2025.01.07
チームづくり
目次
近年、マネージャー育成の課題に直面する企業が増えています。
優秀な実務者をマネージャーとして登用しても、期待通りの成果が得られないというケースも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マネージャーの概要を解説し、役割や必要なスキルについて紹介します。
「マネージャーに必要な素質やスキルを知りたい」という担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。
「マネージャー」は、日本語で「管理者」を意味し、組織を統率する役割を持つ人を指します。
単なる上司としての役割だけでなく、チームや部門の管理・運営を通じて会社の成長に貢献する責任者としての役割を担っているのがマネージャーの特徴です。
マネージャーの職位は企業によってさまざまな形態がありますが、主に下記の3つのレベルに分類されます。
こうした階層の違いはあるものの、すべてのマネージャーに共通するのは、組織の成果に対する明確な責任だといえます。
マネージャーの役割として挙げられるのは、次の3つです。
それぞれ解説します。
マネージャーの第一の役割は、明確な方向性を示して具体的な成果へと導くことです。
企業のビジョンを理解した上で、チームメンバー一人ひとりが達成すべき具体的な目標を設定します。
その場合、MBO(目標管理制度)などの手法を活用すると成果管理がしやすくなるのでおすすめです。
日常的な業務運営の最適化も、マネージャーに欠かせない役割です。
チームメンバーの強みを活かした業務配分を行い、定期的な進捗確認を通じて課題を早期に発見・解決します。
また、業務の無駄を見直したり、新しい方法や技術を導入したりすることで組織全体の生産性を高めます。
継続的な改善を行うには、PDCAサイクルを確実に回すことも重要です。
組織の持続的な発展のために、メンバー一人ひとりの成長をサポートすることも不可欠です。
また、定期的な1on1ミーティングを通じて、進捗状況や課題を確認するとともに、建設的なフィードバックを行います。
マネージャーに必要なスキルは、主に下記の3つです。
それぞれ解説します。
優れたマネージャーには、一方的に指示や命令をするだけでなく、部下の声に丁寧に耳を傾ける双方向性のコミュニケーション力が必要です。
そのためには、表情やボディランゲージまでしっかりと観察し、言葉の背景にある本音を理解する姿勢が重要です。
また、他部門との連携や調整をスムーズに進め、組織全体の成果を最大化する橋渡し役も担います。
ビジネスの現場では、予期せぬ事態が起こりがちです。
優秀なマネージャーは、起こりうる問題を事前に予測し、具体的な対策を講じてトラブルの影響を最小限に抑えることができます。
顧客クレームや法令違反など、組織に大きなダメージを与える可能性がある問題については、特に慎重な対応が求められます。
緊急事態が発生した場合、マネージャーは状況を冷静に分析し、最適な判断を下さなければいけません。
単なる機転の良さだけでなく、過去の経験や幅広い知識に基づいた総合的な判断力が危機的状況を乗り越えるために必要です。
二次被害の防止まで見据えた、先を読む決断を行うことが重要です。
マネージャーには、チームの目標達成、業務改善、メンバーの育成という3つの大きな役割があります。
それらを成功させるためには、メンバーとの信頼関係を築くコミュニケーション力、問題を未然に防ぐ予測力、そして状況に応じた的確な判断力が不可欠です。
今回の記事を参考にして、マネージャーの育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2023.05.16
価値協創ガイダンスとは?策定の背景・目的や改訂、活用方法について詳しく解説
チームづくり自社の経営強化のため、「価値協創ガイダンス」の活用に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。 価値協創ガイダンスは、経済産業省が作成した手引で、経営戦略やガバナンスなどを投資家に分かりやすく伝える場合に役立ちます。 ただし、効果的に活用するには詳細を把握しておくことが重要です。 今回の記事では、価値協創ガイダンスの概要や策定の背景・目的、活用方法などについて詳しく解説します。 価値協創ガイダンスとは 「価値協創ガイダンス」とは、投資に必要な情報開示や投資家との対話の質を高めるために経済産業省が作成した手引のことです。 企業と投資家間をつなぐ「共通言語」として、企業から投資家に伝えるべき情報が体系的・統合的に整理されている内容となっています。 企業は、価値協創ガイダンスの各項目から必要なものを選択し、自社のビジネスモデルや戦略に活用することが可能です。 価値協創ガイダンスは、2014年に公表された「伊藤レポート1.0」に始まる日本経済活性化に向けた研究や提言の取り組みの中で作成され、2017年5月に公表されました。 参考:価値協創ガイダンス | 経済産業省 作成の背景・目的 価値協創ガイダンスが作成された背景として、日本企業が長期にわたって業績低迷している状況が挙げられます。 経済産業省は、2014年、この状況を問題視し、打破するため「伊藤レポート1.0」で提言を行いました。 この中では、従来の慣習に捉われない企業収益体質の改善と、それを促進する企業と投資家との対話が重視されています。 また、2016年8月には「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」が発足され、企業は重要な無形資産(人材・知的財産・ブランド等)への投資を、また投資家は非財務情報をもとにしたESG投資を行うことの重要性が示されました。 こういった流れの中で、企業と投資家が価値を協創し、お互いの共通認識を作ることを目的に、「質の高い情報開示」「質の高い対話」を実現するためのフレームワーク「価値協創ガイダンス」が策定されたのです。 2.0に改訂された理由 価値協創ガイダンスは、企業を取り巻くビジネス環境や世界市場などの大きな変化に伴い、2022年8月に「価値協創ガイダンス2.0」へと改訂されています。 改訂の大きな理由として、世界的に注目されている「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」の必要性が挙げられます。 サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とは、社会のサステナビリティ(持続可能性)と企業のサステナビリティを「同期化」させ、そのために必要な経営・事業を変革(トランスフォーメーション)することです。 つまり、収益の安定と、持続可能な社会実現に向けた「ESG(環境、社会、ガバナンス)投資」を両立する企業経営への変革を意味しています。 SXが注目されたのは、経済産業省による「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」が2020年8月に公表した「中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~」がきっかけです。 この中において「稼ぐ力を維持しながら持続的に企業価値を向上させるには、経営のあり方や投資家との関係を変革する必要がある」とされており、SXの重要性が強調されています。 参考:「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会 中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~」 | 経済産業省 価値協創ガイダンスの活用方法 価値協創ガイダンスは、さまざまな方法で活用することが可能です。 企業側の活用方法として挙げられるのは、主に下記の3つです。 情報開示している項目の確認 情報開示していない項目を利用した経営方針の検討 社内での対話利用 また、投資家側が活用できる方法は次の通りです。 企業との対話に向けた大まかな認識の共有 自身の投資スタンスの明確化 企業側・投資家側それぞれが活用することで、相乗効果が得られます。 まとめ 「価値協創ガイダンス」は、投資に必要な情報開示や投資家との対話の質を向上させる手引です。 日本企業の長期にわたる業績低迷を背景に、企業と投資家が価値を協創し、お互いの共通認識を作ることを目的として作成されました。 現在、「価値協創ガイダンス2.0」へと改訂されており、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)が重視されている点が特徴です。 企業で効果的に活用する場合、情報開示している項目を確認したり、情報開示していない項目をもとに経営方針を検討したりといった方法があります。 今回の記事を参考に、「価値協創ガイダンス」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
2023.11.14
サーバントリーダーシップのメリット・デメリットとは?導入する際のポイントも解説
チームづくり近年、「奉仕の精神で部下に接し、導く」という考え方をもとにした「サーバントリーダーシップ」に注目が集まっています。 サーバントリーダーシップの導入を検討する場合、メリット・デメリットや効果的なポイントについて把握しておきたいという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、サーバントリーダーシップのメリットとデメリットを解説し、導入する際のポイントも紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 サーバントリーダーシップのメリット サーバントリーダーシップのメリットとして挙げられるのは、下記の3つです。 顧客満足度の向上につながる コミュニケーションが活発になる メンバー間の信頼関係が深まる それぞれ解説します。 顧客満足度の向上につながる サーバントリーダーシップが効果的に発揮されることで、メンバーは自分が尊重されていると感じ、チームへの貢献度や意欲が上がります。 また、リーダーの理解と支援のもと、自らが主体的に行動できるようになるため、仕事のパフォーマンス向上にも効果的です。 その結果、組織全体の生産性がアップし、顧客満足度の向上につながります。 コミュニケーションが活発になる メンバーの自主性を尊重し、さまざまな考え方や意見を受け入れようとするのがサーバントリーダーシップの特徴です。 チームの中で意見交換しやすい雰囲気が生まれるため、コミュニケーションが活発化します。 メンバー間の信頼関係が深まる 一人ひとりが安心して発言できる環境になることで、メンバー間の信頼関係が深まるのもメリットの一つです。 コミュニケーションの活発化に加え、お互いの能力や長所が引き出されやすくなるといった効果があります。 また、それぞれが当事者意識を持つようになるため、エンゲージメントの向上も期待できます。 サーバントリーダーシップのデメリット サーバントリーダーシップのデメリットは、次の2つです。 決定に時間がかかる 合わないメンバーもいる それぞれ解説します。 決定に時間がかかる 従来型のトップダウン型のリーダーは決定権を持っていますが、サーバントリーダーシップでは各メンバーの意見をしっかり聞き取り、まとめた上で決めることになります。 そのため、チームの方向性などの決定に時間がかかるのがデメリットです。 迅速に対応しなければいけない場合、業務に支障をきたす可能性があるので注意が必要です。 特に、メンバーの数が多いほど時間がかかると言えます。 合わないメンバーもいる サーバントリーダーシップは、十分な知識や経験のある積極的なメンバーに対して大変効果的です。 一方、知識や経験が少なかったり、自ら行動することが苦手だったりするメンバーには合わない傾向があります。 合わないメンバーへのフォローが必要となり、リーダーや他のメンバーの負担増につながるかもしれません。 サーバントリーダーシップを導入する際のポイント サーバントリーダーシップを導入する際は、次の3つのポイントを押さえておくと良いです。 目標を明確にする 自ら率先して行動する 自分のケアを行う それぞれについて解説します。 目標を明確にする サーバントリーダーシップでは一人ひとりの意見を尊重しますが、リーダーが決定権を持たないため、方向性が定まらないことも多いです。 そのため、あらかじめ明確に大きな目標を提示して、共有しておく必要があります。 メンバー全員がゴールを共有することで、まとまりのあるチームが実現します。 加えて、あえて高い目標を設定し、目標達成への努力を後押しすることも重要です。 自ら率先して行動する サーバントリーダーシップを取り入れる際、リーダーは、自らの役割を把握し率先して行動する必要があります。 メンバーの自主性を尊重し育むのをはき違えてすべてを任せきりにしてしまうと、サーバントリーダーシップの効果を発揮できません。 リーダーが積極的に行動する姿を見せることで、チームの結束力が高まると言えます。 そのためには、随時自分自身を振り返り、自己認識を深めておくことが重要です。 また、好奇心を持って行動することで、リーダーシップがメンバーにどのような影響を与えるか理解しやすくなります。 自分のケアを行う 一人ひとりを尊重するサーバントリーダーシップでは、リーダーは自分よりメンバーへのケアに傾倒しすぎる場合があります。 身体や精神が消耗しないよう、セルフケアを意識的に行うことが重要です。 リーダーはメンバーへの貢献だけでなく、自分を優先する時間をとるよう工夫すると良いです。 まとめ サーバントリーダーシップのメリットとして、顧客満足度の向上やコミュニケーションの活発化、信頼関係の深まりなどが挙げられます。 一方、決定に時間がかかる、合わないメンバーもいるといったデメリットもあるため、両方について理解しておくと良いでしょう。 また、目標を明確にするのはもちろん、自ら率先して行動したり、自分のケアを行ったりすることがサーバントリーダーシップを導入する際のポイントです。 これらを押さえておくことでスムーズな導入が可能です。 ぜひ、今回の記事を参考に検討してみてください。
2024.12.10
アンガーマネジメントとは?怒りを感じる仕組みや企業で必要な理由を解説
チームづくり「アンガーマネジメント」は、怒りの感情を適切にコントロールするためのスキルです。 個人はもちろん、企業にとっても役立つスキルであることから、「アンガーマネジメントについて理解したい」「社内に周知し、自社の人間関係をより良くしたい」という方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、アンガーマネジメントの概要を解説し、怒りを感じる仕組みやアンガーマネジメントが企業で必要な理由について紹介します。 アンガーマネジメントについて知りたい担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。 アンガーマネジメントの概要 アンガーマネジメントは、私たちの日常生活で生じる怒りやイライラの感情を適切に管理し、コントロールするための実践的なスキルです。 単に怒りを抑え込むのではなく、健全な形で対処し、建設的な行動につなげることがアンガーマネジメントの目的です。 適切なアンガーマネジメントができないと、問題の責任を他者に転嫁したり、物に当たったりするなど、非生産的な行動につながりがちです。 また、時には自己否定的になり、自分を責めることで精神的な負担を増やしてしまうこともあります。 このような不適切に表れた怒りは、職場の人間関係を損なうだけでなく、業務効率や生産性の低下という形で組織全体にも影響を及ぼしがちです。 そのため、アンガーマネジメントは単なる個人的なスキルを超えて、職場の円滑なコミュニケーションと生産性を支える重要な要素として認識されています。 怒りを感じる仕組み 人が感じる「怒り」は、複雑な感情の仕組みから生まれます。 怒りの根底には、不安や恐れ、悲しみ、寂しさといった「第一次感情」が隠れています。 これらの感情は誰もが日常的に抱くものですが、「第二次感情」である怒りとなって表面化しがちです。 怒りは単独で存在するものではなく、常に第一次感情と結びついています。 つまり、内面に抱える不安や悲しみが大きければ大きいほど、表に出る怒りも強くなる傾向があるといえます。 特に注意が必要なのは、激しい怒りや長く続く怒り、頻繁な怒り、攻撃的な怒りです。 怒り自体は自然な感情ですが、その表れ方によっては周囲の人々や自分自身を傷つける原因となることがあるため、適切な対処が必要となります。 アンガーマネジメントが企業で必要な理由 企業でアンガーマネジメントが必要な理由は、下記の3つです。 職場環境の改善 良好な人間関係の構築 意思決定と業務効率の向上 それぞれ解説します。 職場環境の改善 職場での怒りのコントロールは、快適な環境づくりの基本です。 アンガーマネジメントを実践することでギスギスした雰囲気を防ぎ、社員の定着率を高められます。 また、怒りによるストレスが原因で起こる胃潰瘍やメンタル疾患のリスクを低減し、健康的な職場づくりにつながります。 良好な人間関係の構築 良好な人間関係の構築にも、アンガーマネジメントは欠かせません。 特に上司と部下の関係改善に重要な役割を果たすのが、アンガーマネジメントです。 怒りをコントロールできる上司は部下から信頼され、良好な人間関係を築きやすくなります。 職場全体のコミュニケーションの質が向上するのはもちろん、ハラスメント防止にも効果的です。 意思決定と業務効率の向上 怒りをコントロールすることで冷静で的確な判断が可能になり、理性的に働けるようになります。 また、感情的な行動による時間の無駄が減るため、業務の効率化が図れる点もメリットです。 アンガーマネジメントは、企業の成長に不可欠となる、新規事業の展開や業務改革などの実現にもつながりやすいといえます。 まとめ アンガーマネジメントは、現代のビジネス環境において欠かすことのできない重要なスキルです。 怒りの感情が適切にコントロールされないと、個人だけでなく職場の人間関係や業務効率などにも影響を及ぼします。 怒りの感情は誰でも起こるものですが、それを適切に管理し、建設的な方向に導くことが重要です。 ぜひ、今回の記事を参考に、アンガーマネジメントについて理解を深めておくことをおすすめします。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。