として近年注目されている考え方です。 ワンネス経営的リーダーシップについては下記で詳しく解説しています。 https://flapsplan.co.jp/blog0081/
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。