2024.07.23
チームづくり
目次
「学習性無力感」は、当人だけでなく職場全体の生産性低下にもつながりやすく、注意が必要な心理状態です。
そのため、学習性無力感に陥る原因と克服方法について理解し、対策しておくことが重要です。
今回は、学習性無力感の原因と克服方法、対処法を紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
学習性無力感に陥る原因にはさまざまなものがありますが、真面目で完璧を求めすぎる性格の人は特になりやすい傾向があります。
このような人は自分を厳しく評価しがちなので自己肯定感が下がりやすく、いったん自信がなくなると仕事への意欲を失い、消極的になってしまうのです。
また、性格に関わらず、自分の貢献が認められない、望んでいた成果が得られないといった状況が続くと、どの従業員も学習性無力感に陥る可能性があります。
例えば、次のような職場環境は学習性無力感を引き起こしやすく、注意が必要です。
これらの特徴が当てはまる場合、早急に改善する必要があります。
学習性無力感を克服するには、次の3つの方法を取り入れるのがおすすめです。
それぞれ解説します。
達成可能な小さな目標を設定し、成功体験を積み重ねることで自信を回復させます。
本人が「失敗するかもしれないからやりたくない」と言う場合もありますが、周囲がさりげなくサポートして進めてあげると良いです。
小さな成功を積み重ねて、徐々に挑戦の範囲を広げさせることが重要です。
日常的な努力や小さな成果を積極的に認め、褒めることで自己肯定感を高めます。
特に上司からの肯定的なフィードバックは、従業員の意欲向上に効果があります。
また、積極的なコミュニケーションを取り合うことで「見てくれている」「認めてもらっている」といった意識が高まりやすいです。
「100%でなくても70%できていれば十分」という考え方を職場に浸透させることも大切です。
会社全体の考え方として、完璧を求めすぎず、適度に力を抜くことの重要さを伝えるように心がけましょう。
学習性無力感への対処法として、会社ができることは次の3つです。
それぞれ解説します。
新しいアイデアや提案を歓迎し、失敗を学びの機会と捉える組織文化を育成します。
挑戦しやすい環境を整え、従業員が学習性無力感に陥ることを防ぎます。
すべての階層の従業員が自由に意見を述べられる、オープンなコミュニケーション環境を構築するのもおすすめです。
定期的なミーティングや匿名フィードバックシステムの導入など、多様な意見交換の場を設けることで、自己肯定感が高まりやすくなります。
従業員の行動が組織にもたらす影響を可視化し、フィードバックすることも対策の一つです。
具体的な成果や改善点を示し、個人の努力が無駄ではないことを実感してもらうと効果的です。
学習性無力感は、完璧主義や自己肯定感の低さといった個人の性格特性や、意見が尊重されない、成功体験の機会がないといった否定的な職場環境によって引き起こされる深刻な問題です。
この状態は個人と組織の生産性を著しく低下させるため、対策が必要となります。
克服するには、小さな成功体験の積み重ね、ポジティブなフィードバックの増加、完璧主義からの脱却が効果的です。
また会社としては、挑戦しやすい環境づくり、オープンなコミュニケーション環境の構築、個人の貢献を明確に示すことが重要です。
これらの対策を通じて従業員の自己肯定感を高め、より健全で生産的な職場環境を作り出していきましょう。
この記事を書いた人
泉水 ちか
東京都在住のWEBライター。フリーランスで様々なジャンルのライティングをこなす。人のこころに興味があり、心理学・カウンセリングの資格を多数取得。マーケティングにも活かすべく奮闘中。趣味は映画鑑賞(ホラーやアクション!)と温泉・銭湯めぐり。長年、放送業界にいたため音楽に詳しい。運動嫌いのインドア派だが夏フェスは好き。ラーメンと寿司と焼肉があれば大丈夫。
2022.12.06
コンプライアンス研修とは?意味や目的、内容を詳しく解説
チームづくり企業リスクが大きい不祥事を未然に防ぐため、最近ではコンプライアンス研修を取り入れるケースが増えてきています。 すでにコンプライアンス研修の導入を決めているものの、どのような研修なのか基本的なことから知りたいと思っている方も多いかもしれません。 このような方に向けて、本記事ではコンプライアンス研修の意味や目的をはじめ、どのような例がコンプライアンス違反に該当するのかを詳しく解説します。 コンプライアンス研修の概要 そもそも「コンプライアンス」は、日本語で「法令遵守」を意味する言葉ですが、法律だけでなく、倫理や社会規範などその対象は広範囲に及ぶ点が重要です。 そこから、コンプライアンス研修とは、企業の不祥事防止や価値向上のため、仕事に関連する法律や規律、コンプライアンスの重要性などを学ぶ研修のことを指しています。 企業には、法令遵守はもちろんのこと、社会からの信頼にもしっかり応える必要があると言えます。 社員一人ひとりがコンプライアンスについて学ぶことで、企業全体の意識も向上するでしょう。 コンプライアンス研修の目的 コンプライアンス研修には、どのような目的があるのでしょうか。 主な目的として下記の3つが挙げられます。 コンプライアンス知識の理解 コンプライアンス違反へのリスクヘッジ 企業の価値向上 それぞれ説明していきます。 コンプライアンス知識の理解 コンプライアンス研修では社員全員がコンプライアンスの知識を理解し、身に付けることが大きな目的となっています。 新入社員はもちろん、どのような法律や社会規範があるのか正確にわからない社員も多いはずです。 違反になるとは知らなかった、というケースもあるため、全員で基本的な知識や遵守する対象を学び、社内でのコンプライアンス認識を共有しておかなければいけません。 また、理解不足による違反を防ぐには、研修を定期的に行い、法律改正や社会状況の変化に合わせて知識をアップデートする必要があります。 コンプライアンス違反へのリスクヘッジ コンプライアンスに違反することで、社会的信用を失いかねない事態に陥ります。 社員一人ひとりがコンプライアンス違反による危険性を学び、認識を共有することで、企業のリスクヘッジにつながります。 また、身に付けた知識によって、コンプライアンス違反の予兆を早期に発見したり対処したりすることが可能です。 企業の価値向上 企業の価値を高めることも、コンプライアンス研修の目的の1つです。 コンプライアンスを遵守して企業の社会的責任を果たすことで、企業価値が向上し、信頼が得られます。 社員はこのような自社に誇りを持ち、一員としての意識のもと、目標に向かって仕事に取り組めるようになります。 その結果、コンプライアンス意識をより向上させるといった好循環が生まれ、健全で成果の上げやすい企業経営が実現できるのです。 コンプライアンスの違反例 そもそも、コンプライアンスの違反例にはどのようなものがあるのでしょうか。 コンプライアンス研修を行うにあたって、どのようなものがコンプライアンスの違反になるのか知っておくと良いです。 代表的な例が下記の3つになります。 ハラスメント 個人情報流出 法的な違反 それぞれについて解説します。 ハラスメント 「ハラスメント」とは、迷惑行為によって相手を不快にさせたり尊厳を傷つけたりすることを指し、いわば「嫌がらせ」「いじめ」と同義の言葉です。 企業において気をつけるべきハラスメントとして、「パワーハラスメント」や「セクシャルハラスメント」が挙げられます。 特に、度を超えた叱責や過大な要求など業務上の優位性を使って相手に苦痛を与えるパワーハラスメント(パワハラ)は、どこでも起こり得る問題の一つです。 2022年4月からは、パワハラ防止法施行に伴い、パワーハラスメント防止措置が全企業に義務化されています。 そのため、パワハラの内容を社員全員が理解しておく必要があります。 参考:職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!|厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室) 企業のハラスメントでは、「そんなつもりじゃなかった」「以前は問題なかった」と無自覚で行っているケースが多いため、研修でどのような行為が該当するのかを理解してもらい、自覚を促すことが重要です。 個人情報流出 ネットワーク上での情報管理・共有が増えてきた昨今、個人情報流出も多くの企業でコンプライアンス違反となる可能性が高いです。 企業でよく発生するのが、マルウェアなどの悪意を持ったプログラムがパソコンに侵入することで、個人情報が盗まれたり、不正利用されたりするケースです。 個人情報の保護に関する法律により、企業には個人情報の適切な管理が義務付けられているため、社員一人ひとりの意識が大切になります。 参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会 ウイルス対策ソフトの導入や適切なパスワード管理で、情報流出をしっかり防止しなくてはいけません。 法的な違反 コンプライアンスのことを「法令遵守」と言うように、コンプライアンスの中で大きな割合を占めるのが法律です。 商品の開発・販売やサービスの提供といった企業活動を行うには、「著作権法」や「法人税法」といったさまざまな法律を遵守する必要があります。 また、顧客や社会に向けたものだけでなく、企業内に向けた「男女雇用機会均等法」や「労働基準法」「労働安全衛生法」などの法律も遵守の対象です。 自社の活動にどのような法律が関係しているのか、的確に把握しておくことが重要です。 まとめ コンプライアンスには、法律だけでなく、倫理や社会規範なども含まれているため、遵守するにはさまざまな観点からの学びが必要です。 コンプライアンス研修によって社員一人ひとりがコンプライアンスの知識を理解し、リスクを意識することで、将来的に企業の価値が向上します。 ぜひ、コンプライアンス研修の導入を検討してみましょう。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://flapsplan.co.jp/blog0160/ target=] [sitecard subtitle=関連記事 url=https://flapsplan.co.jp/blog0158/ target=]
2024.12.24
人材マネジメントとは?概要や必要な背景、行うメリットを紹介
チームづくり近年、市場環境の急速な変化に伴い、人的資源の有効活用が企業の持続的成長には欠かせません。 そのための体系的アプローチとして、「人材マネジメント」が注目を集めています。 今回は、人材マネジメントについての概要や必要な背景を解説し、人材マネジメントを行うメリットも紹介します。 人材不足や適材適所への配置、人材育成に悩んでおり、人材マネジメントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 人材マネジメントの概要 企業が成長を遂げるには、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出しながら活用する「人材マネジメント」が不可欠です。 人材マネジメントとは、組織のビジョン達成に向けて人材の管理・活用をする戦略的な取り組みを指します。 採用から育成、評価、報酬に至る一連のプロセスを体系的に運用することで、組織全体の生産性向上や課題解決を図ります。 人材マネジメントを構成するのは、次の6つの要素です。 採用 育成 評価 処遇 配置 休職・復職 これら6つの要素は相互に連携しており、継続的な見直しと改善を行う必要があります。 また、人材マネジメントについては、「人事労務」との違いを押さえておくことが重要です。 前者は従業員の成長とパフォーマンス向上に焦点を当て、後者は労働環境の整備や法令順守を重視します。 給与計算や各種手続き、就業規則の管理といった実務は人事労務にあたり、これらが適切に機能することで人材マネジメントの基盤が形成されます。 人材マネジメントが必要な背景 人材マネジメントが必要な背景として挙げられるのは、次の2つです。 人材不足の深刻化 多様な働き方への対応 それぞれ解説します。 人材不足の深刻化 少子高齢化の進行によって、2030年には644万人の人材が不足すると予測されています。 そのため、限られた人材リソースを最大限に活用することが企業の重要課題の一つです。 従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出して組織全体のパフォーマンスを向上させるために、戦略的な人材マネジメントの必要性が高まっているといえます。 多様な働き方への対応 働き方改革の推進に伴って労働基準法が改正され、労働時間管理の厳格化や有休の確実な消化、フレックスタイム制の拡充など、働き方の多様化に向けた取り組みが始まっています。 しかし、労働時間の削減などには一定の成果が見られる一方で、生産性向上を実感できている企業はあまり増えていないという結果が出ています。 このギャップを埋めるため、柔軟な働き方と高い生産性を両立させる新しい人材マネジメントの仕組みが求められているのです。 人材マネジメントを行うメリット 人材マネジメントを行う主なメリットは、次の2つです。 組織力の向上 従業員エンゲージメントの向上 それぞれ解説します。 組織力の向上 人材マネジメントの大きなメリットは、業務効率や生産性が上がることです。 適材適所な人員配置が実現するため、各従業員の強みを活かした組織運営が可能になります。 また、体系的な人材育成によって組織全体の専門性と業務品質が向上し、競争力の強化にもつながります。 企業の評判を高め、優秀な人材の採用がスムーズになるといった好循環を生み出すことも利点の一つです。 従業員エンゲージメントの向上 適切な人材マネジメントを行うと、従業員の仕事への意欲が高まります。 その結果、組織への帰属意識が高まりやすくなったり、創造的な提案や業務改善につながったりします。 さらに、働きやすい職場環境を整備することで定着率が上がり、知識やノウハウが蓄積するのもメリットです。 まとめ 人材マネジメントは、組織のビジョン達成に向けて人材の管理・活用をする戦略的アプローチです。 適切な人材マネジメントの実践は、組織力の向上と従業員エンゲージメントの向上をもたらし、企業の競争力強化につながります。 自社の課題や目標に合わせた人材マネジメントの導入を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
2025.05.20
人間力を高めるには?日常で取り入れやすい具体的な3つの方法も紹介!
チームづくり人間力が高い人は、ビジネスでも日常生活でも信頼され、周囲と良好な関係を築きながら活躍しています。 しかし、人間力を高めるにはどのようにしたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、人間力を高めるにはどうしたらいいのか、その概要を解説し、日常で取り入れられる具体的な3つの方法を紹介します。 ぜひ、参考にしてみてください。 人間力を高めるには 人間力とは、スキルや資格といった表面的な能力ではなく、より深い人格や器量に関わる総合的な力です。 人間力を高めるためには、自分自身を「当事者」と捉え、責任感を持って行動する主体性が基盤となります。 刺激にすぐに反応するのではなく、一度立ち止まって選択する習慣を身につけることで、この主体性は育まれていくものです。 また、将来の自分像を明確にし、「どのような人間になりたいか」という問いに向き合うことで、日々の決断や行動に一貫性が生まれ、周囲からの信頼を得やすくなります。 視野を広げてさまざまな見方を知ることで思考の幅が広がり、他者への理解や尊重にもつながります。 さらに、日常の中で目的意識を持ち、一日の終わりに自分の行動を振り返る習慣も大切です。 人間関係においては、相手への敬意と理解の姿勢が欠かせません。 互いを尊重し合い、相手の立場や考えを理解しようと努めることで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。 これらのポイントは日々の積み重ねによって習慣となり、やがて人間性として定着していきます。 人間力を高めるとは、日々の小さな選択と行動の中で、より良い自分を目指す継続的な取り組みなのです。 人間力を高める具体的な方法 それでは、人間力を日常で高めていくには、どのようにすればよいのでしょうか。 人間力を高める具体的な方法として挙げられるのは、次の3点です。 理想の姿を意識して行動する 他者への思いやりを持つ 知識をアップデートする それぞれ解説します。 理想の姿を意識して行動する 「なりたい自分」を明確に描くことが、人間力向上の第一歩です。 具体的な理想像を持つことで、日々の選択や行動に一貫性が生まれます。 この理想像は、歴史上の偉人でも、身近な尊敬する人でもよいです。 理想像を持つことは、模倣ではなく、自分自身の軸を育てる過程でもあります。 「この状況で、あの人ならどう判断するだろう」と自問することで、理想に近づく選択ができるようになります。 特に困難な場面では、怒りや焦りに任せる前に、一瞬立ち止まって理想像を思い浮かべることが重要です。 他者への思いやりを持つ 人間力の本質は、自分と他者との関係性の中にあります。 私たちは常に誰かの助けを借り、誰かに影響を与えながら日々を過ごしています。 この相互依存の関係の中で、思いやりの心を持つことは、人間社会で生きていくための大事なポイントです。 職場では、役職や立場に関わらず、一人ひとりを個性ある人間として尊重する姿勢が必要です。 意見の衝突があったときこそ、相手を非難する前に「自分に改善点はなかったか」と内省する習慣が、人間としての深みを生み出します。 また、日常のあらゆる場面で「ありがとう」と感謝の気持ちを表現することも、人間力を高める大切な習慣です。 知識をアップデートする 常に学び続ける姿勢も、人間力の重要な側面です。 現代社会は急速に変化し、昨日の常識が今日は通用しないこともあります。 ちょっとした疑問に「なぜだろう」と立ち止まって調べてみる習慣や、新しい情報に触れればすぐに意味を確認する好奇心、こうした小さな行動の積み重ねが、知的な柔軟性を生み出します。 特に効果的なのが、得た知識を誰かに説明してみることです。 人に伝えるために情報を整理し言語化する過程で、知識は確実に自分のものになります。 また、一日の終わりに「今日の出来事から何を学んだか」と振り返る時間を持つことで、経験が将来に活かしやすくなります。 まとめ 人間力の向上は一朝一夕では達成できませんが、「理想の姿を意識する」「他者への思いやりを持つ」「知識を常にアップデートする」という3つの実践から始められます。 これらを日々の小さな習慣として積み重ねることで、社員一人ひとりの成長と組織全体の信頼関係構築につながります。 人材育成の新たな視点として、ぜひ社内研修や日常的なコミュニケーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ワンネス経営®プログラムは、インナーブランディング強化というアプローチを通して、 お客様企業が求める成果を達成していくという「新しいチームビルディングのプログラム」です。 イメージが持ちづらい点があるかもしれませんが、どうぞお気軽にご質問、ご相談ください。