五月病とは?なりやすい人の特徴や症状について解説

5月に入ると新入社員や異動した社員のパフォーマンスが低下し、「なんとなく元気がない」「遅刻や欠勤が増えた」といった変化が見られる場合も多いのではないでしょうか。

これらは「五月病」の可能性があります。

担当者として、どのような社員がかかりやすいのか、どんな症状が現れるのかを把握しておくことは、早期発見・早期対応のために重要です。

そこで本記事では、五月病の概要やなりやすい人の特徴、具体的な症状について解説します。

ぜひ、参考にしてみてください。

五月病とは

「五月病」とは、4月に新しい環境での生活をスタートし、その緊張状態が続いた後、ゴールデンウィークの連休で緊張が緩み、5月初旬頃から現れる心身の不調のことです。

正式な医学用語ではなく、医学的には「適応障害」や初期の「うつ病」として診断されることがあります。

五月病は、就職や転勤、異動などで環境が変わった後に生じるストレスが原因となり、心と身体のバランスが崩れることで発症します。

主な要因として挙げられるのは、次の4つです。

  • 新生活への適応努力によるストレスの蓄積
  • 春から初夏への季節の変化による体調変化
  • 連休明けの現実とのギャップ
  • 新しい人間関係構築の負担

放っておくとうつ病へと進行するリスクもあるため、早めの対策が必要です。

五月病になりやすい人の特徴

五月病は誰にでも起こりうるものですが、特に次のような特徴を持つ人がなりやすいとされています。

  • 几帳面で真面目なタイプ
  • 責任感が強いタイプ
  • 人見知りで人間関係が苦手なタイプ
  • 悩みを一人で抱え込むタイプ

それぞれ解説します。

几帳面で真面目なタイプ

几帳面で真面目、完璧を求める傾向がある人は、環境の変化に対応しようと無理をしがちです。

ミスを許せず、常に高い基準を自分に課すため、些細な失敗でも過度に落ち込んでしまいます。

「もっと頑張らなければ」という思いから自分を追い詰めて心身に負担をかけ、疲労が蓄積していきます。

責任感が強いタイプ

責任感が強いタイプの人は、周囲の期待に応えようとするあまり、自分の限界を超えて無理する傾向があります。

「嫌」と言えずに仕事を引き受け、ストレスが溜まりやすくなっているかもしれません。

人見知りで人間関係が苦手なタイプ

新しい環境では人間関係の構築が必要ですが、人見知りや対人関係に不安を感じる人は、この過程でより大きなストレスを抱えやすくなります。

雑談や初対面の会話に緊張し、毎日の人間関係がエネルギーを消耗する大きな要因となります。

悩みを一人で抱え込むタイプ

「こんなことで相談してはいけない」「迷惑をかけたくない」と考え、悩みを一人で抱え込む人は、心の中にストレスが蓄積しやすくなります。

特に新しい環境では「弱みを見せたくない」「自分だけができていないと思われたくない」という思いが強く、問題を表面化させず内側に溜め込んでしまいます。

結果として、小さな悩みも大きなストレスに発展しやすくなるのです。

五月病の症状

五月病の症状は、「身体」「こころ」「行動」の3つの側面に現れ、それぞれが複雑に絡み合いながら、「自分でも理由がわからないつらさ」として表れます。

ここでは、それぞれの側面の症状について解説します。

身体的不調

身体的な症状は、自律神経のバランスが崩れることで引き起こされます。

  • 睡眠障害:寝つきが悪い、途中で目が覚める、熟睡感がない
  • 疲労感・倦怠感:十分休んでも疲れが取れない、朝起きるのがつらい
  • 頭痛やめまい:慢性的な頭痛や立ちくらみを感じる
  • 食欲不振:食事がおいしく感じられない、胃が重く感じる

ストレスによって交感神経(活動モード)が過剰に働き、副交感神経(休息モード)がうまく機能しなくなることで身体が常に緊張状態となり、疲れが蓄積していきます。

精神的不調

心の面での不調も顕著に現れます。

  • 気分の落ち込み:理由なく気分が沈む、何をしても楽しくない
  • 無気力感:やる気が出ない、何もする気になれない
  • 集中力の低下:仕事や勉強に集中できない、ミスが増える
  • 不安感:漠然とした不安を感じる、落ち着かない
  • 自己否定感:「自分はダメだ」という思いが強まる

これらの精神症状は、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることも関係していると言われています。

行動変容

五月病は日常の行動パターンにも変化をもたらします。

  • 遅刻・欠勤の増加:朝起きられない、学校や会社に行くのが億劫になる
  • 対人関係の回避:人との交流が面倒に感じられ、一人でいる時間が増える
  • 生活リズムの乱れ:夜更かしが増える、食事時間が不規則になる
  • 趣味への興味喪失:これまで楽しんでいた活動にも関心が持てなくなる

行動変化は心身の不調が表面化したサインであり、気づきやすい変化でもあります。

早期発見・対応のきっかけになることもあるため、自分や周りの人の変化に注意を払うことが大切です。

まとめ

五月病は、環境変化などによるストレスが原因で起こる心と身体の不調です。

几帳面で真面目、責任感が強い、人見知りなどの特徴を持つ人がなりやすく、睡眠障害や疲労感などの身体的不調、気分の落ち込みや無気力感などの精神的不調、遅刻・欠勤の増加などの行動変化として現れます。

放っておくとうつ病に進行するリスクもあるため、早めの対処が必要です。

今回の記事を参考に、五月病の兆候に早めに気づき、社員の健康維持と組織の生産性向上につなげていきましょう。

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