2024.04.16
チームづくり
前回の記事では、オンボーディングについてその目的やメリットを紹介しました。
オンボーディングの導入を検討する場合は、具体的なオンボーディングの取り組み方も把握しておくことが重要です。
そこで今回は、新入社員のオンボーディングに取り組む際のプロセスについて紹介します。
オンボーディングの取り組み方を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
近年、効果的に新入社員を育成するためにオンボーディングを導入する企業が増えています。
「オンボーディング」とは、新入社員が初期の段階で挫折せずに戦力として成長できるようにサポートする手法です。
人材の定着率向上や新入社員の早期戦力化を目的に、速やかに職務や職場環境になじむための育成プログラムとして用いられます。
即戦力化はもちろん、企業への貢献度が高まる、社員の結束が強まる、採用コストの削減といった多くのメリットがあります。
新入社員のオンボーディングに取り組む際のプロセスは、下記の流れで行うのが一般的です。
それぞれ解説します。
オンボーディングを始めるにあたって、まずは目標設定が必要です。
目標は、「企業文化への適応」と「業務に必要なスキルの習得」の2つの観点から考えるのがおすすめです。
企業文化への適応としては、「企業理念の理解」や「社内の雰囲気になじむこと」などが挙げられます。
新入社員が孤独感を感じず、スムーズに組織に溶け込めるようサポートすることが大切です。
一方、業務スキルの習得に関しては、職種によって目標は異なります。
営業職であれば「商談の成約スキル」、経理職であれば「経費の適切な処理方法」など、各部門で必要とされる能力を身につけてもらうことが目的となります。
新入社員一人ひとりに合わせて最適な内容を設定することが重要です。
目標達成のための計画を立てる際は、それぞれの特性や個性を考慮し、入社後約1年間のオンボーディングを個別にデザインする必要があります。
初めに「新入社員に目指してほしい姿」を具体的にイメージします。
例えば、次のようなイメージです。
これらに向けて、自然な流れで無理なくステップアップできるプロセスを検討し、期間ごとの目標やスケジュール内容を細かく設定していくとよいです。
また、「この計画が自社の課題解決に貢献できるか」という視点を持つことも忘れてはいけません。
新入社員の成長が会社の発展につながるようなプランニングを心がけましょう。
策定した計画は、新入社員が配属される部門だけでなく、会社全体で共有することが大切です。
社内で共有することにより、新入社員をサポートする組織的な体制が整えられます。
さらに、関係者から積極的に意見を募ることで、計画をより磨き上げ、完成度の高いものにすることができます。
オンボーディングの計画を新入社員とのミーティングなどで共有した後は、いよいよ実行に移ります。
オンボーディングによって新入社員の早期活躍が期待できますが、半年後や1年後の目標達成のためには、継続的な努力が欠かせません。
新入社員が孤独感を感じることのないよう、コミュニケーションを密に取りながら、必要な知識やスキルの習得をサポートする必要があります。
粘り強く寄り添い、成長を後押ししていくことが重要です。
オンボーディングの内容は、状況の変化に応じて定期的に見直しを行います。
新入社員の成長スピードが予想以上に速い場合は、より高い目標を設定し、さらなる飛躍を促す必要があるかもしれません。
一方、成長のペースが遅い場合は、計画をより細かく分割し、クリアすべきステップを増やすことで着実な成長を支援できます。
オンボーディングの効果を最大限に引き出すためには、PDCAサイクルを回しながら、継続的な改善を図ることが必要です。
新入社員のオンボーディングに取り組む際は、プロセスを把握しておくことが重要です。
一般的に、目標設定・計画・社内共有・実行・見直しと改善という流れになり、どの段階においても、一貫したコミュニケーションと個々の新入社員の成長をサポートする環境の整備が重要です。
そうすることでオンボーディングの効果を最大化し、組織全体の成長と発展にも貢献します。
オンボーディングの導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2024.01.23
アシミレーションを実施する際に意識しておきたい点とは?5つのポイントを解説
チームづくりアシミレーションは、上司と部下のスムーズな相互関係が期待できる手法です。 アシミレーションを検討する場合、「アシミレーションの実施ポイントは何だろうか」「実施する上で意識しておくとよいことを知りたい」という方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、アシミレーションを実施する際に気をつけるべきポイントを、実施前と実施中に分けて解説します。 ぜひ、参考にしてみてください。 実施前に押さえておくべきポイント アシミレーションの実施前に押さえておくべきポイントは、次の3つです。 実施の検討を十分に行う タイミングを図って実施する ファシリテーターに適した人を選ぶ それぞれ解説します。 実施の検討を十分に行う 部下が上司に対して率直に意見を伝えるアシミレーションは、割り切った社風の企業や外資系企業で高い効果が見込めます。 一方、他のタイプの企業では、導入に際して十分な検討を行う必要があります。 特に、ふだんから仲の良いアットホームな企業では、実施することで雰囲気が悪くなる恐れがあるため、注意が必要です。 タイミングを図って実施する アシミレーションは、適切なタイミングで行うことが重要です。 実施する適切なタイミングとして、チームの新設時やリーダーの変更時、チームの活性化が必要な時、企業のビジョンを浸透させたい時などがあります。 これらのタイミングでは変化や問題が起こりがちなため、これらに対処するためにアシミレーションが役立ちます。 また、アシミレーションをチームの新設時に実施する際は、一定の期間が経過してから行うことが重要です。 チームが新設されたばかりではメンバー間の関係が十分に築かれておらず、有効な意見が集まらない可能性があるからです。 一定の期間が経過すると、チーム内でのメンバーの役割や業務内容に対する理解が深まるため、その時点での問題点に対してアシミレーションを実施すると効果的です。 ファシリテーターに適した人を選ぶ アシミレーションに欠かせない重要な役割を持つのが、ファシリテーターです。 ファシリテーターの役割にふさわしい人は、チーム内で中立の立場を保ち、部下の真意を引き出すための質問技術を持っている必要があります。 また、部下からの意見を聞き出すだけでなく、上司に対して助言を提供するアドバイザーとしての能力も求められます。 適切なファシリテーターを選ぶことは、アシミレーションが成功するかどうかを左右するため、その選定は非常に重要です。 実施中に注意すべきポイント 実施中に注意すべきポイントは、下記の2つです。 建設的な意見交換を行う 部下の意見は匿名にする それぞれ解説します。 建設的な意見交換を行う アシミレーションを行う際、目的を理解せずに単なる上司への不満や愚痴の場になってしまうことがあります。 部下が上司に対して不満を持っている場合、アシミレーションでその不満が表面化することは避けられないかもしれません。 ファシリテーターは、愚痴を聞くだけでなく、「なぜ不満を感じているのか」「どのように改善されたいのか」「実際にどんな行動を取ったか」といった具体的な情報を引き出す必要があります。 また、ポジティブな意見や期待も同様に集めることが大切です。 ファシリテーターにはあらゆる面で舵取りが求められますが、参加メンバーも目的を意識して建設的な意見交換を行うことが重要です。 部下の意見は匿名にする 部下の意見を上司に伝える際は、匿名性を保つ必要があります。 意見を述べた人物を上司が知ることで、業務やメンバー間の関係に悪影響を及ぼす可能性があるためです。 部下が自分の本当の考えを率直に言えるかどうかは、この匿名性の維持に大きく依存します。 ネガティブな意見も安心して表現できる環境を作り上げることが、ファシリテーターにとって重要な役割となります。 まとめ 今回はアシミレーションを実施する際のポイントと注意点を紹介しました。 アシミレーションを実施する前は、実施の検討を十分に行う、タイミングを図って実施する、ファシリテーターに適した人を選ぶ、といった点を意識しておくとよいです。 また、実施中は、建設的な意見交換を行う、部下の意見は匿名にすることなどに注意しておく必要があるでしょう。 アシミレーションを取り入れる際は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
2025.02.18
やる気のない社員への対処法とは?NG対応なども紹介
チームづくりやる気のない社員の存在は、職場の雰囲気を悪化させ、生産性の低下や優秀な人材の流出にもつながりかねません。 そのため、企業側での何らかの対処が必要です。 今回は、やる気のない社員への具体的な対処法について解説し、NG対応なども紹介します。 やる気のない社員への具体的な対処法が知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。 やる気のない社員への対処法 やる気のない社員に対処する方法には、主に次の2つがあります。 コミュニケーション改善による対処法 仕組みの改善による対処法 それぞれ解説します。 コミュニケーション改善による対処法 社員のやる気を引き出すには、職場でのコミュニケーションの改善が重要です。 週1回や月1回の定期的な1on1ミーティングを通して、社員が自分の考えや悩みを直接上司に伝えられるようにします。 その際、業務進捗だけでなく、個人の目標やキャリアについても深く話し合うことが大切です。 また、上司が具体的な期待を伝えて、目標と努力すべき方向性を明確に理解してもらうようにするのも良い方法です。 それぞれの能力や成長の可能性を考慮し、成果が出た際には適切な評価とフィードバックを行うことをおすすめします。 また、定期的な表彰制度の導入など、社員の頑張りをタイムリーかつ具体的に称賛する文化を育てるのも効果的です。 仕組みの改善による対処法 組織内の仕組みを改善することも、社員のやる気向上に役立つ方法です。 たとえば、努力が適切に評価されていると実感するには、公平で透明性のある評価制度が必要です。 また、チャットツールやプロジェクト管理ツールなどのコミュニケーションツールを導入することで、スムーズな情報共有と組織の活性化が促進されます。 特に上司は状況をリアルタイムで把握できるため、適切な指導を行いやすくなるのがメリットです。 ツールだけでなく、業務日報を活用するのも、業務内容と進捗状況の可視化に役立ちます。 新入・若手社員向けには、メンター制度の導入も、メンターとの信頼関係の構築によって安心感を与える効果があります。 さらに、継続的な研修やOJTなどを実施するのも効果的です。 新しい知識・技術を習得してもらうことで、自己成長の実感につながります。メンタルヘルスやキャリアの悩みに対する支援として、相談窓口の設置も問題の早期発見と解決に役立ちます。 やる気のない社員へのNG対応 やる気のない社員へのNG対応は、下記の3つです。 一方的な価値観を押し付ける 報酬でやる気を出させる 仕事を与えない それぞれ解説します。 一方的な価値観を押し付ける 上司や企業自体を信頼していない状況では、たとえ正論であっても受け入れられないものです。 一方的な価値観の押し付けは反発を招き、やる気をさらに低下させる原因となるため、注意が必要です。 報酬でやる気を出させる 金銭的な報酬などの外発的動機付けは、一時的な効果しかありません。 目標達成後の安堵感から努力を怠ったり、報酬に見合わないときは意欲を失ったりする可能性があるからです。 やる気を持続させるには、社員自身の内発的な動機が重要です。 仕事を与えない 仕事を与えられず、放置された社員は、「サボっても問題ない」と認識するか「必要とされていない」と感じてさらにやる気を失う可能性があります。 社員のやる気を引き出すためには、適切な仕事の割り当てとサポートが必要です。 やる気のない社員をクビにすることはできる? やる気のない社員の解雇は法律上可能ですが、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要です。 企業は解雇の前に、注意・指導・研修・配置転換などの改善機会を繰り返し提供し、それでも改善が見られない場合に解雇が認められる可能性があります。 加えて、企業が求める業務レベルに達していないことや、大きな損害を被ったことの証明も重要です。 また、解雇した社員から訴えられ、不当解雇と判断された場合は、慰謝料などの損害賠償責任が生じたり、企業の信用をなくしたりするおそれがあります。 解雇を検討する際は、慎重な対応と十分な準備をしておく必要があります。 まとめ やる気のない社員への対応は、コミュニケーションと仕組みの両面からのアプローチが重要です。 1on1ミーティングの実施や期待の明確化、評価制度の見直し、メンター制度の導入など、さまざまな施策を組み合わせることで効果が期待できます。 一方で、価値観の押し付けや単なる金銭的報酬による動機付け、放置するといった対応は逆効果となります。 また、解雇は法律上のリスクが高く、慎重な対応が必要です。 社員のやる気低下は、組織全体の生産性に影響を及ぼす重要な課題です。 ぜひ、自社の状況に合った取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
2022.11.24
自己成長とチームワークはどっちが先なのか?
チームづくり強いチームを作るということにエネルギーを注ぎ始めて約3年が経ちます。 学術的なものから体感的なものまで様々な理論やメソッドなどを学び、試行錯誤しながら提供してきました。 その中で、私たちが実施しているワンネス経営という研修アプローチが効果的であったことが大半ですが、残念ながら明らかに効果が低かったという体験もしています。 もちろん、私たちの力不足もあるのですが、受ける側のレベルも相当に関係性が深いと感じています。 今回は、強いチームづくりにおいて研修が効果を発揮する実施タイミングについてお伝えします。 大学卒業後、ヘルスケア業界で1000名以上のトレーナーを育成。 セールス下手でも日本の隅々にまで展開することに成功。 好きで得意なことで役に立つと自分も周りも幸せだ。と確信する。 その後、独立起業。インナーブランディングの専門家として活動中。 趣味はトライアスロンだが走るのは嫌い。サウナとバスケ観戦が好き。 焼肉の部位はハラミ。フラップスプランの代表。 投稿一覧へ タックマンモデルは本当なのか? チームビルディングといえば、タックマンモデルの5つのステージというぐらいよく出てきますが、中小企業においてのチームづくりは本当にこの成長モデルに当てはまるのか?と疑問でした。 そもそもタックマンモデルってなに?という方のために簡単に解説します。 1.形成期 チームが形成される お互いに理解もなく探り探りの状態。目的目標も不明確。 2.混乱期 ぶつかり合う チームの目標や各自の役割・責任について混乱や意見の対立が起こる。 これを避けるといいチームにならないと言われている。 3.統一期 同じ方向を向く 共通の規範が形成される。相互理解が行われる。 4.機能期 成果を出す お互いに機能してチームとして成果を出す。 5.散会期 チームの終結 目標達成やプロジェクト完了によってチームが解散する。 という流れです。 一見すると、ほうほう、なるほど、確かに。とうなづいてしまいます。 さすが、よく考えられているな。と。 確かに1965年に確立された理論ですから、本質を突いて汎用性が高いからずっと用いられるんだ。と受け取ることができます。 しかし、いや、いつまで旧時代の理論に合わせていくのよ。という見方もできます。 私はどちらかというと後者です。 というか、そもそも、中小企業でこんな風に「チーム作りましょう!」さあプロジェクトスタート!で、よし!完了!みんなお疲れ様、解散!みたいなことある?って話です。 本当はどうなの? イベント屋さんとか制作系の仕事をしていると確かにそのような仕事の進め方がありますが、それでいちいち混乱期にみんながぶつかり合い、、みたいなことやってたら何にも進みません。 実際は、部署部門という数人の集団があって、そこに新人が来るなり、異動した人が来るなり、そこからどう馴染むか?みたいな話であって、都度このフェーズを追っていくわけではないと思うのです。 どちらかというと、日々それなりに機能はしている。 しかし、何かモヤモヤした感情がある。 それは遠慮したり、どこまで踏み込んで言っていいものか分からなかったり、相手にも事情があるだろうと察してみたり。 結果、効果と効率をまっすぐ追いかけるのではなく、どこかで人間関係を壊さないようにということが最優先事項になっていて、仕事そのものに面白みは感じない、だからこそ、仕事に生活費を稼ぐ以上のことはそこまで望まない。 みたいなことになるのです。 それなのに経営者は、「ここで働いてよかった」と思って欲しいとか、「どうせ働くなら生き生きと働いてほしい」という欲求があり、チームワークを良くしたい!と思ってしまう。 そこで、気づかないといけないのは 自己成長のないチームビルディングは無に等しい。 ということです。 野球で例えると、どれだけダブルプレーの動きを互いに練習しても、肩が弱くてボールが届かなかったらなんの意味もないということです。 あらゆる仕事で同じことが言えます。 個人の自己成長を抜きにして、お互いの理解を深めてもなんの意味もありません。 まずは自己成長、自己鍛錬にフォーカスして、まっすぐ仕事に向き合う状態になってからチームビルディングしていくことが大切です。 まとめ このプロ意識と心理的安全性のマトリックスはわかりやすく重宝しています。 負け犬グループは問題外だとして、まずはきついチームになって、そこで研修などで互いの理解が深まることが企業の成長としては健全であり強いチームになっていく可能性が高いと言えます。 逆に今、仲良しグループの場合は各人に個々の成長を求める必要があります。 ここで高い確率で混乱期を迎えることでしょう。 ここを乗り切るために事前の研修は有効だと思います。 ただし、痛みは伴うので相応の覚悟が必要だと言えます。 現在の自社のチームがどの状態にあるのか?をしっかりと見極め適切なアプローチを選択していきましょう。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。