2025.05.31
チームづくり
目次
5月に入ると新入社員や異動した社員のパフォーマンスが低下し、「なんとなく元気がない」「遅刻や欠勤が増えた」といった変化が見られる場合も多いのではないでしょうか。
これらは「五月病」の可能性があります。
担当者として、どのような社員がかかりやすいのか、どんな症状が現れるのかを把握しておくことは、早期発見・早期対応のために重要です。
そこで本記事では、五月病の概要やなりやすい人の特徴、具体的な症状について解説します。
ぜひ、参考にしてみてください。
「五月病」とは、4月に新しい環境での生活をスタートし、その緊張状態が続いた後、ゴールデンウィークの連休で緊張が緩み、5月初旬頃から現れる心身の不調のことです。
正式な医学用語ではなく、医学的には「適応障害」や初期の「うつ病」として診断されることがあります。
五月病は、就職や転勤、異動などで環境が変わった後に生じるストレスが原因となり、心と身体のバランスが崩れることで発症します。
主な要因として挙げられるのは、次の4つです。
放っておくとうつ病へと進行するリスクもあるため、早めの対策が必要です。
五月病は誰にでも起こりうるものですが、特に次のような特徴を持つ人がなりやすいとされています。
それぞれ解説します。
几帳面で真面目、完璧を求める傾向がある人は、環境の変化に対応しようと無理をしがちです。
ミスを許せず、常に高い基準を自分に課すため、些細な失敗でも過度に落ち込んでしまいます。
「もっと頑張らなければ」という思いから自分を追い詰めて心身に負担をかけ、疲労が蓄積していきます。
責任感が強いタイプの人は、周囲の期待に応えようとするあまり、自分の限界を超えて無理する傾向があります。
「嫌」と言えずに仕事を引き受け、ストレスが溜まりやすくなっているかもしれません。
新しい環境では人間関係の構築が必要ですが、人見知りや対人関係に不安を感じる人は、この過程でより大きなストレスを抱えやすくなります。
雑談や初対面の会話に緊張し、毎日の人間関係がエネルギーを消耗する大きな要因となります。
「こんなことで相談してはいけない」「迷惑をかけたくない」と考え、悩みを一人で抱え込む人は、心の中にストレスが蓄積しやすくなります。
特に新しい環境では「弱みを見せたくない」「自分だけができていないと思われたくない」という思いが強く、問題を表面化させず内側に溜め込んでしまいます。
結果として、小さな悩みも大きなストレスに発展しやすくなるのです。
五月病の症状は、「身体」「こころ」「行動」の3つの側面に現れ、それぞれが複雑に絡み合いながら、「自分でも理由がわからないつらさ」として表れます。
ここでは、それぞれの側面の症状について解説します。
身体的な症状は、自律神経のバランスが崩れることで引き起こされます。
ストレスによって交感神経(活動モード)が過剰に働き、副交感神経(休息モード)がうまく機能しなくなることで身体が常に緊張状態となり、疲れが蓄積していきます。
心の面での不調も顕著に現れます。
これらの精神症状は、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることも関係していると言われています。
五月病は日常の行動パターンにも変化をもたらします。
行動変化は心身の不調が表面化したサインであり、気づきやすい変化でもあります。
早期発見・対応のきっかけになることもあるため、自分や周りの人の変化に注意を払うことが大切です。
五月病は、環境変化などによるストレスが原因で起こる心と身体の不調です。
几帳面で真面目、責任感が強い、人見知りなどの特徴を持つ人がなりやすく、睡眠障害や疲労感などの身体的不調、気分の落ち込みや無気力感などの精神的不調、遅刻・欠勤の増加などの行動変化として現れます。
放っておくとうつ病に進行するリスクもあるため、早めの対処が必要です。
今回の記事を参考に、五月病の兆候に早めに気づき、社員の健康維持と組織の生産性向上につなげていきましょう。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2024.04.09
新入社員を効果的に育成するオンボーディングとは?目的やメリットを紹介
チームづくり近年、新入社員をスムーズに仕事に導くための「オンボーディング」という手法が評価を集めています。 この手法は、社員が初期の段階で挫折せずに戦力として成長できるようにサポートするものです。 そのため、新入社員の育成方法としてオンボーディングを取り入れたいと思っている方も多いのではないでしょうか。 今回は、オンボーディングについて、その目的やメリットを紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 オンボーディングの目的 オンボーディングを企業が取り入れる目的として挙げられるのは、次の2つです。 新入社員の早期戦力化 人材の定着率向上 それぞれ解説します。 新入社員の早期戦力化 オンボーディングの基本的な考え方は、物事に新しく取り組む人がそれを習慣化するまでの期間をサポートすることです。 特にビジネスの場面では、新入社員が速やかに職務や職場環境になじむための育成プログラムとしてオンボーディングが用いられます。 企業の人材育成において、新入社員の早期戦力化は最優先事項です。 オンボーディングの実施で、新入社員が業務の進め方や必要な知識を早期に習得し、企業のルールや文化を理解することが可能です。 人材の定着率向上 オンボーディングのもう一つの目的は、人材の定着率を高めることです。 厚生労働省が令和5年10月に発表した令和2年3月卒業者の離職状況によると、新規高卒就職者の37%、新規大卒就職者の32.3%が就職後3年以内に離職しています。 少子高齢化による人材不足も問題となっており、企業は新規採用者を引き留めるために受け入れ体制の見直しを図る必要があります。 新入社員は、自分が会社でやっていけるかどうか、といった不安を抱えていることが多いものです。 適切な育成プログラムを通じて早期に会社になじみ、自分の居場所を見つけられれば、成長する前に辞めてしまうことも少なくなります。 オンボーディングを取り入れることで、社員の離職防止と人材定着の効果が期待できます。 参考:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省 オンボーディングのメリット オンボーディングを行うことで、企業や社員にどのようなメリットがあるのでしょうか。 オンボーディングによるメリットは下記の3つです。 一人ひとりの即戦力化が早められる 企業への貢献度が高まる 社員の結束が強まる 採用コストを削減できる それぞれ解説します。 一人ひとりの即戦力化が早められる オンボーディングを通じて適切な育成プログラムを構築することで、新入社員は効果的に業務を習得できます。 さらに、先輩社員とのコミュニケーションを早めに図れば質問もしやすくなり、仕事を覚える過程で生じた疑問点もスムーズに解決できるはずです。 その結果、新入社員一人ひとりの即戦力化を早めることができます。 企業への貢献度が高まる オンボーディングの導入で、新入社員は入社後の明確なキャリアパスを示されていれば、企業からの期待を実感できます。 入社直後から組織の一員として受け入れられることで、企業への貢献度が高まるはずです。 その環境の中で習得スピードを上げていけば、さらに仕事に打ち込みやすくなります。 社員の結束が強まる オンボーディングは、新入社員の教育を担当者だけに任せる育成方法とは異なります。 新入社員と企業の融和を促進するため、多くの既存社員が関わる必要があり、社員間の協力体制や一体感を醸成する機会も増えていきます。 新入社員の育成にとどまらず、既存社員同士の連携強化にも効果を発揮するのがオンボーディングです。 社員全員の結束が強まることで、企業の業績向上が期待できます。 採用コストを削減できる オンボーディングを取り入れ、離職防止を図ることができれば、人材の定着が進みます。 人材の定着率が向上することで採用関連のコストが減少するのも大きなメリットです。 その分の資金を企業への再投資や社員の給与アップに回せるため、組織のさらなる活性化が期待できます。 まとめ オンボーディングは、近年、多くの企業で取り入れられている育成方法の一つです。 導入の目的は、主に新入社員の早期戦力化や人材の定着率向上などです。 メリットとして、早期に戦力になる、企業への貢献度が高まる、社員の結束が強まる、採用コストを削減できるといったものがあります。 ぜひ今回の記事を参考に、新入社員の育成方法としてオンボーディングの導入を検討してみてみることをおすすめします。
2025.07.08
レディネスを活用するシーンは?取り入れる際のポイントや具体的な方法も紹介
チームづくり準備状態を整える意味を持つ「レディネス」は、人材育成の効果を最大化するために注目されている概念の一つです。 しかし、レディネスを具体的にどのようなシーンに取り入れ、どうやって活用すればいいのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、レディネスの活用シーンを紹介し、取り入れる際のポイントや具体的な方法についても解説します。 ぜひ、参考にしてみてください。 レディネスの活用シーン レディネスは現代のビジネス環境において、さまざまな場面で効果的に活用されています。 学生の段階では、インターンシップを通じて実際の職場環境を体験することで、将来の就業に向けた心構えと準備意識を高められます。 また企業内においては、社員のキャリア形成をサポートする複数の仕組みの中で使われる場合が多いです。 たとえば企業内研修では、スキル習得を超えて経営体質強化に直結する内容を通じ、社員の成長への準備状態を整えます。 メンター制度では、経験豊富な先輩が後輩の成長をサポートし、従来の師弟関係に代わる新しい人材育成の形として機能しています。 さらに、組織の枠を超えた学習機会も重要な活用場面の一つです。 越境学習では、異なる環境での経験を通じて新たな気づきを得て、自分の可能性を広げる準備を行います。 社会人大学や海外留学といった継続的な学習機会も、専門性の向上やグローバル人材としての成長に向けた重要な準備段階として位置づけられ、個人のキャリア発展に寄与しています。 レディネスを取り入れる際のポイント レディネスを取り入れる際は、下記の2つのポイントを押さえておくことが重要です。 コミュニケーションを適切に行う 継続的なサポート体制を構築する それぞれ解説します。 コミュニケーションを適切に行う レディネスの活用において、質の高いコミュニケーションは欠かせません。 社員の将来への希望やキャリアビジョンについて、オープンで建設的な話し合いができる関係性を築くことが重要になります。 厚生労働省のデータでも示されているように、働き方の展望やキャリア形成について十分な意思疎通が図れている組織では、人材の定着率が著しく向上することが確認されています。 社員が「自分の描く将来像について理解してもらえている」「適切な指導や助言を受けられている」と感じられる環境を整えることで、組織への帰属意識も高まります。 継続的なサポート体制を構築する レディネスを活用するためには、一時的な取り組みではなく、継続的なサポート体制の構築が必要です。 社員が気軽に相談や質問ができる雰囲気を醸成し、定期的な面談などの日常的にフォローアップを行える体制を整えることが求められます。 このようなサポート環境が整っていると、社員は「理想とする姿に到達するために必要なスキルは何か」「現在の自分に不足している要素は何か」といった課題を明確に把握できるようになります。 レディネス向上のための具体的な方法 レディネス向上のために実践できる具体的な方法は、下記の3つです。 意義・目的を明確にする 準備の環境や機会を提供する 適切なサポートとフィードバックを行う それぞれ解説します。 意義・目的を明確にする レディネス向上の第一歩として、はじめに成長や学習の意義を明確に伝えます。 「なぜこのスキルが必要なのか」「習得することで個人や組織にどのような価値をもたらすのか」を具体的に説明し、学習への関心と関連性を高めることが重要です。 特に、個人の将来ビジョンと現在の取り組みを関連付けて、強い目的意識を醸成するのがおすすめです。 準備の環境や機会を提供する レディネスを高めるためには、個人のニーズや課題を把握し、成長に向けて準備できる環境と機会を提供することが不可欠です。 具体的には、現状把握のためのアセスメントの実施、必要なスキルや知識を身につけるための学習リソースの提供、実践的な経験を積める機会の創出などが挙げられます。 また、越境学習やメンター制度など、さまざまな学習形態を組み合わせることで、個人の特性や状況に適した成長環境を整備できます。 適切なサポートとフィードバックを行う レディネスの向上は一時的な取り組みではなく、継続的なプロセスとして捉える必要があります。 成長過程を定期的に確認し、適切なサポートとフィードバックを提供することで、学習への意欲と自信の維持・向上が可能です。 効果的なサポートには、学んだ内容を実践できる場の提供、定期的な振り返り、成果に対する適切な評価などが含まれます。 特に、ポジティブなフィードバックは、自信向上と次の学習への意欲につながります。 また、課題や困難に直面した際の具体的なアドバイスも、継続的な成長の促進に必要です。 このような継続的なサポート体制は、レディネス向上だけでなく、将来の学習機会に対する前向きな姿勢を育成することにも役立ちます。 まとめ レディネスは、インターンシップや企業内研修、メンター制度など幅広いシーンで活用できる概念です。 効果的に取り入れるためには、質の高いコミュニケーション、継続的なサポート体制、そして学習の意義明確化や適切なフィードバックがポイントとなります。 ぜひ、今回の記事を参考にして、人材育成戦略にレディネスの導入を検討してみることをおすすめします。
2022.12.13
コンプライアンス研修の準備方法|実施までの流れをわかりやすく解説!
チームづくり「コンプライアンス研修をやることになったけど、まず何からしたらいいのだろうか」と悩んでいる方も多いかもしれません。 研修をスムーズに進めるためには、あらかじめしっかり準備をしておくことが重要です。 コンプライアンス研修を実施する場合、どのような準備が必要なのでしょうか。 今回は、コンプライアンス研修を実施するまでの準備について、その流れをわかりやすく解説します。 コンプライアンス研修の準備の流れ コンプライアンス研修を準備する際の流れは下記の通りです。 研修の目的を決める テーマ・内容を決める 対象者を決める 研修形式を決める それぞれの段階で行うことについて説明します。 研修の目的を決める はじめに、コンプライアンス研修を行う目的を明確にしておきましょう。 目的が曖昧なまま準備を進めてしてしまうと、この後に決めるテーマや内容のポイントがブレてしまいます。 前回の記事でも紹介しましたが、研修の目的には主に下記の3つがあります。 コンプライアンス知識の理解 コンプライアンス違反へのリスクヘッジ 企業の価値向上 新入社員に基本的なルールを教えるためなのか、コンプライアンス違反が起こった後の対応を教えるためなのか、といった実施目的を定めておくことが重要です。 テーマ・内容を決める 目的を明確にしたら、研修のテーマと内容を決めていきます。 テーマを決める時のポイントとして、さまざまなコンプライアンス違反の事例を参考にすることが挙げられます。 その際は、事例を紹介するだけでなく、実際の業務の際に起こり得るコンプライアンス違反を研修に反映させると良いです。 また、社会的に話題性のあるテーマを取り上げれば、研修に対して興味・関心を持ちやすくなります。 そして研修内容を決める時は、業務や分野ごとにまとめながら行うのがおすすめです。 研修資料も、情報をまとめるように意識して作成すれば、受講者の予習や復習に大いに役立ちます。 対象者を決める 次に、研修テーマごとの受講対象者を決めます。 同じテーマの研修を全社員が受ける必要はありません。 経歴や役職、業務内容によって最適な研修は異なるため、テーマごとに受講すべき社員カテゴリーを選択します。 例えば、コンプライアンスの基本や社会のルールがテーマなら新入社員を対象に、またコンプライアンス違反が起きた時の対処法などがテーマなら管理職を対象にするといった具合です。 研修形式を決める テーマと内容が決まったら、研修の形式を決めていきます。 コンプライアンス研修の形式には、以下の4つがあります。 社内で行う 講師を呼んで行う オンラインで行う 社外研修への参加 それぞれについて説明します。 社内で行う コンプライアンス研修の一般的な形式として、社内での集合研修があります。 ほとんどの場合、総務や人事の担当者が講師として行うことになり、内容を練ったり、資料を作成したりなどの入念な準備が必要です。 担当者に大きな負担がかかる一方、コストや受講者の手間がかからないといったメリットもあります。 また、社内での集合研修は説明だけのインプット型になりがちですが、アウトプットを適度に取り入れるとスムーズな知識習得が可能になります。 特におすすめなのが、少人数グループで行う、コンプライアンスをテーマとしたディスカッションです。 こういった時間を取り入れることで、研修が活発化するのはもちろん、社員同士のコミュニケーションも図れます。 講師を呼んで行う 社内でコンプライアンス研修を実施する場合、専門の講師を呼んで行う形式もあります。 リスクマネジメントに精通した専門家や弁護士などに研修を行ってもらうことで、具体的な経験に基づいたより深い知識が身につきます。 研修全体ではなく、一部の時間を使って話してもらうのもおすすめです。 コストはかかりますが、新鮮かつメリハリのある研修を目指すなら検討の余地があります。 オンラインで行う オンラインで行うことで、場所や時間を問わずにコンプライアンス研修の実施が可能です。 リモートワークが定着した現在では、オンライン研修やeラーニング研修も一般的になっています。 コンプライアンス研修が可能なシステムやツールを上手に選んで活用すると良いです。 社外研修への参加 社外で開催されている研修やセミナーに参加する形式もあります。 社外の人たちとの交流が図れたり、一般的な常識を得やすかったりといったメリットがある反面、自社や担当業務への活用が難しいといったデメリットもあります。 社外でのコンプライアンス研修に参加する際は、活用可能な内容なのかしっかり検討することが大切です。 まとめ コンプライアンス研修を準備する際は、目的を明確にしてからテーマ・内容を決め、対象社員と研修形式を決めていくという流れになります。 コンプライアンス研修にはさまざまなテーマや内容があるため、はじめに行う「目的の明確化」が最も重要と言えます。 最後に決めるべき研修形式も、自社に合ったものを選択すると良いでしょう。 何を準備すればいいのか迷っている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。