2023.10.24
チームづくり
目次
メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮する組織づくりを目的に、シェアドリーダーシップの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
シェアドリーダーシップに取り組む場合、効果的なポイントや注意点を押さえておくことが重要です。
今回は、シェアドリーダーシップを導入する際のポイントと注意点を解説します。
シェアドリーダーシップを導入する場合のポイントは、下記の5つです。
それぞれ解説します。
メンバー各自がリーダーとなるシェアドリーダーシップの状況下でも、メンバーを取りまとめる公式なリーダーは必要です。
その場合、まとめ役にふさわしいのはもちろん、チームのパフォーマンスを最大化することができる人材の選出が欠かせません。
選ばれた公式リーダーは、研修の受講などによって、会議をスムーズに進めたりメンバーの成長や変化を促したりといったスキルを身につけておく必要があります。
「シェアドリーダーシップ」とは何か、チームメンバー全員で把握し、理解を深めることが大切です。
また、シェアドリーダーシップでは一人ひとりの主体的な姿勢が求められます。
そのため、同じビジョンや目標をチーム全体で共有しておく必要があります。
公式リーダーがメンバーに対し、チームにおけるリーダーシップの定義や理想の組織イメージをしっかり伝えると良いです。
シェアドリーダーシップを効果的に取り入れるには、経営陣を含めた全社的な理解が必要です。
シェアドリーダーシップの導入で得られるメリットや従来のリーダーシップとの違いを伝え、理解を求めます。
メンバー全員がリーダーシップを発揮して業務に取り組みやすい環境をつくることが重要です。
各メンバーに権限を与えて自律性を高める「エンパワーメント」の実施も効果的です。
エンパワーメントを取り入れることで一人ひとりに当事者意識が生まれ、自主性を持って業務に取り組めるようになります。
リーダーとしての役割を自覚してもらうには、実行後に行う適切な振り返りが重要です。
振り返りにおすすめなのは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の「PDCAサイクル」です。
また、場合に応じて、Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)・ループの「OODAループ」の活用も効果があります。
シェアドリーダーシップを取り入れる際の注意点は下記の2つです。
それぞれ解説します。
シェアドリーダーシップでは、リーダーシップを発揮するメンバー全員がチームや企業全体の目的・ビジョンを把握し、理解しておく必要があります。
そのため、研修やワークショップ、定期的なミーティングを行い、方向性を随時確認することが大切です。
シェアドリーダーシップでは、リーダーシップだけでなく、フォロワーとしてメンバーをサポートする「フォロワーシップ」の発揮も大事なポイントです。
チームが最高のパフォーマンスを上げるには、メンバーそれぞれがリーダーとフォロワー両方の役割を持つ必要があります。
研修などでフォロワーシップについての理解も深めておくことが重要です。
シェアドリーダーシップは、公式リーダーの選出やシェアドリーダーシップへの理解などのポイントを押さえておくことでスムーズな取り組みが可能です。
また、目的・ビジョンの理解と確認、リーダーシップだけでなくフォロワーシップを発揮することに注意すると良いでしょう。
ぜひ、今回の記事を参考にしてシェアドリーダーシップの導入を検討してみてください。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.08.22
デザイン思考を導入している企業事例を紹介!具体的な活用方法とは?
チームづくり近年、多くの企業が「デザイン思考」の導入を進め、社内への浸透を図っています。 しかし、デザイン思考の導入を検討する場合、具体的な活用方法について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、実際にデザイン思考を取り入れることで成果を上げた企業事例を3つご紹介します。 実際の事例としてどのようなものがあるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 デザイン思考のおさらい デザイン思考は、ユーザーの視点に立つことで商品やサービスの本質的な課題を発見し、解決策を探る考え方です。 社内に導入することで、多様な意見を受容しやすくなる、アイデア提案の習慣化、コミュニケーション向上、幅広いユーザーニーズへの対応といったメリットがあります。 デザイン思考はデザインの手法をもとにした考え方で、「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「テスト」の5段階プロセスに沿っています。 ただし、理論だけでは浸透させることが難しく、研修や社内ワークショップを行ったり、フレームワークを取り入れたりといった実践が重要です。 ロート製薬株式会社 ロート製薬株式会社では、2020年末から「D2Cプロジェクト」を本格始動させ、その一歩目として2021年7月に、ECサイトの大幅なリニューアルを行いました。 その際、主体を「ブランド」から「お客さま(ユーザー)」に転換するため、デザイン思考を取り入れ、従来のやり方からの発想の切り替えを図っています。 まずは、オンラインショップをすでに利用している既存のユーザーに対し、一人当たり90分ずつのインタビューを行いました。 30代から70代まで、幅広い年代の16人とさまざまな観点で対話を重ね、「なぜその行動をとったか」というところまで掘り下げて理解することができたそうです。 そして、インタビューから得られた学びを全て集めてテーマごとにまとめ、ユーザーの行動・思考・感情を時系列に配置して図に表しました。 いわゆる「カスタマージャーニー」を作成することで、さまざまな文脈から商品とケア方法を伝える、特集や記事などのコンテンツ拡充が図れました。 実際にユーザーのリアルな声と学びに共感し、手触り感を持ってこちらの方向に舵を切れたことはロート製薬にとって大きな成果だった、ということです。 参考:主体をブランドからお客さまへ。90以上のブランド数を抱えるメーカーが目指すD2Cとは?|ロート製薬株式会社 note 富士通株式会社 富士通株式会社では、2016年からデザイン思考の体系化に取り組み始めており、2021年には、オリジナルの「デザイン思考テキストブック」をPDFとして一般公開するなど、デザイン思考の導入に大きく力を入れています。 会社全体でDXに取り組んでいる現在においては、社員全員に「デザインマインド」を浸透させ、デザイン思考を実践できる組織へ変革を図っています。 富士通では、あらゆる企業活動にデザイン思考を取り込むことで、「デザイン経営」のリードを試みており、以下のゴールを目指しています。 フロントへのデザインアプローチ浸透と実践により強化された共創力・提案力 事業部へのデザインで付加価値が付与された魅力的な製品・サービス デザインで刷新されたイノベーティブなマインド また、「デザイン思考プログラム」が設けられているのも大きな特徴です。 このプログラムでは、全従業員に向けた「デザイン思考有資格者」の自律型受講を始め、「デザイン思考実践者」「デザイン思考実践リーダ」「デザイン思考エキスパート」とレベルアップできるような仕組みが作られています。 参考:デザイン経営に向けた富士通の取り組み|富士通株式会社デザインセンター 富士通の実践知が詰まったデザイン思考のテキストブック公開|富士通株式会社 ソニー株式会社 ソニー株式会社では、近年、デザイン思考を活用した「デザインリサーチ」と呼ばれるメソッドの実践に取り組んでいます。 一例として、最新の社会情勢や人々の意識動向を読み解くことで、未来のストーリーを紡ぎ出す「DESIGN VISION」というプロジェクトが挙げられます。 当プロジェクトの主な活動は、デザイナー自身が世界各地でフィールドリサーチやインタビューなどを行い、その洞察をもとにしたワークショップを実施することです。 この結果は、年次レポート「DESIGN VISION Insight」として1冊にまとめられ、社内での発信・共有が行われています。 また、プロダクトの印象や価値を大きく左右する「CMF(Color/色、Material/素材、Finish/加工)」の領域においても、「CMFフレームワーク」プロジェクトとしてデザインリサーチが活用されています。 ほかにも、次世代の映画撮影用カメラ「VENICE」の開発プロジェクトをはじめ、さまざまなプロダクトやサービス事例にデザインリサーチを導入し、新たな視点からデザインと価値の創出に取り組んでいます。 参考:ソニーにおける「デザインリサーチ」の考え方|ソニー株式会社 まとめ デザイン思考を導入することで成果を得ている3つの企業事例を紹介しました。 いずれも大きな企業の事例ですが、具体的な方法として参考にできる部分も多いはずです。 今回紹介した事例をもとに、自社に合わせたデザイン思考の導入を検討してみましょう。
2024.03.26
社内コミュニケーションの課題を解決するには?よくある失敗例と改善策を紹介
チームづくり業務をスムーズに進めるには、より良い社内コミュニケーションが欠かせません。 社内コミュニケーションを活性化するには、課題を解決するためのポイントを押さえておくことが大切です。 今回は、社内コミュニケーションのよくある失敗例と改善策について紹介します。 社内コミュニケーションの改善策を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。 社内コミュニケーションのよくある失敗例 社内コミュニケーションのよくある失敗例として挙げられるのは、下記の3つです。 社内コミュニケーションのきっかけが少ない 経営層とのコミュニケーションが不足している 部門間・他部署とのコミュニケーションが取れていない それぞれ解説します。 社内コミュニケーションのきっかけが少ない 社内コミュニケーションのよくある失敗例として、コミュニケーションを行う場や機会が少ないことが挙げられます。 この場合、社員同士での情報共有が難しい環境や、相談や悩みを話しにくい雰囲気が原因になっているケースが多いです。 例えば、会議やミーティングが少ないと情報が適切に共有されず、業務の進行に支障が生じる恐れがあります。 また、相談や悩みを話しにくい雰囲気の職場では、社員の精神的なストレスが増加する可能性が高いです。 近年のテレワークの増加も、直接的なコミュニケーションの低下につながっていると言えます。 経営層とのコミュニケーションが不足している 経営層と社員のコミュニケーション不足も、業務に問題が起こりやすい失敗例の一つです。 この原因の一つは、情報の伝達や意思決定プロセスの不透明さです。 経営層が情報や方針を十分に共有しないことで、社員が業務を遂行する際に混乱したり不明瞭な点が生じやすくなったりします。 一方、社員が経営層に意見や提案を適切に伝えられない状況もコミュニケーション不足の原因です。 その結果、信頼関係が構築できず、組織全体の連帯感やチームワークが乱れ、業務の効率性が低下する可能性があります。 部門間・他部署とのコミュニケーションが取れていない 会社内には多くの部門が存在し、それぞれが連携して業務を進めることが重要です。 そのため、部門間や他部署とのコミュニケーションが不足していると、さまざまな問題が発生します。 例えば、情報共有が不十分で重要な情報が伝わらず、業務の進行に支障をきたしたり、重複やミスが起こりやすくなったりするなどです。 組織全体の成果にも悪影響を与えるため、コミュニケーションで横のつながりを強化する必要があります。 課題を解決するための改善策 社内コミュニケーションの課題を解決するための改善策は次の3つです。 テレワーク社員とのコミュニケーションを強化する 経営層と社員のコミュニケーションを促進する 具体的な問題を把握する それぞれ解説します。 テレワーク社員とのコミュニケーションを強化する テレワークは、働き方の柔軟性を高め、生産性を向上させる一方、コミュニケーション不足が課題になりがちです。 テレワーク社員と円滑なコミュニケーションを促進するには、定期的なオンラインミーティングを実施することをおすすめします。 この場合、ビデオ会議やチャットツールなどのオンラインツールを活用し、顔を見ながらコミュニケーションを取ることが重要です。 また、テレワーク社員同士や上司との連絡をスムーズに行うには、メールやチャットツールなどのツールを積極的に利用しましょう。 さらに、情報共有の仕組みを整えることも重要です。 社内ポータルサイトやチーム内の共有スペースを利用して情報の一元化を図ると、必要な情報にアクセスしやすくなります。 テレワーク社員とのコミュニケーションを改善するためには、相手の意見や状況を理解し、適切なフィードバックを提供することも必要です。 定期的な面談やフィードバックセッションを通じて、お互いの課題や改善点を共有することをおすすめします。 経営層と社員のコミュニケーションを促進する 経営層と社員のコミュニケーションが促進されると、効率性や生産性が向上するだけでなく、一人ひとりの満足度にも大きな影響があります。 具体的な方法として、定期的な対話はもちろん、適切なコミュニケーションツールを活用しての情報共有も効果的です。 また、研修・ワークショップを実施したり、称賛やフィードバックの文化を構築したりすることによっても、経営層と社員の良好なコミュニケーションが進みます。 具体的な問題を把握する 社内コミュニケーションを改善するには、社員の声や行動を分析し、具体的な問題を特定することが重要です。 また、組織全体でコミュニケーションを促進する環境を整えたり、社員が積極的に関わってコミュニケーションを活かすよう意識したりする必要もあります。 そのためには、情報共有の促進、コミュニケーションスキルの向上やトレーニングを行ったりすることが効果的です。 問題を把握し、適切な施策を講じることで、より良い社内コミュニケーションを実現しましょう。 まとめ 社内コミュニケーションの失敗例とその改善策を紹介しました。 社内コミュニケーションにはさまざまな問題が起こりがちですが、施策を講じることで改善が図れます。 ぜひ今回の記事を参考にして、社内コミュニケーションの課題を解決してみてください。
2025.01.07
マネージャーを育成するには?マネージャーの概要や役割、必要なスキルについて解説
チームづくり近年、マネージャー育成の課題に直面する企業が増えています。 優秀な実務者をマネージャーとして登用しても、期待通りの成果が得られないというケースも多いのではないでしょうか。 そこで今回は、マネージャーの概要を解説し、役割や必要なスキルについて紹介します。 「マネージャーに必要な素質やスキルを知りたい」という担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。 マネージャーの概要 「マネージャー」は、日本語で「管理者」を意味し、組織を統率する役割を持つ人を指します。 単なる上司としての役割だけでなく、チームや部門の管理・運営を通じて会社の成長に貢献する責任者としての役割を担っているのがマネージャーの特徴です。 マネージャーの職位は企業によってさまざまな形態がありますが、主に下記の3つのレベルに分類されます。 ゼネラルマネージャー:統括部長や事業部長、本部長などの上位職 ミドルマネージャー:部長や課長などの中間管理職 ラインマネージャー:課長や係長などの直接的な現場管理者 こうした階層の違いはあるものの、すべてのマネージャーに共通するのは、組織の成果に対する明確な責任だといえます。 マネージャーの役割 マネージャーの役割として挙げられるのは、次の3つです。 方向付けと成果管理 業務改善 人材育成とフィードバック それぞれ解説します。 方向付けと成果管理 マネージャーの第一の役割は、明確な方向性を示して具体的な成果へと導くことです。 企業のビジョンを理解した上で、チームメンバー一人ひとりが達成すべき具体的な目標を設定します。 その場合、MBO(目標管理制度)などの手法を活用すると成果管理がしやすくなるのでおすすめです。 業務改善 日常的な業務運営の最適化も、マネージャーに欠かせない役割です。 チームメンバーの強みを活かした業務配分を行い、定期的な進捗確認を通じて課題を早期に発見・解決します。 また、業務の無駄を見直したり、新しい方法や技術を導入したりすることで組織全体の生産性を高めます。 継続的な改善を行うには、PDCAサイクルを確実に回すことも重要です。 人材育成とフィードバック 組織の持続的な発展のために、メンバー一人ひとりの成長をサポートすることも不可欠です。 また、定期的な1on1ミーティングを通じて、進捗状況や課題を確認するとともに、建設的なフィードバックを行います。 マネージャーに必要なスキル マネージャーに必要なスキルは、主に下記の3つです。 双方向性の「コミュニケーション力」 先を読む「リスクマネジメント力」 的確な「意思決定能力」 それぞれ解説します。 双方向性の「コミュニケーション力」 優れたマネージャーには、一方的に指示や命令をするだけでなく、部下の声に丁寧に耳を傾ける双方向性のコミュニケーション力が必要です。 そのためには、表情やボディランゲージまでしっかりと観察し、言葉の背景にある本音を理解する姿勢が重要です。 また、他部門との連携や調整をスムーズに進め、組織全体の成果を最大化する橋渡し役も担います。 先を読む「リスクマネジメント力」 ビジネスの現場では、予期せぬ事態が起こりがちです。 優秀なマネージャーは、起こりうる問題を事前に予測し、具体的な対策を講じてトラブルの影響を最小限に抑えることができます。 顧客クレームや法令違反など、組織に大きなダメージを与える可能性がある問題については、特に慎重な対応が求められます。 的確な「意思決定能力」 緊急事態が発生した場合、マネージャーは状況を冷静に分析し、最適な判断を下さなければいけません。 単なる機転の良さだけでなく、過去の経験や幅広い知識に基づいた総合的な判断力が危機的状況を乗り越えるために必要です。 二次被害の防止まで見据えた、先を読む決断を行うことが重要です。 まとめ マネージャーには、チームの目標達成、業務改善、メンバーの育成という3つの大きな役割があります。 それらを成功させるためには、メンバーとの信頼関係を築くコミュニケーション力、問題を未然に防ぐ予測力、そして状況に応じた的確な判断力が不可欠です。 今回の記事を参考にして、マネージャーの育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。