2023.05.02
チームづくり
近年、企業の競争力強化において人材育成が重要視されており、メンター制度が大きな関心を集めています。
しかし、メンター制度について把握し、導入を検討しているものの、具体的にどうすればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にメンター制度を取り入れて成果を上げた企業事例を3つご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
メンター制度は、先輩社員が部下や後輩、同僚などの不安や心の悩みを解消し、精神的な支援を行う人材育成制度です。
若手社員の定着率向上に役立つのはもちろん、自律を促したり、組織を活性化させたりといったメリットもあります。
また、メンターとなる社員の成長が見込まれることから、組織全体の生産性向上にもつながります。
化粧品などでおなじみの「資生堂」は、創業以来、「人」を価値創造の源泉ととらえ、「PEOPLE FIRST(ピープル・ファースト)」という言葉として表してきました。
企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現においても人財はきわめて重要な資源であり、「多様なプロフェッショナル人財」が活躍してこそ、価値創造につながるとしています。
外部環境の変化に柔軟に対応していくためにも、個の力を高めて組織力を引き上げ、また全員が「多様なプロフェッショナル人財」となる組織の確立が重要と考えられている点が大きな特徴です。
資生堂が行っているメンター制度は、若手社員がエグゼクティブオフィサーや部門長のメンターとなって意見交換する「リバースメンタリング」で、2017年から2021年にかけて累計684名の社員が参加しています。
リバースメンタリングは、IT領域でベテランにノウハウを広げたり、社内の交流を活性化したりといった目的がありますが、特に上司がマネジメントされる気持ちを理解することで指導・育成のスキルアップにつながるというメリットが大きいです。
また、女性役員と女性社員が直接キャリア開発について対話するメンタリングプログラム「Speak Jam」も実施しており、2020年から2021年にかけて累計117名が受講しています。
世代を超えた対話により、異なる価値観を尊重できるフラットな組織風土が実現していると言えます。
参考:多様なプロフェッショナル人財|資生堂の価値創造|資生堂
世界的な自動車メーカー「トヨタ」では、意欲ある人材へ学びと挑戦の機会を提供することで、教えられる文化の醸成やつなげる・つながる力の向上を目指しています。
そのための育成プログラムとして代表的なのが、役割遂行に必要な知識・スキルの習得を目的とした必須教育「役割教育」です。
役割教育にはさまざまなものがありますが、新卒新入社員に向けた研修としては、「プレゼン演習」や「部署研修」、「海外研修」、「技術研修」などが挙げられます。
これら1年間の研修を通して会社や事業についての理解を深め、社内外に多くの接点を持ち、配属後の業務に備えられる仕組みとなっています。
また、それに付随し、新入社員を会社全体で受け入れる取り組みとして「メンター制度」を実施しています。
先輩社員がメンターとなり、新入社員が会社内に自分の居場所を作れるよう適切な支援を行っています。
「富国生命保険相互会社」は「フコク生命」として有名な生命保険会社です。
「お客さま基点」を価値観とし、「社会への貢献」や職員一人ひとりが働きがいを持てるような「自己実現」も経営理念に掲げています。
総合職の研修制度として、年次ごとの研修とメンター制度などを設けているのが特徴で、新しく主任に昇格した4年目の職員を対象にメンター制度を活用した人材育成実習を実施しています。
年間を通して、新入職員のメンター(相談役)を務め、さまざまな悩みごとなどについてアドバイスしながら、自らも大きく成長することが可能です。
また、所属を超えたネットワークを構築し、人が人を育てる風土を醸成することも大きな目的となっています。
結果として、新入社員の成長や社員間のネットワークづくりが実現しており、メンターの成長にもつながっているということです。
参考:新卒採用情報|フコク生命
メンター制度を導入することで成果を得ている3つの企業例を紹介しました。
いずれも大きな企業の事例ですが、参考にできる部分も多いはずです。
今回紹介した事例をもとに、メンター制度の導入を具体的に検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.12.12
越境学習を導入する際に押さえておきたいポイントと注意点を解説
チームづくり越境学習とは、所属する企業や部署の枠を越え、ふだんとは異なる環境で学び・経験を得ることです。 中高年のさらなる活躍や次世代リーダーの育成などに効果があるため、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。 越境学習は、いくつかのポイントや注意点を押さえておくことでスムーズな取り組みが可能です。 今回は、越境学習を導入する際のポイントと注意点を解説します。 越境学習に取り組む際に意識すべきことを知りたい場合、ぜひ参考にしてみてください。 越境学習を導入する際のポイント 越境学習を導入する際のポイントは、次の4点です。 参加目的の明確化 自主的な参加の促進 振り返りの実施 社内への共有 それぞれ解説します。 参加目的の明確化 越境学習は、ただ漠然と参加するだけでは効果がありません。 「いつもと違う環境で良い経験ができた」という抽象的な感想で終わらせないためにも、あらかじめ参加目的を掲げることが大切です。 社員には参加する理由を考えてもらい、目的を明確にするように促しましょう。 例えば、「多様な価値観に触れることでアイデアを生み出す力を鍛えたい」「視野を広げ、グローバルな市場で活躍できるスキルを身につけたい」などの具体的な目標を設定してもらいます。 目的が明確であれば、越境学習に対する意欲も向上し、より成果を出しやすくなります。 自主的な参加の促進 越境学習を強制すると、社員が「なぜ自分が体験を経験しなければならないのか」といった疑問や不満を抱く可能性があります。 そのため、社員の自主的な参加を推奨することが重要です。 社員が自分のキャリアに対する課題意識を持ち、越境学習の魅力を感じていれば、参加意欲も高まります。 魅力的なプログラムを設計するのはもちろん、さまざまな課題を的確に把握するなどの取り組みが必要です。 社員が積極的に参加することで、越境学習の効果も最大化されます。 振り返りの実施 越境学習の経験を業務に生かすには、ただ参加して終わりではなく、反省や自己分析といった「振り返り」を行う必要があります。 学習終了後は、社員に振り返りの時間を設けてもらうと良いです。 また、得られた知識や組織に還元したい点などを上司との面談で共有するのもおすすめです。 「自分が越境学習から何を得たのか」を明確に言葉にすることで、その後の行動につながりやすくなります。 社内への共有 越境学習に参加した社員には、その体験・知識を部署や会社全体で共有してもらいます。 個々の学びだけでなく、「会社の学び」として共有することで、組織全体の成長に寄与します。 具体的には、社内報に体験談を掲載したり、研修で得た知識を発表したりすると良いです。 ただし、他の社員が「自分たちに関係ない」「現状を変えるのは面倒だ」などと感じてしまうと、学びが生かされません。 新しい情報を受け入れることの重要性を日常的に社員に伝える必要もあります。 越境学習を導入する際の注意点 越境学習を取り入れる場合の注意点は、次の3つです。 全員参加が難しい 成果を出すプレッシャー 企業側のコスト負担 それぞれ解説します。 全員参加が難しい 越境学習への参加希望者が多すぎると、全員の希望を満たすことができない場合があります。 全員を参加させると業務に支障が出るおそれがあるからです。 希望していたのに参加できなかった社員から不満が出る可能性があるため、事前に全員参加は難しい旨を伝えておく必要があります。 成果を出すプレッシャー 越境学習に参加している間の自社の業務が一部免除されることがありますが、代わりに何らかの学びの成果を出すことが求められます。 しかし、越境学習の内容によっては明確な成果が得られない場合もあります。 参加した社員がプレッシャーを感じることがないよう、過度に厳しい成果を求めないようにしましょう。 企業側のコスト負担 越境学習の内容によっては、企業側にコストが発生する可能性があります。 例えば、有料の研修に参加させたり、社員が不在の間に代替要員を配置したりするなどの負担が考えられます。 そのため、参加者を選ぶ際は、発生するコストと得られる成果のバランスを見極めることが重要です。 まとめ 越境学習を導入する際は、参加目的の明確化、自主的な参加の促進、振り返りの実施、社内への共有といったポイントを押さえておくと成果を上げやすいです。 また、全員参加が難しかったり、成果を出すプレッシャーを感じられたりする点や企業側のコスト負担といった面に注意が必要になります。 ぜひ、今回の記事を参考にして、越境学習への取り組みを検討してみましょう。
2023.10.24
シェアドリーダーシップに取り組む際の5つのポイントと注意点を解説
チームづくりメンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮する組織づくりを目的に、シェアドリーダーシップの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。 シェアドリーダーシップに取り組む場合、効果的なポイントや注意点を押さえておくことが重要です。 今回は、シェアドリーダーシップを導入する際のポイントと注意点を解説します。 シェアドリーダーシップを導入する際の5つのポイント シェアドリーダーシップを導入する場合のポイントは、下記の5つです。 公式リーダーの選出 シェアドリーダーシップへの理解とリーダーシップの定義 全社的な理解の促進 エンパワーメントの推進 適切な振り返り それぞれ解説します。 公式リーダーの選出 メンバー各自がリーダーとなるシェアドリーダーシップの状況下でも、メンバーを取りまとめる公式なリーダーは必要です。 その場合、まとめ役にふさわしいのはもちろん、チームのパフォーマンスを最大化することができる人材の選出が欠かせません。 選ばれた公式リーダーは、研修の受講などによって、会議をスムーズに進めたりメンバーの成長や変化を促したりといったスキルを身につけておく必要があります。 シェアドリーダーシップへの理解とリーダーシップの定義 「シェアドリーダーシップ」とは何か、チームメンバー全員で把握し、理解を深めることが大切です。 また、シェアドリーダーシップでは一人ひとりの主体的な姿勢が求められます。 そのため、同じビジョンや目標をチーム全体で共有しておく必要があります。 公式リーダーがメンバーに対し、チームにおけるリーダーシップの定義や理想の組織イメージをしっかり伝えると良いです。 全社的な理解の促進 シェアドリーダーシップを効果的に取り入れるには、経営陣を含めた全社的な理解が必要です。 シェアドリーダーシップの導入で得られるメリットや従来のリーダーシップとの違いを伝え、理解を求めます。 メンバー全員がリーダーシップを発揮して業務に取り組みやすい環境をつくることが重要です。 エンパワーメントの推進 各メンバーに権限を与えて自律性を高める「エンパワーメント」の実施も効果的です。 エンパワーメントを取り入れることで一人ひとりに当事者意識が生まれ、自主性を持って業務に取り組めるようになります。 適切な振り返り リーダーとしての役割を自覚してもらうには、実行後に行う適切な振り返りが重要です。 振り返りにおすすめなのは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の「PDCAサイクル」です。 また、場合に応じて、Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)・ループの「OODAループ」の活用も効果があります。 シェアドリーダーシップを導入する際の注意点 シェアドリーダーシップを取り入れる際の注意点は下記の2つです。 目的・ビジョンの理解と確認 フォロワーシップの発揮 それぞれ解説します。 目的やビジョンの確認 シェアドリーダーシップでは、リーダーシップを発揮するメンバー全員がチームや企業全体の目的・ビジョンを把握し、理解しておく必要があります。 そのため、研修やワークショップ、定期的なミーティングを行い、方向性を随時確認することが大切です。 フォロワーシップの発揮 シェアドリーダーシップでは、リーダーシップだけでなく、フォロワーとしてメンバーをサポートする「フォロワーシップ」の発揮も大事なポイントです。 チームが最高のパフォーマンスを上げるには、メンバーそれぞれがリーダーとフォロワー両方の役割を持つ必要があります。 研修などでフォロワーシップについての理解も深めておくことが重要です。 まとめ シェアドリーダーシップは、公式リーダーの選出やシェアドリーダーシップへの理解などのポイントを押さえておくことでスムーズな取り組みが可能です。 また、目的・ビジョンの理解と確認、リーダーシップだけでなくフォロワーシップを発揮することに注意すると良いでしょう。 ぜひ、今回の記事を参考にしてシェアドリーダーシップの導入を検討してみてください。
2023.01.17
リスクマネジメントとは?企業を取り巻くリスクや必要性、類似用語を紹介!
チームづくり近年、社会環境の急速な変化に伴って、リスクマネジメントの重要性を認識する機会が増えています。 リスクを組織的に管理するため、リスクマネジメントにしっかり取り組みたいと考えている方も多いのではないでしょうか。 リスクマネジメントの基本を押さえておくことで、自社での活用を検討しやすくなるはずです。 今回の記事では、企業を取り巻くリスクについて紹介し、リスクマネジメントの必要性と類似用語との違いを解説します。 リスクマネジメントの概要と企業を取り巻くリスク 「リスクマネジメント」とは、経営を行う上で不利益になり得るリスクを組織的に管理し、損失の回避もしくは最小限に抑えることを指します。 もともとはアメリカの保険理論で、危険や危機を意味する「risk(リスク)」と、経営や管理、統御といった意味の「management(マネジメント)」を合わせた言葉です。 ただし、企業における「リスク」には、統計学的な「潜在的に起こり得る可能性」という意味合いが含まれます。 これは、国際標準化機構(ISO)で定められた国際的なガイドラインにおいて、リスクを「目的に対する不確実性の影響(Effect of uncertainty on objectives)」と定義していることからも明白です。 参考:「ISO31000:2009, Risk management」– Principles and guidelines 例えば、製造業の場合、商品を販売する市場や原料の市場は不確実性が高いものですが、事前に調査・分析を行っておくことである程度の影響予測ができます。 こういった事前の予測でリスクを回避したり低減したり、時にはリスクを取り、前に進む判断を行ったりすることが、企業におけるリスクマネジメントです。 企業を取り巻くリスクとしては他にも、売上減少やコンプライアンス違反、情報漏洩、製品不良による事故などがあり、さまざまな不確実性の影響検討が重要となります。 リスクマネジメントの必要性 従来より、企業が意思決定する際はリスクマネジメントを伴うケースがほとんどでした。 近年では多くの企業で業務のアウトソーシング化が進んでおり、外注先が営業停止した場合の連鎖的影響や品質問題といったリスクが顕在しています。 また、社会情勢や環境、価値観が変化したことでリスクが多様化しているため、それらに対応していかなければ最悪の場合、経営が悪化する可能性があります。 企業がリスクマネジメントの必要性をしっかり認識し、積極的に実施していくことが重要です。 リスクマネジメントの実施を認証するものとして、Pマーク(プライバシーマーク)やISMS(ISO27001)があるので、必要に応じて検討されることをおすすめします。 リスクマネジメントの類似用語 類似用語との違いを知っておくと、リスクマネジメントが理解しやすくなります。 リスクマネジメントと類似した言葉は、下記の3つです。 クライシスマネジメント リスクアセスメント リスクヘッジ それぞれについて解説していきます。 クライシスマネジメント 「クライシスマネジメント」とは、危機的状況は必ず発生するものという前提にもとづき、ある程度の機能不全が起こることを覚悟の上で行う対応を指します。 つまり、危機的状況を引き起こさないためにどう予防するか検討する「事前策」のリスクマネジメントに対し、クライシスマネジメントは危機が起きた後にどう対処するか検討する「事後策」です。 ただし、リスクマネジメントには事前策と事後策の両方の意味があり、クライシスマネジメントはリスクマネジメントの一部、という考え方もあります。 テロや自然災害、ウィルスといった想定を凌駕する事案の発生が相次ぎ、リスクを上回るより重大な対応という意味でもクライシスマネジメントは大きな注目を集めています。 リスクアセスメント 「リスクアセスメント」は、リスクマネジメントに類似した言葉の一つです。 「アセスメント」は、英語の「assessment」が語源で、「人やものごとを客観的に分析・評価すること」を意味します。 リスクマネジメントは、リスクの特定から分析・評価・対処までを含んだ全般的なリスク対応を指しますが、リスクアセスメントは特定から分析・評価までのプロセスを指しています。 つまり、リスクアセスメントのプロセスには、「対処」は入りません。 リスクマネジメントの中にリスクアセスメントがあると理解しておくとよいです。 リスクヘッジ 「リスクヘッジ」とは、主に金融取引で使われる言葉で、起こり得るリスクの程度を予測し、対応できる体制を取って備えることを指します。 ビジネスにおいて使われる場合、危険を予測し、それを避けるための対策を講じる、といった意味があり、リスクマネジメントとほぼ同義になりますが、リスクマネジメントは「企業における危機管理」のことです。 ビジネスシーン全般が背景の「リスクヘッジ」と、企業を背景とした「リスクマネジメント」との違いになります。 まとめ 企業を取り巻くリスクは年々多様化しており、リスクマネジメントの必要性も高まってきています。 あらかじめリスクマネジメントについて知っておくことで、リスクを組織的に管理することが可能になります。 ぜひ、今回の記事を参考にして、リスクマネジメントの本格的な取り組みを検討してみてください。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。