2022.12.13
チームづくり
「コンプライアンス研修をやることになったけど、まず何からしたらいいのだろうか」と悩んでいる方も多いかもしれません。
研修をスムーズに進めるためには、あらかじめしっかり準備をしておくことが重要です。
コンプライアンス研修を実施する場合、どのような準備が必要なのでしょうか。
今回は、コンプライアンス研修を実施するまでの準備について、その流れをわかりやすく解説します。
コンプライアンス研修を準備する際の流れは下記の通りです。
それぞれの段階で行うことについて説明します。
はじめに、コンプライアンス研修を行う目的を明確にしておきましょう。
目的が曖昧なまま準備を進めてしてしまうと、この後に決めるテーマや内容のポイントがブレてしまいます。
前回の記事でも紹介しましたが、研修の目的には主に下記の3つがあります。
新入社員に基本的なルールを教えるためなのか、コンプライアンス違反が起こった後の対応を教えるためなのか、といった実施目的を定めておくことが重要です。
目的を明確にしたら、研修のテーマと内容を決めていきます。
テーマを決める時のポイントとして、さまざまなコンプライアンス違反の事例を参考にすることが挙げられます。
その際は、事例を紹介するだけでなく、実際の業務の際に起こり得るコンプライアンス違反を研修に反映させると良いです。
また、社会的に話題性のあるテーマを取り上げれば、研修に対して興味・関心を持ちやすくなります。
そして研修内容を決める時は、業務や分野ごとにまとめながら行うのがおすすめです。
研修資料も、情報をまとめるように意識して作成すれば、受講者の予習や復習に大いに役立ちます。
次に、研修テーマごとの受講対象者を決めます。
同じテーマの研修を全社員が受ける必要はありません。
経歴や役職、業務内容によって最適な研修は異なるため、テーマごとに受講すべき社員カテゴリーを選択します。
例えば、コンプライアンスの基本や社会のルールがテーマなら新入社員を対象に、またコンプライアンス違反が起きた時の対処法などがテーマなら管理職を対象にするといった具合です。
テーマと内容が決まったら、研修の形式を決めていきます。
コンプライアンス研修の形式には、以下の4つがあります。
それぞれについて説明します。
コンプライアンス研修の一般的な形式として、社内での集合研修があります。
ほとんどの場合、総務や人事の担当者が講師として行うことになり、内容を練ったり、資料を作成したりなどの入念な準備が必要です。
担当者に大きな負担がかかる一方、コストや受講者の手間がかからないといったメリットもあります。
また、社内での集合研修は説明だけのインプット型になりがちですが、アウトプットを適度に取り入れるとスムーズな知識習得が可能になります。
特におすすめなのが、少人数グループで行う、コンプライアンスをテーマとしたディスカッションです。
こういった時間を取り入れることで、研修が活発化するのはもちろん、社員同士のコミュニケーションも図れます。
社内でコンプライアンス研修を実施する場合、専門の講師を呼んで行う形式もあります。
リスクマネジメントに精通した専門家や弁護士などに研修を行ってもらうことで、具体的な経験に基づいたより深い知識が身につきます。
研修全体ではなく、一部の時間を使って話してもらうのもおすすめです。
コストはかかりますが、新鮮かつメリハリのある研修を目指すなら検討の余地があります。
オンラインで行うことで、場所や時間を問わずにコンプライアンス研修の実施が可能です。
リモートワークが定着した現在では、オンライン研修やeラーニング研修も一般的になっています。
コンプライアンス研修が可能なシステムやツールを上手に選んで活用すると良いです。
社外で開催されている研修やセミナーに参加する形式もあります。
社外の人たちとの交流が図れたり、一般的な常識を得やすかったりといったメリットがある反面、自社や担当業務への活用が難しいといったデメリットもあります。
社外でのコンプライアンス研修に参加する際は、活用可能な内容なのかしっかり検討することが大切です。
コンプライアンス研修を準備する際は、目的を明確にしてからテーマ・内容を決め、対象社員と研修形式を決めていくという流れになります。
コンプライアンス研修にはさまざまなテーマや内容があるため、はじめに行う「目的の明確化」が最も重要と言えます。
最後に決めるべき研修形式も、自社に合ったものを選択すると良いでしょう。
何を準備すればいいのか迷っている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。


この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2025.07.22
日本におけるティール組織とは?具体的な国内事例も紹介!
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2023.11.21
サーバントリーダーシップでリーダーに求められるものとは?必要な10の特性について解説
チームづくりリーダー育成への取り組みを前向きに検討する際、サーバントリーダーシップの導入を考える方も多いのではないでしょうか。 サーバントリーダーシップを取り入れる際は、リーダーに求められる特性を把握しておく必要があります。 今回は、サーバントリーダーシップでリーダーに求められる10の特性について紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 サーバントリーダーシップのおさらい サーバントリーダーシップは、部下のニーズを最優先に考え、それに基づいて行動するリーダーシップ理論です。 リーダーからのトップダウンによる従来の支配型リーダーシップとは異なり、リーダーが部下の話を聞いて理解し、ともに協力して目標を達成するのがサーバントリーダーシップの特徴です。 一人ひとりの強みや主体性を引き出すことで、部下は自分が大切にされていると感じ、より良いパフォーマンスを上げられます。 ただし、サーバントリーダーシップを発揮するには、必要とされる特性をリーダーが持っておかなければいけません。 この理論を提唱したロバート・K・グリーンリーフ氏は、サーバントリーダーシップにおいてリーダーに求められる10の特性を挙げて定義付けています。 サーバントリーダーシップでリーダーに求められる10の特性 サーバントリーダーシップでリーダーに必要な10の特性は次のとおりです。 傾聴(Listening) 共感(Empathy) 癒し(Healing) 気づき(Awareness) 説得(Persuasion) 概念化(Conceptualization) 先見力(Foresight) 執事役(Stewardship) 人々の成長への関与(Commitment to the Growth of people) コミュニティづくり(Building community) それぞれについて解説します。 1.傾聴(Listening) リーダーには、部下の意見や考えを真剣に聞き、理解しようとする傾聴力が求められます。 話に耳を傾けるだけでなく、相手の話を否定せず、柔軟に受けとめる姿勢が大切です。 2.共感(Empathy) 部下の立場に立ち、気持ちや感情に寄り添うこともリーダーには欠かせない特性です。 リーダーの共感の姿勢が見えることで、部下は自分が理解され、尊重されていると感じることができます。 3.癒し(Healing) リーダーは、部下に安心感を与え、場合によっては心を癒す役割も持ちます。 チームをまとめて成果を上げるには、部下への精神的なフォローやサポートが必要です。 4.気づき(Awareness) 客観的な視点を持って自己を認識し、周りの状況について偏見なく見極めることも重要です。 これにより、リーダーはより効果的な意思決定を行うことができます。 5.説得(Persuasion) リーダーには、信頼関係を維持しながら部下を説得する能力も欠かせません。 サーバントリーダーシップに基づき、自主的な行動を促すような説得スキルが必要になります。 6.概念化(Conceptualization) 部下に対してわかりやすく伝える、つまり概念化する力も求められます。 リーダー自身のビジョンはもちろん、組織全体の目標なども概念化して部下に伝え、理解してもらうことが大切です。 7.先見力(Foresight) リーダーには、現在の状況を把握して未来を予測し、その結果に基づいて意思決定を行う能力が必要です。 先見力によってさまざまな対策を講じることができ、危機管理にも役立ちます。 8.執事役(Stewardship) 部下に対して適切な指導を行う、執事的な役割も求められます。 これにより、リーダーは部下に対して信頼性と信用性を示すことが可能です。 9.人々の成長への関与(Commitment to the Growth of people) リーダーは、部下の成長を支援する必要があります。 一人ひとりの長所を理解して引き出すことで、成長につなげられます。 10.コミュニティづくり(Building community) チームや組織内でのコミュニティを構築し、一体感を高めることも必要です。 最適なコミュニティでは、部下は自分が大切な一部であると感じ、自主的に行動するようになります。 まとめ サーバントリーダーシップは、部下のニーズを最優先に考え、それに基づいて行動するリーダーシップスタイルです。 今回紹介した10の特性は、リーダーが部下を尊重し、支援し、成長させるために重要な要素です。 これを踏まえてサーバントリーダーシップを発揮することで、組織の目標達成につながります。 サーバントリーダーシップに取り組む際は、リーダーに求められる特性を理解しておくとよいでしょう。
2024.01.16
アシミレーションのやり方は?実施する際の手順を紹介
チームづくりアシミレーションとは、上司と部下の相互関係を促すための組織開発の手法です。 生産性の向上やミスマッチの改善、一体感の醸成など、アシミレーションにはさまざまなメリットがあります。 ただし、導入を検討している場合、どのように実施すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。 今回は、アシミレーションを実施する際の手順を紹介します。 アシミレーションのやり方を詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。 事前準備 アシミレーションを実施する前に、下記の準備をしておくことが重要です。 実施計画を立てる ファシリテーターを決める それぞれ解説します。 実施計画を立てる まず、アシミレーションの実施にあたり、目的を明確にしておきます。 その目的に合わせて、実施日時や場所、集める関係者(上司と複数の部下)などの計画を立てることが大切です。 アシミレーションは、一般的に新しい上司が着任して3〜6ヶ月後くらいに実施します。 そのため、そのあたりの時期で上司と部下それぞれの予定を確認し、日時や場所を決定すると良いです。 ファシリテーターを決める 次に、アシミレーションの進行・調整役を務めるファシリテーターを決めます。 ファシリテーターは参加者から公平な意見を聞き出す必要があるため、第三者が担当するのがポイントです。 また、場を調整する役割も持つため、人選は慎重に行うことが重要です。 アシミレーションの実施 アシミレーションの実施は、次の3つのステップで行います。 上司の退出・部下の意見を聞き出す 部下の退出・上司が説明を受ける 部下の入室・上司がコメントする それぞれ解説します。 1.上司の退出・部下の意見を聞き出す 上司と部下、ファシリテーターが集まってアシミレーションの実施目的や手順を確認しあい、その後いったん上司は退席します。 上司が退席したら、ファシリテーターは部下から上司に対する意見や質問を聞き出します。 例えば、次のようなポイントを押さえて意見を聞き出すと効果的です。 上司に関して知っていること、知りたいこと 上司に望むこと、やめてほしいこと チームや部下について知ってほしいこと ファシリテーターは率直な意見を引き出すよう、場を和ませるなどの工夫をします。 また、出てきた意見や質問はしっかりメモを取っておきます。 2.部下の退出・上司が説明を受ける ある程度部下からの意見・質問を引き出せたら退出してもらい、上司を呼んで入室してもらいます。 ファシリテーターは、発言した部下の名前は伏せて、意見・質問の内容のみを上司に説明します。 この場合、上司が動揺したり感情的になったりするおそれがありますが、ファシリテーターは配慮しながら伝えることが重要です。 加えて、中立の立場のまましっかりアドバイスをする必要もあります。 3.部下の入室・上司がコメントする 最後に部下が入室し、上司は出てきた意見に対してコメントをしたり、質問に答えたりします。 もし自分の意図が誤解されて受け止められていたようなら、その内容を率直に説明すると良いです。 また、改善の努力などを伝え、部下に協力を仰いだり意見を求めたりすることで相互理解が深まります。 まとめ アシミレーションの実施方法は、それほど難しくありません。 事前にしっかり準備をしておくとスムーズに進みます。 まず、実施の目的を明確にし、時期や場所、誰を集めるかといった計画を立てます。 次に、ファシリテーターを決めますが、ファシリテーターは重要な役割を持つため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。 実施の際の手順は、次の通りです。 上司の退出・部下の意見を聞き出す 部下の退出・上司が説明を受ける 部下の入室・上司がコメントする アシミレーションの導入を検討している場合、ぜひ参考にしてみてください。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。