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2026.10.08

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なぜ「言葉」は職場で届かないのか ― 3.5年・27,454件の独自調査結果を公開しました。

私が変わると、チームが変わる ワンネス経営
お知らせ

文化庁は2026年10月2日、「令和7年度 国語に関する世論調査」※1の結果を公表しました。文化庁はこの結果を受けて、「世代によってことばの使い方や受け止め方に違いがあり、自分は当たり前でも相手を不快にさせることばがあるということを理解し、円滑なコミュニケーションの参考にしてほしい」としています。

日本語という共通の言語を使いながら、世代によってその意味が異なる。この問題は、ビジネスの現場でも起きています。

フラップスプラン株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:福永寿徳)が、自社の研修プログラムの受講生約1,000人による3年半・27,454件の学習記録を分析したところ、「届く言葉」と「届かない言葉」の違いが明らかになりました。本記事では、その分析結果を公開します。

文化庁の調査が示した、ビジネス現場の言葉の世代断絶

文化庁の調査では、ビジネスの現場で使うことばの世代差が明らかになりました。

とりわけ際立つのが「ツーカーの仲」という表現です。60代以上では66〜67%が「使うことがある」と回答した一方、20代ではわずか7.0%。上の世代が「気心の知れた間柄」を表現するつもりで使う言葉が、若い世代にはほぼ存在しない言葉になっています。

逆に「なるはやで」は、20代の76.4%が使うのに対し、60代は17.3%。同じ職場で、まったく異なる語彙と感情を持つ世代が一緒に働いているのです。

文化庁「令和7年度 国語に関する世論調査」問18「使うことがある」割合(年齢別)のグラフ
出典:文化庁「令和7年度 国語に関する世論調査」問18「使うことがある」割合(年齢別)

文化庁はこの調査結果を踏まえ、「世代によって言葉の受け止め方が違うことを理解することが、円滑なコミュニケーションにつながる」と呼びかけています。

フラップスプランの現場データが示す「共通言語」がないと言葉は届かない事実

フラップスプラン代表の福永寿徳が提唱する「共通言語」とは、上司と部下が「同じ言葉を、同じ意味・同じ感情で使える状態」を指しています。現場データの分析からは、次のことが明らかになりました。

・上司が「当たり前」と思って使っている言葉が、部下に別の意味で受け取られているケースが多数存在する
・共通言語を意識的に作った職場では、造語「素直力」を、500人以上の受講生が自分の言葉として使っていた

文化庁の調査が「理解してほしい」と呼びかけた世代間の言葉のずれを、職場で意識的に解消しようとするアプローチ。それがこの「共通言語」です。

「言葉の意味だけでなく、その言葉に乗る感情までそろえることで、初めて指示は届くものになる」

― 代表取締役 福永寿徳

管理職育成の現場で使われているキーワード

本調査で、管理職育成の現場で繰り返し使われていたキーワードを、出現件数の多い順に4つ抽出したのが下の表です。「素直力」や「エスパーニーズ」といった「ワンネス経営®」プログラムの独自概念が、現場のリーダーに刺さっていることがわかりました。

キーワード意味・定義出現件数記録した受講生数
素直力情報や意見を先入観なく受け取る力1,986件500人超
エスパーニーズ「察してほしい」という非言語の期待・要求468件300人超
共通言語チームや組織内で意味が共有された言葉・概念299件約180人
自走指示を待たず自ら考えて動く状態179件―
※出現件数はダイアリー・レポートへの自発的な記載数。課題への回答や研修内テキストの転記は含みません。

受講後アンケートの結果

受講後アンケート(n=348、2023年3月〜2026年2月・約35社)では、95.7%が「何らかの変化があった」と回答し、55.8%が「社長のことが前より好きになった」と答えています。言葉の共有が、上下関係を超えた信頼感の醸成にまで影響することが示唆されます。

現場の声:「共通言語」が生まれた瞬間の記録

以下は、研修プログラム「ワンネス経営®」の受講生が自発的にダイアリーに記した言葉の一部です(匿名・原文ママ)。管理職が「言葉が届いた瞬間」をどう体験しているかが読み取れます。

「係長との面談。素直力の一言で内容が通じる。そこから話がサクサク進む。改めて共通言語の存在の大きさを感じた。」

「共通言語がある事で話が早い!そんな仲間がいる事に感謝です。」

「仲間と共通言語で会話することが、文化を創っていくプロセスなのだと気づきました。」

「エスパーニーズはとても耳が痛かった。内に溜めず、言い方を変えて伝えていく。」

考察:「伝わらない」を解く鍵は「言葉の共有」にある

今回のデータが示すのは、組織に「共通言語」が生まれたとき、管理職のコミュニケーションの質が変わるという現象でした。

「言っても動かない」という管理職の悩みは、しばしば部下のモチベーションや能力の問題として語られます。しかし実態は、「言葉の意味が共有されていない」という構造的な問題である可能性が高いと考えられます。部下が動かないのではなく、そもそも同じ言葉で同じ景色を見ていないのです。

本調査から導かれる示唆

・管理職の「伝わらない」悩みは、言い方・伝え方の技術論だけでは解決しない
・組織にチームで共有できる「共通言語」があると、対話の質とスピードが変わる
・定着する言葉には「繰り返し使いたくなる独自性」と「体験との結びつき」が必要
・抽象概念はビジュアル(比喩・図)とセットにすることで定着が促進される

調査概要

調査名管理職育成現場における言葉の定着度調査
対象国内企業39社・管理職および部下 約1,000名
期間2023年2月〜2026年8月(約3年半)
データ件数27,454件の行動・コミュニケーションログ
分析手法「共通言語」の有無と業務成果・関係性の変化を追跡

※本調査は自社運営プログラムの学習記録を対象としたものです。受講生の声は本人の同意・匿名化のもとで使用しています。

※1 文化庁「令和7年度「国語に関する世論調査」の結果の概要」(PDF)