2024.01.30
チームづくり
若手社員の離職の原因として、職場での世代間ギャップによるコミュニケーション不足が挙げられます。
職場ではさまざまな年代の社員が働いているため、価値観などが合わずお互いにストレスを抱えるケースも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、世代間ギャップが注目されている背景について解説し、4つの事例を紹介します。
世代間ギャップを解消して若手社員の離職防止につなげたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「世代間ギャップ」とは、異なる世代の人々の間に存在する価値観や行動様式の違いを指す言葉です。
近年、社会は急速な変化を遂げており、情報やグローバル化の進展、多様な働き方といったさまざまな新しい環境が世代間ギャップの拡大につながっています。
例えば、上の世代の人々は新しい技術を知ってはいても、それを小さい頃から使い慣れている若者たちとは、感覚や考え方に違いがあります。
また、今は将来がどうなるかわからず、どうすればいいかも不確かな時代です。
このような時代において、新たなアイデアを創出したり挑戦したりするには、世代間ギャップを超えて一人ひとりの個性を発揮することが重要です。
職場における世代間ギャップの事例として、下記の4つが代表的です。
それぞれ解説します。
最近では、内閣府が推進するワーク・ライフ・バランスや終身雇用の崩壊などの影響で、仕事よりも私生活を重視する若者が増えています。
例えば、「残業は避けたい」「給料は適度で良い」「プライベートを充実させたい」といった考え方を持つ傾向があります。
一方、昭和世代の人たちは、企業の都合を個人の都合よりも優先すべきだと考えることが多いです。
仕事で急用があれば、プライベートの用事を断ってでも対応するという感覚を持っている人もいます。
ただしこれは、どちらが良い悪いという問題ではありません。
仕事に対する姿勢や感覚が世代によって異なることがジェネレーションギャップとして現れ、時には衝突の原因になる可能性もあります。
終身雇用の崩壊に伴い、従業員の企業への帰属意識は過去に比べて低下しています。
昭和の時代には年功序列や終身雇用が当たり前で、企業が従業員の人生を保証し、その代わり従業員は企業に忠誠を尽くすという関係がありました。
しかし、現代では大企業でも倒産のリスクがあり、企業買収や事業売却が一般的になる中で、「企業に従って自分の身を保証してもらう」という考え方が薄れています。
このため、企業のミッションやビジョン、コミュニティとしての価値を基軸に、従業員の帰属意識を高める取り組みが求められています。
また、マネジメントにおいても、従業員に一方的に企業や上司の指示に従わせようとするとトラブルが生じやすいため注意が必要です。
LINEや他のメッセージアプリの普及によって、報告方法についても変化が現れています。
例えば、スマートフォンが普及する前から働いている世代の多くは、報告や連絡、相談は口頭で行うべきだと考えがちです。
しかし、現代の若者はテキストメッセージに慣れ親しんでおり、LINEやチャットなどでこれらを行うことにメリットを見出しています。
そのため、「仕事の邪魔にならない」といった気遣いによってテキストメッセージで報告する傾向があります。
テキストメッセージのみの連絡を非礼だと感じる年上世代とのギャップが生まれるケースが多い事例です。
昔はほとんどの家に固定電話があり、電話を受けたり誰かにつないだりするのは普通のことでした。
しかし、最近の若者は幼少時からスマートフォンでメッセージのやり取りを行っており、固定電話を使ったコミュニケーションに慣れていないと言えます。
電話自体が苦手な人も多く、特に新入社員の中には、電話対応の仕事に抵抗を感じる人が増えているようです。
近年、社会の急速な変化に伴い、環境が新しくなったことで「世代間ギャップ」が拡大しています。
異なる世代の人々に生じる価値観や行動様式の違いは、職場におけるさまざまな弊害につながりかねません。
若手の離職防止のためにも、今回紹介した事例を参考に、世代間ギャップへの対応を図ってみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2025.05.20
人間力を高めるには?日常で取り入れやすい具体的な3つの方法も紹介!
チームづくり人間力が高い人は、ビジネスでも日常生活でも信頼され、周囲と良好な関係を築きながら活躍しています。 しかし、人間力を高めるにはどのようにしたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、人間力を高めるにはどうしたらいいのか、その概要を解説し、日常で取り入れられる具体的な3つの方法を紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 人間力を高めるには 人間力とは、スキルや資格といった表面的な能力ではなく、より深い人格や器量に関わる総合的な力です。 人間力を高めるためには、自分自身を「当事者」と捉え、責任感を持って行動する主体性が基盤となります。 刺激にすぐに反応するのではなく、一度立ち止まって選択する習慣を身につけることで、この主体性は育まれていくものです。 また、将来の自分像を明確にし、「どのような人間になりたいか」という問いに向き合うことで、日々の決断や行動に一貫性が生まれ、周囲からの信頼を得やすくなります。 視野を広げてさまざまな見方を知ることで思考の幅が広がり、他者への理解や尊重にもつながります。 さらに、日常の中で目的意識を持ち、一日の終わりに自分の行動を振り返る習慣も大切です。 人間関係においては、相手への敬意と理解の姿勢が欠かせません。 互いを尊重し合い、相手の立場や考えを理解しようと努めることで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。 これらのポイントは日々の積み重ねによって習慣となり、やがて人間性として定着していきます。 人間力を高めるとは、日々の小さな選択と行動の中で、より良い自分を目指す継続的な取り組みなのです。 人間力を高める具体的な方法 それでは、人間力を日常で高めていくには、どのようにすればよいのでしょうか。 人間力を高める具体的な方法として挙げられるのは、次の3点です。 理想の姿を意識して行動する 他者への思いやりを持つ 知識をアップデートする それぞれ解説します。 理想の姿を意識して行動する 「なりたい自分」を明確に描くことが、人間力向上の第一歩です。 具体的な理想像を持つことで、日々の選択や行動に一貫性が生まれます。 この理想像は、歴史上の偉人でも、身近な尊敬する人でもよいです。 理想像を持つことは、模倣ではなく、自分自身の軸を育てる過程でもあります。 「この状況で、あの人ならどう判断するだろう」と自問することで、理想に近づく選択ができるようになります。 特に困難な場面では、怒りや焦りに任せる前に、一瞬立ち止まって理想像を思い浮かべることが重要です。 他者への思いやりを持つ 人間力の本質は、自分と他者との関係性の中にあります。 私たちは常に誰かの助けを借り、誰かに影響を与えながら日々を過ごしています。 この相互依存の関係の中で、思いやりの心を持つことは、人間社会で生きていくための大事なポイントです。 職場では、役職や立場に関わらず、一人ひとりを個性ある人間として尊重する姿勢が必要です。 意見の衝突があったときこそ、相手を非難する前に「自分に改善点はなかったか」と内省する習慣が、人間としての深みを生み出します。 また、日常のあらゆる場面で「ありがとう」と感謝の気持ちを表現することも、人間力を高める大切な習慣です。 知識をアップデートする 常に学び続ける姿勢も、人間力の重要な側面です。 現代社会は急速に変化し、昨日の常識が今日は通用しないこともあります。 ちょっとした疑問に「なぜだろう」と立ち止まって調べてみる習慣や、新しい情報に触れればすぐに意味を確認する好奇心、こうした小さな行動の積み重ねが、知的な柔軟性を生み出します。 特に効果的なのが、得た知識を誰かに説明してみることです。 人に伝えるために情報を整理し言語化する過程で、知識は確実に自分のものになります。 また、一日の終わりに「今日の出来事から何を学んだか」と振り返る時間を持つことで、経験が将来に活かしやすくなります。 まとめ 人間力の向上は一朝一夕では達成できませんが、「理想の姿を意識する」「他者への思いやりを持つ」「知識を常にアップデートする」という3つの実践から始められます。 これらを日々の小さな習慣として積み重ねることで、社員一人ひとりの成長と組織全体の信頼関係構築につながります。 人材育成の新たな視点として、ぜひ社内研修や日常的なコミュニケーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。
2024.09.19
ピグマリオン効果をビジネスに活かすには?活用方法や具体例を紹介
チームづくり「ピグマリオン効果」は、他者からの期待が個人の成果や行動に影響を与えるという心理現象です。 近年、ピグマリオン効果を活用してビジネスや人材育成を図るケースが増えています。 ピグマリオン効果をビジネスや人材育成に活かしたい場合、どのようにしたらいいのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、ビジネスにおけるピグマリオン効果の活用方法や具体例を紹介します。 ぜひ参考にしてみてください。 ビジネスにおけるピグマリオン効果の活用方法 ビジネスにおけるピグマリオン効果の活用方法として挙げられるのは、次の3つです。 前向きな対話で部下の潜在能力を引き出す 適切な裁量を与えて信頼を示す プロセスを重視した評価を行う それぞれ解説します。 前向きな対話で部下の潜在能力を引き出す 部下との関わり方において、批判的な姿勢を避け、常に建設的な対話を心掛けることが大切です。 これにより、潜在能力を引き出すピグマリオン効果を活用できる可能性が高まります。 たとえば、営業成績が目標に届かなかった際、厳しい叱責や否定的な反応を示すと、見捨てられたと感じられてやる気を失うおそれがあります。 リーダーは部下に対し、欠点を指摘するのではなく、努力や成果を認め、励ますような対話を意識することが重要です。 このような前向きな態度が、部下に期待されているという実感を与え、その期待に応えようとする意欲を引き出します。 適切な裁量を与えて信頼を示す 部下に適切な範囲で業務の裁量を与えることは、上司からの信頼と期待を明確に示す効果的な方法です。 ただし、過度の管理は部下の自信を損なう可能性があるため、細かすぎる指示は避けて部下の判断力を信じる必要があります。 また、言葉で期待を伝えるだけでなく、実際に責任ある仕事を任せれば、ピグマリオン効果がより強く発揮されます。 プロセスを重視した評価を行う 新たな責任を任された部下が、すぐ期待通りの成果を出せるとは限りません。 特に、慣れない業務や高度な課題に直面した際はなおさらです。 そのため、このような状況下では、結果のみにとらわれず、プロセスにも焦点を当てた評価が必要になります。 部下の努力や進歩を認め、継続的な期待を示して自信と正しい方向性を育むことをおすすめします。 ビジネスにおけるピグマリオン効果の具体例 ビジネスの場面では、ピグマリオン効果の具体例が多くみられます。 特によくみられるのは、次の2つのケースです。 目標を設定する場合 人材を育成する場合 それぞれ解説します。 目標を設定する場合 ピグマリオン効果は、目標設定の場面で関わることが多いです。 上司が適切な目標を設定することで、部下はその達成に向けて奮起します。 たとえば営業部門の場合、「前年比120%」といった達成の可能性が高い売り上げ目標を立てるのがおすすめです。 適切な目標設定が潜在能力を引き出す鍵となり、個々の努力を最大化させる効果をもたらします。 ただし、現実離れした目標設定は逆効果になる可能性があるため、適切なバランスを取る必要があります。 人材を育成する場合 ピグマリオン効果は、企業の人材育成においても大きな影響力を持ちます。 たとえば、新入社員研修において、講師や上司が研修生一人ひとりの可能性を信じ、その期待を言葉や態度で表すことで成長速度が高まる傾向があります。 「あなたたちは将来の経営幹部候補です」という言葉を研修の冒頭で伝えると、自己イメージが向上し、より主体的に学ぶ姿勢が生まれやすくなるものです。 また、日々の業務の中でも、上司が部下に対して「この重要なプロジェクトを任せられるのは君しかいない」などと伝えれば、その社員の責任感と創造性が高まり、予想以上の成果を上げる可能性が増します。 このように、適切な期待と信頼を示すことで、社員の潜在能力を引き出し、組織全体の生産性を向上させられます。 ただし、過度の期待や押し付けは逆効果になる可能性があるため、個々の社員の特性や状況を考慮しながら、適切な期待を示すよう心がけることが重要です。 まとめ ビジネスでのピグマリオン効果の活用は、人材育成にとても役立ちます。 肯定的な対話や適切な裁量付与、プロセス重視の評価を通じて、それぞれの潜在能力を引き出すことが可能です。 また、適切な目標設定と期待の表明により、全体の生産性が向上します。 ただし、個々の特性を考慮し、バランスの取れたアプローチが重要です。 ぜひ、これらの方法を実践して、活力ある職場環境の創出と持続的な組織成長に役立ててください。
2022.11.29
アダプティブラーニング|企業の導入事例を紹介!
チームづくり一人ひとりに合わせた学習が可能なアダプティブラーニングは、教育機関のみならず、企業の人材育成にも大きく役立ちます。 導入を検討している場合、「自社に取り入れたらどのように活用できるのか」「導入している企業の具体例を知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。 今回は、前回お伝えしたアダプティブラーニングの企業向けサービス・ツールの中でも、「Cerego」「Core Learn」を導入している企業の事例をご紹介します。 アダプティブラーニングのおさらい アダプティブラーニングは、さまざまなIT技術を利用しながら学習者それぞれの理解度や進行度に合わせて行う学習方法を指し、「適応学習」とも言われます。 文部科学省が「すぐにでも着手すべき課題」としているように、国内の教育現場において推進されているのが、このアダプティブラーニングです。 そして、学習者一人ひとりに合わせた学習のやり方は、教育現場のみならず企業の人材育成にも大きな効果があるとされています。 現在、すでに多くの企業でeラーニングが取り入れられていますが、双方向でのコミュニケーションが可能なアダプティブラーニングは、さらに多様化した学習方法だと言えます。 西日本旅客鉄道株式会社の事例 代表的な企業向けアダプティブラーニングの一つとして、Ceregoがあります。 Ceregoは、記憶定着に特化した学習システムで、何度も繰り返し復習問題を解きながら知識を定着していく点が特徴です。 北陸や近畿地方、中国地方といった西日本を中心に鉄道を運営する「西日本旅客鉄道株式会社」(JR西日本)では、Ceregoを導入し、運輸関係司令職員の知識習得に役立てています。 運輸関係司令職員が行う業務には、ダイヤ乱れ解消などさまざまなものがあり、マニュアルや業務内容の把握をはじめ、多岐にわたる知識が必要です。 以前より、JR西日本では運転マニュアルなどをペーパーレス化する取り組みを実施しており、運輸関係司令職員はタブレット端末を利用しながら業務を行っていました。 その上で、情報発信や知識共有のさらなる効率化が検討され、導入が決定したということです。 また、隙間時間を有効活用して学べるように設計されたシステムは、多忙な運輸関係司令職員にとって最適だと言えます。 導入の結果、職員一人ひとりの学習意識が高まったことや、情報伝達やアップデートのスピード化といった成果が出ています。 株式会社三菱UFJ銀行の事例 印刷会社大手の凸版印刷が提供しているCore Learnは、企業向けの完全習得型学習管理システムです。 当初から金融機関に向けたeラーニングに特化していることもあり、3大メガバンクの一つ「株式会社三菱UFJ銀行」でも導入されています。 銀行の社員は、業務に必要となる、お金に関するさまざまな知識を完全に習得しておかなければいけません。 三菱UFJ銀行では、2016年から、新入社員の金融知識習得のためにCore Learnを取り入れました。 Core Learnには「法務」「税務」「財務」「為替」の4つのコンテンツがあります。 三菱UFJ銀行ではこれらをベースに、自社に特化した内容を盛り込んだ「骨太ドリル」を作って導入しています。 自社独自の教材を活用することで学習者の理解度も向上し、社内テストでは前年比より16%も全体の点数が上がったそうです。 また、理解度だけでなく、わからない部分を教え合ったり知識を共有したりといったチームワークにも効果がありました。 まとめ これまで教育機関向けのものがほとんどだったアダプティブラーニングですが、企業でも活用が進んできています。 導入する際は、自社の人材に関する課題を明確にした上で、適切な学習システムを選択することをおすすめします。 ぜひ、今回の企業事例を参考にアダプティブラーニングの導入を検討し、人材育成に活用していきましょう。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://flapsplan.co.jp/blog0160/ target=] [sitecard subtitle=関連記事 url=https://flapsplan.co.jp/blog0162/ target=]
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